手段と目的を混同していませんか?
日頃から子どもに「勉強しなさい!」と言ってしまうことはありませんか?
私は13年以上学習塾に勤務して今まで多くの保護者の方と向き合ってきましたが、お家でこの言葉を言わないというご家庭はほとんど聞いたことがありません。どこのご家庭でも、毎日何回も「勉強しなさい」という言葉が飛び交っています。
そして、子どもたちには「勉強しなさい」と毎日言い聞かせておきながら、持って帰ってきたテストの点数を見て、予想外の点数に「もっと、勉強しなさい!」と重ねてしまうことはありませんか?
実はこれ、手段と目的(結果)を混同しています。
子どもにとっては、テストの点数だけが評価の対象であり、
勉強をしたかどうかについては何も言われていないのです。
子どもがこんなにロジカルに考えることはありませんが、
どうしたって『勉強に向かうこと』より、『点数を上げること』にばかり
注意が向いてしまいますよね。結果として、一夜漬けのようなその場しのぎでも、テストの点数を上げるための行動に繋がりがちです。
保護者の皆さんが求めているのは勉強することですか?
それとも、テストで良い点数を取ることでしょうか?
「勉強しなさい」と言ったのであれば、次にかけてあげる言葉は
勉強したかどうかについてであって、そこにテストの点数は関係ありません。
テストの点数を上げてほしければ最初から
「テストで良い点を取りなさい」という言葉に変えるべきです。
プロセスを認めて信じるということ
よく「結果を褒めずにプロセスを褒めてあげましょう」という話を耳にします。「そんなこと言っても、褒めてあげる所がない」という保護者の方もいますが、本質はそこではありません。
最初に言った言葉(勉強しなさい)と、次の言葉(点数が悪い)のズレが、
お互いを苦しめているのです。
そもそも、勉強とは得てして子どもにとって嫌なこと・苦手なこととして認識されています。まずは、その嫌なことに対してほんの少しでも立ち向かった勇気を褒めてあげてください。
「勉強すると言って、部屋に閉じこもっているけど、何をしているかわからない」という声もたくさん聞いてきました。疑いたくなりますよね。
それでも子どもの前では笑顔で「よく頑張っているね!」と声をかけてあげてください。
本当に頑張っているかどうかは本人が一番自覚しています。
たとえ本当は頑張っていなくても、「今は見守る時間」と割り切って、
大人の方から先に信じるポーズをとってあげることが大切です。
もし、頑張ってくれていない事実が判明したら、カッと怒るその前に、
その奥にある「ショック(悲しい)」という感情を先に伝えてあげてください。
実際、信じていたことが裏切られたら悲しいですよね。怒りはその悲しみの裏返しです。人の感情とはそんなものなのです。
「教育のため」というのは忘れて素直にその悲しみを表に出してみてください。
子どもたちは大人のそんな心の中を驚くほどよく捉えているものなのです。
文/林 恭平(学習支援空間 そこすた 管理人)