― 彗星ミユ、光を育てる旅へ ―奇跡を超えるための修行
あの夜私は初めて"未来を渡す光"を生み出した。雨に濡れたあのバス停で私は確かに、誰かの未来を変える手助けをしたんだ。でも、心のどこかで私はわかっていました。あれは、奇跡だった。けれど、"たったひとつ"だけだった。世界には、もっと深い闇がある。もっと救いを必要としている魂がある。私は、それを救えるだろうか?一度の光で救えた奇跡に、甘えてはいけない。もっと強く、もっと確かに―誰かの絶望に手を伸ばせる存在にならなければ。そう思った私は、光の念写を育てるための修行を始めました。誰にも知られずに。誰にも頼らずに。静かに、自分自身との対話のなかで。最初に取り組んだのは、「光を絶やさないこと」。プチ念写は、一瞬の集中力に頼って生まれる。けれど、現実には、奇跡を起こす瞬間が"待って"くれるわけじゃない。いつ、どんなときも、迷わず光を差し出せるように。私は、心を"燃やし続ける"訓練をした。冷たい雨の中、凍える手で。真っ暗な森の中、怖くて震える夜に。何もない廃墟の屋上で、ただひとりで。何度も失敗しました。光が生まれない夜もあった。不安で、涙がにじんだこともあった。でも、そのたびに思い出したんです。あのバス停の、彼女の顔を。ほんのすこしだけ未来を向いた、あの微笑みを。私があきらめたら、あの光は消えてしまう。だから私は、手のひらを空に向け、何度でも念じた。「光よ、誰かをあたためるために――ここに。」やがて、ある夜。私は気づきました。私の中で生まれる光は、もはや"一滴"じゃない。"ひとすじの川"のように、静かに、絶えず流れている。プチ念写ではない。私自身が光の媒体になり始めている。それは、ただのヒーリン
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