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幸せのハードルの高さ

カオルです。6月が終わっていきます。皆さま、2023年前半、どんな毎日でしたでしょうか。わたしはおめでたいので、良かったことしかこころに残らないタイプです笑以前はそうではありませんでした。たぶん、病気をしてからだと思います。癌、出ちゃいました。医師はそう言いました。下ろしかけた腰がまだ椅子に着地する前、早口で言った医師の言葉を、いまもはっきり覚えています。30代で癌。検査を繰り返すごとに、濃厚になっていく癌。でもどこかで、「はーい、間違いでした、あなたは癌なんかではありませんでした〜」という、どんでん返しを期待してもいました。身体に残る傷。焼け爛れた患部。抜け落ちていった髪。変わり果てた容姿。社会から離脱した日々。明日がくるんだろうか。次の季節にわたしはいられるのだろうか。この世界に。1年ちかくぶりに走ることができた日。ウイッグを外した日。味覚を感じられた食事。また桜を見た春。季節の移り変わり。夕日の美しさ。明日がくると信じて寝られる夜。世界はなんて美しいのだろう。なにを見ても泣いた。幸せに満ち溢れている世界が素晴らしすぎて。いま、10年以上が経って、わたしにそんな過去があるだなんて、病気のことを知らない人はまったく信じられないだろうと思う。いまだに戻らない感覚もある。嗅覚、味覚。手足のしびれや体力や。でも、走れて髪も伸びてヒールも履けて、なんでも食べられて、病院も年に1回しか行かなくて良くて、毎日笑って元気に過ごせている。ときどき自分でさえ、忘れそうになる。わたし、かつて癌だったよなあ、と。でもね。幸せのハードルは低いまんまです。毎日、感謝しありがとうと思う。誰もに言いたい。
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