子どもの自己肯定感、上げようとしなくていい

子どもの自己肯定感、上げようとしなくていい

記事
学び
お母さん係です。

「子どもの自己肯定感を上げる声かけ」「自己肯定感が育つ褒め方」。
こういう記事、本当にたくさんありますよね。読むたびに、「今日の言い方、大丈夫だったかな」と気になってしまうお母さんも多いと思います。

今日は、元中学校の英語教員で、個人塾を7年やってきた私が、正直に思っていることを書きます。

自己肯定感を上げるのは、お母さんの仕事じゃない

まず、いちばん伝えたいことです。

子どもの自己肯定感を上げるかどうかは、お母さんの仕事ではありません。

子育て全般に言えることですが、私は「それは誰の課題なのか」をとても大事にしています。自己肯定感は、子ども自身のもの。お母さんが外から足してあげるものではないんです。

そもそも、自己肯定感ってなんでしょう。
私は、自分のことを信じられる力だと思っています。

そして、それは子どもが生まれたときから、ちゃんと持っているものです。自分のことをまったく信じられなかったら、人は生きていけません。今ここで生きている時点で、自己肯定感はもうあるんです。

「自己肯定感」という言葉がついたせいで、努力して上げに行かなきゃいけないもののように感じてしまう。でも本当は、そんなに頑張ってプラスしに行かなくていい。それが正直なところです。

「自分はできる」と思えていた子の家

教員や塾をしていた頃、「この子は、自分はできると思えているな」と感じる子が何人もいました。

意外かもしれませんが、そういう子の家は、「宿題やった?」「今日学校どうだった?」とゴリゴリ聞いている家ではありませんでした。

もちろん、親は子どものことに興味があります。でもそれ以上に、その時その時を大事にしている家が多かったんです。

「今日の晩ごはん、何にしよう」
「このお米、おいしいね」

そんなふうに、今この瞬間に感じられることを大事にしている。

お母さんは、子どもに興味を持ちすぎていない。自分は自分で楽しんでいて、「で、あんたはどうなの?」くらいの空気。
狙って何かをしている家は、本当にひとつもなかったです。

お母さんが頑張るほど、子どもが自信をなくすことがある

これは少しドキッとする話かもしれません。

よちよち歩きの子が、A地点からB地点に歩いて行こうとしているとします。
「あの子はあっちに行きたいんだな」と思って、お母さんが抱っこして連れて行ってあげる。そうすると、その子は「自分で歩けた」という自信を持つ機会がなくなってしまいます。

子どもは、自分でやってみて、うまくいった、を少しずつ積み重ねて、自信をつけていきます。
だから、お母さんが子どもの代わりに頑張れば頑張るほど、子どもが自信を持つ場面が減ってしまうことがあるんです。

これは、お母さんの頑張りが足りないとか、間違っているという話ではありません。愛情があるからこそ、手を出したくなる。その頑張りの「向き」の話です。

褒め方のテクニックは、正直いらない

褒め方や声かけのコツの話もよく見かけますが、正直、特別なスキルは必要ないと思っています。

褒めても褒めなくても、やる子はやるし、やらない子はやらない。
それは「この子は全部やらない子」という意味ではなくて、勉強のこの部分はやるけど、ここはやらない、というように、子どもの中にちゃんと理由があるんです。

最近よく見るのは、褒めることで子どもを動かそうとしてしまうこと。褒めて宿題をさせよう、褒めてもっと勉強させよう。
子どもは、それをすごく感じ取ります。乗っかってやってみる子もいるし、「なんか嫌だな」と思う子もいる。どちらにしても、それはその子自身のやる気ではないので、どこかで無理が来てしまいます。

やめていいこと

頑張っているお母さんに「これはやめていいよ」と言うなら、ひとつです。

子どもの代わりに、子どもの課題をやってあげること。

その子が早く一人でできるようになるために、やり方を教えたり、一緒にやったりするのはいいと思います。でも、本当はその子がやるはずのことを代わりにやってあげるのは、できるだけ早くやめていい。

その代わりに、たくさん甘えさせてあげてください。
抱っこしたり、ハグしたり、「大好きだよ」と言ったり。
そういう愛情を伝えることのほうが、ずっと大事かもしれません。

お母さんも、一人の人間

最後に、子どものことより先に、お母さん自身のことを。

お母さんも、一人の人間です。

子どもがいるから「お母さん」になっているだけで、それはあくまで関係の名前です。彼氏がいるから「彼女」になる、みたいに。
でも、「彼女になったからには、こうしなきゃ」と思い始めたら、恋愛ってすごく重くなりますよね。

お母さんも同じです。「お母さんになったんだから、こうしなきゃ」と思うと、どんどん重くなる。

だからまず、お母さんは一人の人間として生きていていい。
お母さんが自分の時間を楽しんでいる家で、子どもはちゃんと、自分のことを信じる力を持ったまま育っていきます。

おわりに

この記事を読んで、少しでも気持ちが楽になってもらえたらうれしいです。
「こんなに頑張らなくてもいいのかな」と思ってもらえたら。

ただ、それは今まで頑張ってきたことが間違っていた、という意味ではありません。
子どものためにたくさん調べて、言葉を選んできたこと。それは全部、愛情です。

これからは、その愛情を、もう少し自分にも向けてあげてください。

お母さん係


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