Excelで「EC」「通販」と検索して営業リストを絞る。効率的に見えて、実は営業候補を見落としているかもしれません。
例えば、梱包・発送代行の営業なら、探したいのは「自社の商品を一般消費者からオンラインで直接受注している会社」です。
次は架空の事業説明です。
・会社①「自社焙煎豆の定期便を公式サイトで注文受付」→ 候補。「EC」の文字はない。
・会社②「通販サイト制作と、自社雑貨の卸売を展開」→ 要調査。「通販」とあっても、自社商品のオンライン直販は不明。
・会社③「他社の受注管理システムのみ提供」→ 対象外。自社の商品を販売していない。
検索できるのは単語。営業で知りたいのは事業の中身。
そのズレをChatGPTで埋めます。
Excelで絞るのは「迷わない条件」だけ
地域や既存取引先など、条件が明確なものはExcelのフィルターで整理します。
ただし、「EC」の文字がない会社まで先に消さないこと。そこに探している会社が紛れているかもしれません。
元ファイルは残し、対象行を新しいブックへコピーします。
Windows版Excelなら、対象範囲を選択し、[ホーム→検索と選択→条件を選択してジャンプ→可視セル]を指定してコピー。
新しいブックには、ID・会社名・事業説明の3列だけを残し、シート名を「元データ」にします。IDは重複や空白のない固有番号にしてください。
フィルターで隠した行も元ファイルには残ります。添付前に、不要な行や情報が混ざっていないか確認しましょう。
ChatGPTには「意味の仕分け」を任せる
まずは10〜20社。3列のデータをChatGPTに貼り付け、次のように指示します。
梱包・発送代行の営業候補を一次仕分けしてください。
対象:自社の物理商品を一般消費者からオンラインで直接受注する会社。
事業説明だけを根拠に「候補/要調査/対象外」で判定。
不明なら「要調査」。Web検索や推測で補わないでください。
IDを変更せず、全行を次の5列で出力してください。
ID・会社名・判定・根拠となる原文引用・次に確認する点
入力・出力件数も報告してください。
貼り付けデータの場合は、タブ区切りのコードブロックで回答してください。
結果をExcelに貼り付け、列に分かれなければ[データ→区切り位置]でタブを指定します。
件数が多ければ、3列のExcelファイルを添付して分類を依頼する方法もあります。生成された表をCSVでダウンロードできた場合は、元ブックの「判定結果」シートに取り込みます。
ただし、大量の行を一度に正しく処理できる保証はありません。必要ならExcel側で対象行を分割し、結果をIDで整理します。無料版にはアップロード回数の制限もあるため、まず少量で試すのが現実的です。
AIの「全件処理しました」を信じすぎない
AIが件数を報告しても、それだけで確認完了にはなりません。
元データと判定結果の行数を比べたうえで、元データのD2に次の式を入力し、下までコピーします。
=COUNTIF(判定結果!$A:$A,A2)
0なら欠落、1なら1件存在、2以上なら重複です。
判定結果側でも、F2に次の式を入れて確認します。
=COUNTIF(元データ!$A:$A,A2)
こちらで0が出たら、元データにないIDが混ざっています。
ただし、IDが全部そろっていても判定が正しいとは限りません。根拠の引用が元の事業説明と一致しているかも確認してください。
本当の収穫は「要調査」の会社
「候補」は成約見込みではなく、条件に合うという一次判定です。
一方、「要調査」には次に調べるべき疑問が残ります。
会社②なら、「自社サイトで消費者へ直接販売しているか」。そこを公式サイトで確かめればよいのです。
AIに任せるのは、営業先を決めることではありません。
検索で落としそうな会社を残し、人が次に調べるポイントを見つけること。
まずは手元の20社で、キーワード検索では見逃しそうな会社がないか試してみてください。
※事業説明がない名簿は、先に情報収集が必要です。個人情報や社外に出せない業務データは、許可なく入力しないでください。