AIに実務を任せる小さな会社を運用しています。決まった時刻に処理が動き、結果がシートに残り、失敗したら気づく。その状態になるまでに、同じところで何度もつまずきました。
最近「AI社員を配置したけれど動かない」というご相談を続けて見かけたので、自分が実際に踏んだものを3つだけ書きます。
■ 1. 止まったことに、誰も気づかない
一番高くつくのはこれでした。
私の場合、処理が「正常終了」と記録を残していたのに、成果物が1つも作られていなかったことがあります。ログは緑。画面もエラーなし。何日か経ってから、出来上がっているはずのものが存在しないことに気づきました。
原因は単純で、「動いたか」しか見ていなかったからです。見るべきは「動いたか」ではなく「結果が実際に存在するか」でした。
今は、処理の最後に必ず成果物の実体を数えるようにしています。ファイルが何枚できたか、行が何行増えたか。宣言した数と合わなければ、そこで止めて知らせます。
■ 2. 決まった時刻に動き出さない
「毎朝9時に動かしたい」が、思ったより難しいところです。
会話の中で「明日の朝やって」と頼む形にしていると、その会話が終わった時点で終わります。画面を閉じても、寝ていても動き続ける形にするには、会話の外に置く必要があります。
OS側のスケジューラに登録する、常駐のプロセスから起こす、といった土台が要ります。逆にここさえ作れば、あとは同じ仕組みに何本でもぶら下げられます。
私は今この形で、朝の集計・巡回・記録を毎日動かしています。
■ 3. AIからAIへ渡した仕事が、途中で消える
AさんがやってBさんに渡す、という流れを作ると、渡した瞬間が一番壊れます。
よくあるのは次の3つでした。
・渡したつもりが、受け取り側が起動しておらず消えている
・同じ仕事が二重に実行され、結果が上書きされる
・前の処理の途中の状態が残っていて、次が変な前提で走る
対策はどれも地味です。渡す前に「渡した」という事実をどこかへ書く。受け取り側は、始める前に「もう終わっている仕事か」を確認する。2回走っても結果が変わらない作りにしておく。
私は請求書を作る処理でこれをやりました。2回目を走らせると「新規0件・スキップ3件」と出て、PDFもメールの下書きも1通も増えません。増えないことをテストで毎回確かめています。
■ 共通しているのは「静かに失敗する」こと
3つとも、派手なエラーは出ません。止まったまま静かに待っています。だから気づくのが遅れて、気づいたときには影響が広がっています。
逆に言えば、「止まったら分かる」状態さえ作れば、残りは後から直せます。最初に作るべきはそこだと思っています。
■ おわりに
私はまだ、うまくいった話だけを書ける立場ではありません。上に書いたものは全部、自分が実際にやらかして、そのあとで直したものです。
同じところで止まっている方の役に立てば幸いです。
もし「うちのはどこで止まっているのか分からない」という状態でしたら、出品しているサービスで、いただいた情報をもとに切り分けを文章でお返ししています。ビデオ通話は行っておらず、やり取りは文章だけです。