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境界線を越える処方箋 ——「断りにくさ」の向こう側にある危機

 「綺麗になりたい」「痩せたい」という切実な願いは、多くの人が心に抱くものです。 しかし今、その思いの行き着く先で、ある医薬品のあり方が大きな議論を呼んでいます。 本来は糖尿病の治療薬である「マンジャロ」が、ダイエット目的として使用され、問題視されているのです。 最近、東北地方のある、精神科クリニックの院長が、体形に悩む数人の女性患者に対し、この薬を自由診療で定期処方していたことが明らかになりました。 院長は取材に対し「糖尿病治療以外に使うべきではないと理解はしているが、患者に頼まれると断りにくい」と胸の内を明かしたといいます。  医師としての裁量を口にしつつも、目の前の患者の懇願に揺れる姿がそこにはありました。しかし、その「優しさ」や「断りにくさ」は、時に重大な過ちへとつながりかねません。 私たちは今一度、はっきりと「断るべき一線」があることを認識しなければならないのだと感じます。 そもそも、美容外科などでの自由診療をきっかけに広がったこのダイエット目的の処方ですが、本来の目的外での使用は安全性や有効性が確認されていません。 それどころか、予期せぬ副作用のリスクさえ孕んでいます。事態を重く見た厚生労働省は、すでに各自治体や日本精神科病院協会などの医療関係団体へ向けて、適正な使用を促す注意喚起を行っています。 特に精神科という領域において、この問題はさらに深刻な意味を持ちます。薬物依存や摂食障害に詳しい専門家は、精神科の患者さんは自身の体調悪化に気づきにくい傾向があると指摘します。 そうした背景の中でマンジャロを安易に処方することは、摂食障害などの症状を助長し、最悪の場合には極
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心が穏やかであるために-薬と共存するために

 私たちの脳と心は、常にダイナミックに活動しています。時にはその活動が行き過ぎてしまい、強い不安や不眠に悩まされることもあるでしょう。そんなとき、医療の現場で私たちの心身を支えてくれる存在の一つが、ベンゾジアゼピン系のお薬です。  このお薬は、脳の活動を穏やかに抑えることで、不安や不眠を和らげるという大切な役割を持っています。主な特徴として、不安や緊張を優しく解きほぐす「抗不安作用」、脳の興奮をしずめて心地よい眠りへと誘う「催眠・鎮静作用」、そして全身の筋肉のこわばりや肩こりを和らげる「筋弛緩作用」という3つの優れた働きが挙げられます。脳内の受容体に直接働きかけ、高ぶった神経の興奮を素早くしずめてくれるその力は、つらい瞬間に大きな救いとなります。 一方で、私たちの脳には「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」と呼ばれる、もう一つの不思議な仕組みが存在します。これは、私たちが意識的な作業をしていない、いわば脳の「アイドリング状態」のときにも自動で働いているネットワークです。内側前頭前野や後帯状皮質、楔前部といった部位が連携しており、驚くべきことに、脳が消費する全エネルギーの約6割から8割をこの状態が占めていると言われています。 この仕組みは、過去の記憶や日々の体験を無意識のうちに結びつけ、情報を整理したり、リラックスしているときに素晴らしいアイデアをひらめかせたりする源泉になります。しかしその一方で、このネットワークが過剰に働きすぎてしまうと、過去の失敗や未来への不安を何度も思い返す「反芻(はんすう)思考」に陥り、脳に深い疲労をもたらしてしまう側面も持ち合わせているのです。
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傷ついた脳の編み直し — 神経可塑性が教えてくれる、うつ病から回復する力

 最近、メディアや本などで「神経可塑性(しんけいかそせい)」という言葉をよく耳にするようになりました。少し難しそうな響きですが、これは私たちの脳が持つ、とても健気で素晴らしい「変化する力」のことです。 私たちの脳や神経系は、決して硬いコンクリートのようなものではありません。日々の学習や新しい経験、あるいは思いがけないケガなどに直面したとき、その状況に合わせて自分の構造や機能を柔軟に変えていくことができるのです。 しかも嬉しいことに、この変化に年齢は関係ありません。私たちはいくつになっても、脳の中に新しいつながりを作り、変わり続けることができます。 脳の中では、驚くほどダイナミックな対話が行われています。神経細胞同士を結ぶ「シナプス」という架け橋は、使うほどに強くなり、使わなければ弱くなっていきます。 よく歩く道が踏み固められて立派な道路になるように、よく使う回路は太くなり、逆に使われない回路は自然と消えていく。そうして脳は、情報をきれいに整理整頓しているのです。 ひと昔前は「脳の成長は子供のうちだけ」と思われていたこともありました。 しかし今では、大人になってから新しい楽器を習ったり、見知らぬ街の言葉を学んだりするときにも、この回路の再編成が起きていることが分かっています。 この「神経可塑性」という力は、日々の学びや記憶を支えてくれるだけでなく、時に大きな救いにもなります。 たとえば脳卒中などで脳の一部が傷ついてしまったとき、残された周りの元気な神経たちが「私たちが代わりに働こう」と手を取り合い、失われた機能を補おうとするのです。 リハビリによって麻痺が改善していく背景には、こ
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精神薬飲む際に知っておきたい 悪性症候群の初期サイン

🚨見逃すと命に関わる‼️ 【悪性症候群】初期サインまとめ 💊抗精神病薬など、薬変更後に要注意! 🧠前兆サインはこれ👇 ✅38℃以上の発熱 ✅全身の筋肉痛・強いこわばり ✅だるさ・頻脈・意識障害 🗓発症は1週間以内に66%‼️ ⚡疑ったら即対応⚡ 🔹原因薬の中止&薬歴チェック 🔹冷却+水分補給(脇・首・足の付け根を冷やす❄️) 🔹薬物治療👉ダントロレン、ブロモクリプチン、ジアゼパム 🌟上手く対応すれば7~10日で改善期待🌟
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米国の教育委員会は行動問題に対する薬物療法を推奨しない(ADHD)

・米国の教育委員会は行動問題に対する薬物療法を推奨しない(ADHD) 米国の教育委員会は、親に子どもの薬物治療を受けるよう勧めるのではなく、教師らが教室での問題行動を克服するために規律と指導を用いるよう求める決議を可決した。 コロラド州教育委員会が可決した決議は法的効力を持たないものの、学校における問題行動への対処としてリタリン(塩酸メチルフェニデート)などの薬物使用が増加していることに警鐘を鳴らすものである。 この決議を支持する委員会メンバーは、生徒による暴力犯罪の多くは、向精神薬を服用している若者によって犯されていると考えている。 コロラド州リトルトンのコロンバイン高校で昨春発生した銃乱射事件では、10代の銃撃犯の一人であるエリック・ハリスが、抗うつ薬ルボックス(フルボキサミン)を服用していた。米国で初とみられるこの委員会の措置は、注意欠陥多動性障害(ADHD)などの症状における向精神薬の使用をめぐる議論を激化させることは間違いない。 現在、米国では推定250万人の子供たちがこの種の問題のために薬を服用している。 メリーランド州ベセスダにある非営利研究機関、国際精神医学心理学研究センターの所長、ピーター・ブレギン氏は、医師が向精神薬を過剰に処方していると考えている。 「子供たちのニーズに応えるのではなく、彼らの行動を抑制しようとするのは大きな間違いです」と彼は述べた。彼は、向精神薬と暴力行為の間には直接的な関連があると確信している。 注意欠陥多動性障害(ADHD)の児童における向精神薬の使用状況が、昨年5月に米国児童青年精神医学会誌(Journal of the Ameri
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