【城間勝行】木に引っかかったレジ袋を正社員にしたい理由
風に吹かれ、街路樹の枝に引っかかったコンビニのレジ袋を眺めていると、ふとこの袋を正社員として雇いたいという衝動に駆られることがあります。エンジニアである私は本来、その袋にかかる風圧や摩擦係数、どの程度の力で引き抜けば破れずに済むかといった数式を弾き出す生き物です。しかし最近の私は計算機をしまい込み、ただ揺れているという一点にのみ、意識を集中させるようにしています。私たちはあまりにも、すべての事象に対して正解という名のラベルを貼りすぎているのではないでしょうか。かつて大手企業で、一寸の狂いもない基幹システムを構築していた頃の私は、絶対に木に引っかからないレジ袋を作ることに躍起になっていました。わずかな遅延さえも排除すべき敵だったのです。しかし独立して多くの相談に乗るようになり、私は間違いに気づきました。本当に美しいのは、空へ伸びるビルではなく、風に翻弄されながら楽しげにダンスをしているあの薄っぺらな白い袋の方だったのです。ココナラでのサービスも、実はこれに近いと感じています。依頼者は、自分の人生に現れた想定外の揺れをどうにかしたくてやってきます。そこで私たちが提供すべきなのは、揺れを止める重石ではなく、その揺れをどう楽しむかという新しい視点の提案です。マニュアル通りの解決策なら機械が出す時代。だからこそ人間が介在する意味は、あえて論理を脇に置き、相手の心のさざ波に寄り添うことにあります。効率は確かに正しい。でもそれだけでは心の空腹は満たされません。不器用な情熱や不安、そして計算違いから生まれた偶然の産物。そうしたノイズこそが、人生を世界にたった一つの物語へと書き換えていく隠し味に
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