分類よりも大事なこと
私達の身の回りには、さまざまな事柄があります。そのほとんどの事柄は「正と負」「プラスとマイナス」といった、相対関係が成立しているものです。
今回は、そんな相対関係を「どの様に心でとらえるか」を説く『禅語』を紹介します。
*****両忘(りょうぼう)
生死、貧富、善悪、愛憎。
世の中には対立する事柄があふれています。貧困は嫌だ、金持ちがいい、この人は好き、あの人は嫌い・・・こんなふうに色々なことを分けて判断してしまいます。何事に対しても、好きとか嫌いなどで分けると、それがさらに「心の葛藤」を生み出すこともあります。
そんな時「心の葛藤」を感じた時には、一旦ふたつに分けることを忘れて下さい。
「生と死」「貧困と裕福」「善と悪」「愛情と憎悪」
それぞれは、確かに相反する「対立関係」にあると思うでしょう。しかしよく考えてみてください。
「嫌いな人の意見」でも的確なら賛成。「好きな人の意見」でもそれに従えない事もある。「対立関係」という分類にとらわれることなく【物事の本質】をとらえて判断する。この【物事の本質】こそが最も大切であり重要なことなのだと気が付かなければなりません。「生と死」の本質とは何なのか?
「貧困と裕福」の境界線は?
「善と悪」の基準は?
「愛情と憎悪」の要因は?
「生と死」の本質。それは、与えられた命に対する感謝。
なぜ「生死」があるのかではなく、そもそも「生きるとは?」「死ぬとは?」という考え方の根本になるもの(本質)とは何なのか・・・「貧困と裕福」の境界線。それは、心の満足度・幸福度。
なにをもって「貧困」と「裕福」に分ける必要があるのか・・・「善と悪」の基準。それ
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