#8忘れられたわけじゃないのに、もう前と同じじゃないとき
ふと、思い出すことはある。
何気ない瞬間に、
名前を見たり、
似た空気を感じたりして、
少しだけ、心が揺れる⸻でも前みたいに苦しくはない。
眠れなくなるほどでもないし、
一日中引きずることもない。
それでも、
完全にどうでもいいわけでもない。
「もう大丈夫なのかな」
「でも、まだ気になる気もする」
そんな、どっちとも言えない場所にいるとき。
それはきっと、
終わっていないのではなくて、
ちゃんと終わりに向かっている途中です。
感情は、
ある日突然、ゼロになるわけではありません。
強かったものが、
少しずつ弱くなって、
濃かったものが、
少しずつ薄れていく。
その過程の中に、
“まだあるけど、前とは違う”
そんな状態が生まれます。
多くの人は、「完全に忘れられたら終わり」
そう思ってしまうけれど、
本当はそうじゃありません。
思い出すことがあってもいい。
少し揺れることがあってもいい。
それでも、
前と同じように苦しくないなら、
それはもう、
ちゃんと抜けはじめているサインです。
むしろ、
無理に「もう平気」と思い込もうとするほうが、
どこかに力が入ってしまう。
大切なのは、
“完全に消すこと”ではなくて⸻「そのままでも、自分は穏やかでいられること」
思い出してもいい。
少し揺れてもいい。
それでも、自分を保てているなら、
あなたはもう、
前と同じ場所にはいません。
気持ちが残っていることと、
そこに縛られていることは、
まったく別のものです。
そして多くの場合、
縛られなくなったときに、
その気持ちは、
静かに役目を終えていきます。
気づけば、
思い出す回数も減っていて、
気づ
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