飲食店の店主さんから、こんな声をよく聞きます。
「写真なら、スマホにたくさん入っているんです」
撮る時間はある。でも、投稿まではたどり着かない。
理由は第1回で書いた「書く時間」の不足に加えて、もうひとつあります。
「1枚の写真に、正しい文章は1つだけ」という思い込みです。
実は、メニュー写真1枚からは、切り口を変えるだけで投稿文が3本作れます。
同じ写真でも、読み手に渡すものが違えば、別の投稿になるのです。
切り口は、この3つです。
1. 味の話(どんな味か、食感はどうか)
2. 仕込みの話(どう作ったか、手間はどこか)
3. 場面の話(誰と、いつ、どんな気持ちで食べるか)
たとえば、焼肉用の盛り合わせの写真1枚で考えてみます。
1本目、味の話。
「今日の盛り合わせは、赤身と霜降りを半分ずつにしました。
赤身は噛むほどに味が出て、霜降りは脂の甘みが広がります。
タレでも塩でも合いますが、最初の一口は塩がおすすめです。」
2本目、仕込みの話。
「この盛り合わせ、部位ごとに切り方を変えています。
厚みが揃っていないのはわざとです。火の入り方を部位に合わせると、焼き上がりの表情が変わります。
切るのにいちばん時間がかかる盛り合わせが、これです。」
3本目、場面の話。
「週末の食卓用に、2人前の盛り合わせを用意しました。
焼く順番は、塩の部位から。会話が弾む頃に、タレの部位をどうぞ。
頑張った一週間の締めに、ちょうどいい量だと思います。」
写真は同じでも、3本とも違う投稿です。
読み手も違います。味で選ぶ人、手間に価値を感じる人、週末の予定を考える人。
1枚の写真を「投稿1回分」と数えるのをやめると、手元の写真の山が、そのまま数週間分の材料になります。
撮り置きのコツもひとつだけ。
料理が完成した瞬間だけでなく、仕込みの途中(切る前、並べる前)も撮っておくことです。
仕込みの話の投稿は、その途中写真がいちばん合います。
それでも、営業の合間に文まで作る余裕がない日はあります。
そういう日のために、写真さえあれば文のほうを作る、という形の手伝いもしています。興味のある方は、私のプロフィールから出品をご覧ください。実績やレビューはまだありません。そのことも、正直にお伝えしておきます。
写真は、もう撮ってあります。
あとは文を付けるだけです。