明るさを拾う夜 ― リスの書架と、満ちていく光 🐿 ☪︎
夜の空気が、いつもより少しだけ明るく感じられる夕暮れでした。月はまだ満ちきってはいないけれど、どこか“胸の奥に灯がつく前ぶれ”のような光をまとっています。黒猫の書架を後にしたあなたは、静かな余韻を抱えたまま、そっと歩いていました。そのとき——コトン。木のほうから、小さなものが転がる音がしました。この静けさの中では、それがやけにまっすぐ響いて。音の先へ足を向けると、枝のあいだから、ふわっと尾が揺れました。リスが、こちらを覗いて「あ、来たね」と言いたげに目を細めているのです。🌰 木の実の書架 ― “小さな明るさ”の棚リスの書架には、今日も木の実がいくつも並んでいました。ひとつひとつ形が違って、その表面には小さな言葉が刻まれています。「ありがとう」「よかったね」「助かったよ」「きれいだね」ありふれているようでいて、実際はなかなか手に取れない、日常の“ちょっとした明るさ”たち。あなたは木の実を見ながら、胸の奥がふっと動くのを感じていました。でも、そのすぐあとに、そっと影のように遠慮がよぎります。“こんな小さなこと、喜んでいいのかな…”“私なんかが受け取ってもいいのかな…”リスは、あなたの心を横目でのぞいたように、木の実をひとつ、ポンと差し出しました。「いいんだよ。小さなものほど、あとからじんわり役に立つんだから。」その言葉は、押しつけでも慰めでもなくて、ただ“そうだよ”と当たり前みたいに伝わってきました。あなたは木の実をそっと手に取り、その軽さと温かさを確かめます。大げさじゃないのに、ちゃんと力になる。そんな感触でした。🌕 スーパームーンの夜 ― “満ちる瞬間の静かな圧”そして翌夜。外
0