「伝わる文章」は、うまい文章より難しい──信用してもらえる存在になるには?
最近、主婦の友社時代の同僚だった女性編集者と一緒に、これからを担うライターに向けた「文章力講座」を開いています。
受講生はすでにウェブ媒体や広報誌などで執筆経験を持つ、一定のレベルに達した人たちです。
今回の講座には、私たちが実際に原稿を添削するサービスをつけました。
受講者が提出する原稿は、もちろん基本をきちんと押さえており、誤字脱字も少なく、構成も整っています。
それでも、私たちは「まだ伸びしろがある」と感じています。
なぜなら、良い文章よりも“無駄のない伝わる原稿こそが、プロの世界では求められるからです。
修飾語より「余白」、技巧より「意図」
世の中には、文章術に関する本があふれています。
「書き出しのコツ」「リズムの作り方」「五感を使った表現法」──。
テクニックを何十個も紹介している本も少なくありません。
もちろん、それらは知っておくに越したことはありません。
ですが、私たちが原稿をチェックするとき、まず見るのはテクニックではなく構造と意図です。
例えば、
・過剰な修飾語の連発
・「それ」「これ」など指示語の多用
・主語の省略で曖昧になった文意
これらが重なると、どんなに美しい言葉を使っても、読み手には伝わりません。
日本語は主語がなくても何となく通じてしまう言語ですが、“なんとなく”の積み重ねが伝わらない文章を生むのです。
「上手い」より「届く」文章を
添削をしていると、基本に忠実で誠実な原稿を書く人が多いことに驚かされます。
その姿勢は本当に素晴らしい。
しかし、プロとしてやっていくためには、もう一段階上の“読まれる文章”が求められます。
それは「うまく書く」では
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