近所の細長い緑道、昔は川だった。消えた川をたどる地図サイトを作った

近所の細長い緑道、昔は川だった。消えた川をたどる地図サイトを作った

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住宅街のあいだを、幅のそろった細長い緑道がくねくねと続いている。入口には車止めがあり、近くのバス停は川もないのに「〇〇橋」。こういう道の多くは、ふたをされた川「暗渠(あんきょ)」の上を通っています。

でも、昔そこに川があったことを確かめようとすると、明治の地図、戦後の空中写真、標高の地図を別々に開いて見比べることになります。どれも無料で見られますが、場所を合わせながら行き来するのはなかなか面倒です。

そこで、東京の世田谷区から目黒区へ流れていた蛇崩川(じゃくずれがわ)1本について、これらを全部重ねて「読める・歩ける」サイトを作りました。スマホの画面にも合わせています

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スクロールすると地図が時代をさかのぼる


「物語を読む」では、文章をスクロールするたびに、地図が源流から合流点へ動いていきます。章ごとに地図の時代も、明治初期・戦後・1960年代・現在と切り替わります。全部で9章です。

上流の章では、地図の真ん中にあるつまみを左右に動かすと、明治初期の地図と今の地図を並べて見比べられます。今は住宅がびっしり並ぶあたりが、明治の地図では畑の広がる土地です。

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意外だったのは「今も谷底」なこと


いちばん驚いたのは断面図です。川筋を横切る線の高さをグラフにすると、緑道は今もはっきり谷の底を通っていました。下流の目黒区側では、川筋が左右の高いところより約14.5mも低い。ふたをされて道になっても、地形は川のままでした。

断面図は、国土地理院の標高データから作っています。

03_谷底の断面図.png

現地では「歩く」と「サイン図鑑」


「歩く」はスマホ向けの画面です。「現在地を表示」を押すと、13か所のスポットが近い順に並びます。位置情報を使うのは、このボタンを押したときだけです。「断面を見る」を押して地図を2か所タップすると、その場所の断面図も出せます。

04_歩くモード.png

「サイン図鑑」では、車止め、「〇〇橋」という名前、細長い公園など、川があった手がかりを7つ紹介しています。見つけたらタップして記録でき、7つそろうと「蛇崩川マスター」になります。

05_サイン図鑑.png

AIにも読めなかった明治の川


サイトはClaude Codeに作ってもらいました。資料集めから地図データの加工、ページ作りまでです。

いちばん迷ったのは川筋の線です。線は地図データ(OpenStreetMap)の暗渠の線を元にしていて、標高データの谷底と重なるかどうかで、確実度を実線と破線に描き分けています。ところが上流の一部では、今の線はまっすぐなのに、明治の地図には曲がりくねった川が描かれているように見えました。線で測った長さも約6.5kmで、目黒区の資料にある5.2kmとは合いません。

AIは、古い地図の上の川を確実には読み取れませんでした。そこで線は変えずに、制作者用の「照合ページ」を作ってもらいました。明治の地図と戦後の空中写真を左右に並べ、川を300mごとの22区間に分けて、確実度とメモを記録できます。照合はまだこれからです。

AIが判断しきれないところは、人が確かめるための道具ごと作らせる。今回いちばんの収穫はここでした。

まずは近所の緑道を1本


蛇崩川の近くに住んでいなくても、図鑑のサインはほかの暗渠でも探せます。まずは近所の、妙に細長くくねった緑道を1本歩いて、車止めと「橋」の名前を探してみてください。見つかったら、そこは昔の川だったのかもしれません。画面を見るときは立ち止まって、緑道と公道だけを歩いてくださいね。
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