#361 「あおり運転」事件の判決、「未必の殺意」とは?
「あおり運転」事件の判決、「未必の殺意」とは? 弁護士に聞く
あおり運転によって被害者を死なせたとして、殺人罪が成立することがあります。そうした際に判決文に出てくるのが、「未必の殺意」という言葉です。「未必の殺意」とは、どのような考え方なのでしょうか。芝綜合法律事務所の牧野和夫弁護士に聞きました。
相手が死亡する危険性を認識
Q.「未必の殺意」とは、どういう場合に認められ、法律の適用や刑罰にどう影響するのでしょうか。
牧野さん「事件を起こした人間が『結果的に犯罪行為(殺害)になってもかまわない』という心理状態だったと判断された場合、『未必の殺意』が認められます。犯行に及ぶ明確な殺意がなくても、相手が死亡する危険性を認識していたと認められれば、『殺人の故意があった』として殺人罪(刑法199条、死刑または無期もしくは5年以上の懲役)が適用されます。」
Q.「未必の故意」という言葉はよく聞きます。「未必の殺意」との違いは。
牧野さん「『未必の殺意』は殺人罪の場合にのみ使われる言葉です。『未必の故意』は傷害罪も含む、より幅広い概念を示します。『未必の殺意』も『未必の故意』に含まれます」
Q.あおり運転の報道が増えていますが、あおられた側が死亡する事故が起きた場合、どのような罪が考えられますか。「未必の殺意」が認められなかった場合と認められた場合で、それぞれ教えてください。
牧野さん「殺人罪か傷害致死罪の適用が考えられる事故では、『未必の殺意』が認められなかった場合と認められた場合で、適用される犯罪類型が異なってきます。『未必の殺意』が認められず『傷害の故意』のみが認められた場合は、傷
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