1本足したら、足りなくなった

1本足したら、足りなくなった

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美容・ファッション
元アパレル店員の僕は、いま下着から靴、バッグまで含めて20着で暮らしています。その中に、短パンは1本だけ。もともとランニング用に買った、カーキの短パンです。

20着で暮らすようになってからも、この1本では足りないと感じたことがありました。ランニング用を普段着にも履いていたので、街で履くならもう少しおしゃれなものが欲しくなったんです。それで、黒の短パンを買い足しました。

ところが、1本足しても話は終わりませんでした。今度は、また別の短パンが欲しくなったんです。足りないから足したはずなのに、足したことで「足りない」の基準のほうが動いてしまった。服が増えていくのは、たぶんこういう仕組みなのだと思います。

もう一つ、気づいたことがあります。黒を買ってからも、手が伸びるのは結局カーキのほうでした。素材感が心地よくて、ランニングでも普段着でも、気づけばカーキを履いている。見た目で選んだ黒より、毎日選ばれていたのはカーキでした。

そこで、買ったばかりの黒の短パンを、思い切って売りました。すると、カーキの短パンをこれまで以上に納得して履けるようになったんです。同じ1本なのに、比べた上で残した1本になったからだと思います。

本当に必要になったら、また買えばいい。その考えは今も変わりません。ただ、その「足りない」が服の数のことなのか、今ある服への納得感のことなのかは、買う前に一度確かめたほうがいい。今回の短パンで、そう思うようになりました。

足りないと感じたとき、本当に足りないのは服の数ではなく、今ある服への納得感なのかもしれません。1本足したのは遠回りでしたが、そのおかげで確かめられました。

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