老人ホームは何施設くらい見ればいい? たくさん見ればいいわけではないまず広く探して、実際に見学する候補を3施設くらいまで絞る

老人ホームは何施設くらい見ればいい? たくさん見ればいいわけではないまず広く探して、実際に見学する候補を3施設くらいまで絞る

記事
学び
親の老人ホームを探し始めると、こんな疑問が出てきます。

「何施設くらい見ればいいんだろう」

3施設では少なすぎるのか。

10施設くらい見ないと比較できないのか。

もっと探せば、さらに良い施設が見つかるのではないか。

インターネットなら、いくらでも施設を探せます。

でも、候補を増やせば増やすほど選びやすくなるとは限りません。

むしろ大切なのは、

「たくさん見学すること」

ではなく、

「見学する前に候補を絞ること」

だと思います。

実際には何施設くらい見学しているのか

介護施設探しを経験した人は、実際に何施設くらい比較しているのでしょうか。

株式会社鎌倉新書が2025年に行った「介護施設探しに関する実態調査」では、介護施設の検索・相談サービス「いい介護」を利用し、実際に施設を見学した165人を対象に調査しています。

その結果、取り寄せた資料は平均5.1施設。

実際に見学した施設は平均3.7施設でした。

さらに、見学数の中央値と最頻値はいずれも「3施設」で、半数以上が3施設以下の見学でした。プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES

つまり、

「いくつかの施設について情報を集める」

↓

「その中から候補を絞る」

↓

「3施設前後を実際に見に行く」

という探し方をしている人が少なくないことが分かります。

ただし、この調査は「いい介護」を利用して見学した165人を対象とした民間調査です。全国の施設探しをするすべての人を代表する数字ではありません。

それでも、「何十施設も全部見に行く必要はない」という一つの参考にはなります。

施設見学そのものが大変

同じ調査で、施設探しで困ったことを尋ねると、最も多かったのは、

「施設見学が大変だった」41.2%

でした。

さらに、

「介護施設の知識がない」38.8%

「情報収集が大変だった」38.8%

「条件に合う施設の探し方がわからない」33.9%

という回答も多くなっています。プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES

これはかなり実感に近いと思います。

1施設見学するだけでも、

予約する。

施設まで移動する。

説明を聞く。

館内を見る。

質問する。

家族で話し合う。

という時間が必要です。

5施設、10施設と増えれば、かなりの負担になります。

だから、「できるだけたくさん見学する」のではなく、見学前に公開情報である程度絞ったほうが効率的です。

最初から3施設だけ探すのも少し怖い

では、最初から3施設だけ選べばいいのでしょうか。

それもおすすめしません。

Googleで検索して最初に出てきた3施設。

紹介サイトで上のほうに表示された3施設。

紹介会社から最初に提示された3施設。

そこだけで決めてしまうと、ほかに条件に合う施設があっても気づかない可能性があります。

そこで、私はまず5〜10施設程度を「候補」として拾う方法が使いやすいと思っています。

この段階では、詳しく調べる必要はありません。

見るのは、

地域。

施設種別。

月額料金の目安。

入居条件。

本人に必要な医療への対応。

家族が通える距離か。

くらいです。

そして、絶対条件に合わない施設を外します。

本でも、まず5〜10施設程度を拾い、条件に合わないところを落としてから、3〜5施設を詳しく調べ、最終的な見学候補を3施設程度にする流れを整理しています。 

まず5〜10施設を「広く浅く」見る

たとえば、こんな条件の家庭があったとします。

月額18万円程度まで。

家族宅から車45分以内。

個室。

インスリン対応について相談できる。

最初に8施設見つけたとしても、その8施設すべての重要事項説明書を読む必要はありません。

ざっと確認して、

月額25万円 → 予算を大きく超えるので候補外。

車で90分 → 家族が通うのが難しいので候補外。

必要な医療処置に対応できない → 候補外。

入居条件が合わない → 候補外。

と落としていきます。

この段階の目的は、

「良い施設を決めること」

ではなく、

「詳しく調べなくていい施設を見つけること」

です。

これだけで、調査量をかなり減らせます。

残った3〜5施設だけ詳しく見る

条件に合いそうな施設が3〜5件くらい残ったら、ここから詳しく調べます。

たとえば、

月額料金の内訳。

介護保険自己負担以外の追加費用。

介護体制。

看護師の配置。

夜間体制。

訪問看護。

医療対応。

認知症への対応。

家族からのアクセス。

面会。

看取り。

退去条件。

などです。

施設の公式サイトだけでなく、重要事項説明書や自治体の公開情報なども確認します。

このとき大切なのは、すべての施設を同じ項目で見ることです。

3施設を横に並べると違いが見える

たとえば、こんな表にします。

比較項目A施設B施設C施設月額費用入居条件介護体制看護・医療家族宅からの時間面会退去条件気になる点見学で確認すること

こうすると、

A施設は安いけれど遠い。

B施設は医療・介護体制が条件に近いけれど料金が高い。

C施設は家族が通いやすいけれど、重度化した場合の対応が分からない。

という違いが見えてきます。

この段階で「1位」を決める必要はありません。

比較表の目的は、施設の順位をつけることではなく、違いと確認事項を見えるようにすることです。 

「分からない」が残っていてもいい

公開情報を調べても、全部は分かりません。

夜間の看護師配置が分からない。

通院介助の料金が書いていない。

認知症が進んだ場合の対応が不明。

長期入院時の扱いが分からない。

そんなときは無理に答えを探さず、

「要確認」

と書きます。

そして、それを見学時の質問にします。

つまり、見学は、

「施設についてゼロから教えてもらう場所」

ではなく、

「ネットで調べても分からなかったところを確認する場所」

にできます。 

3施設見れば必ず十分、という意味ではない

ここは少し注意が必要です。

「見学は必ず3施設にすべき」というルールがあるわけではありません。

条件に合う施設が2施設しかないなら、2施設でもいい。

4施設とも有力候補なら、4施設見てもいい。

特殊な医療ニーズがあれば、候補そのものが少ないこともあります。

3施設という数字に絶対的な意味があるわけではありません。

実際、この本でも3施設を目安にしているのは「比較しやすく、実際に見学しやすい数だから」です。 

大事なのは、

「もっと良い施設があるかもしれない」

と延々と検索し続ける状態から抜け出すことです。

3施設くらい残ったら、一度検索を止める

老人ホーム探しには終わりがありません。

隣の市にもある。

別の紹介サイトにもある。

検索条件を少し変えればまた出てくる。

もっと安い施設があるかもしれない。

もっと新しい施設があるかもしれない。

でも、情報を増やせば増やすほど判断しやすくなるとは限りません。

絶対条件を満たす。

予算内。

本人の状態に対応できそう。

家族も通える。

本人の希望にも大きく反していない。

そんな施設が3つ程度残ったら、いったん検索を止める。

そして実際に見に行く。

この区切りを作ることも、施設探しでは大切です。

面倒なのは「探す」より「比較できる形にする」こと

この方法自体は難しくありません。

問題は、時間がかかることです。

5〜10施設のホームページを見る。

料金ページを探す。

重要事項説明書を探す。

医療・介護体制を確認する。

施設によって違う書き方を、同じ項目にそろえる。

分からない部分を「要確認」にする。

実際には、この地味な作業が一番面倒だったりします。
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