「PERFECT DAYS」の Blu-ray が出たからじっくりと観直してみた。vol.6〈完結〉
タカシが急に仕事を辞めた翌日、サトウと名乗る女性清掃員が来るのですが、これが堂々としていて、実にカッコいいんですよね。職種うんぬんではないのです。自分が自分の仕事をどう思っているかどうか。そして大切なのは、自己イメージなんだと思う。きっとサトウは、見事な清掃作業をするのでしょう。自らのサービスに自信を持っているのでしょう。そういう人は、すてきに見えます。どんな職業であろうと。その人物が、どんな見た目であろうと。サトウと会ったあとの平山の顔はうれしそうです。サトウと平山のいる世界は、つながった・同じ世界なのかもしれません。そして、田中 泯さん演じる踊るホームレスの男。平山は交差点で男を久しぶりに見かけます。交差点の中央で、男はいちど両手を上げ、回れ右して戻っていきます。背中には、やはり焚き木が背負われている。この男はなんなのでしょう? なんの隠喩なのでしょう?この男は、 実家との縁を失って〝ホームレス〟となった平山の闇の部分をあらわすメタファーなのだと僕は思っています。焚き火を背負っていますから、何かのはずみで火がつき、〝怒り〟が再燃するかわからない。妹・ケイコの話によれば、父親もいまや老人ホームにおり、「いろいろもうわかんなくなってる」らしい。それを聞いた平山は、長年くすぶりつづけていた父親へのわだかまりが消え去ったのではないか。おき火のように芯の部分がまだ赤かったものが、心から取り除かれた──。よって平山の負の部分の象徴であるホームレスの男はきびすを返し、去っていった。おそらく、永遠に。この考察が正解なのかどうかはわかりません。正解などというものはそもそもないのです。作り手側
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