賃貸に住んでいて「テレビを壁掛けにしたい、でも壁に穴はあけられない」で止まっている方へ。
私も同じところで1年悩んで、結局は自分で壁を作りました。上の写真が実際に自宅(賃貸)で作ったものです。壁・天井・床には、ビスも釘も1本も打っていません。
この記事では、賃貸でテレビを壁掛けにする方法を5つ並べて、それぞれの向き・不向きを正直に書きます。最後に、私が選んだ方法の作り方も説明します。
賃貸で壁掛けにする5つの方法
1. 壁に直接ビスを打つ
一番きれいに付きますが、賃貸では現実的ではありません。
石膏ボードの壁は、ボードだけにビスを打っても抜けます。中の間柱(下地)を探して、そこに打つ必要があります。間柱は455mmまたは303mmの間隔で入っていることが多いですが、テレビを掛けたい位置に都合よくあるとは限りません。
そして退去時。壁の穴は原状回復の対象になり得ます。金額は物件と契約次第なので一概には言えませんが、「相談せずに打った」状態は避けたいところです。
向いている人:持ち家の方、または管理会社の許可が取れた方
2. ホチキス(ピン)で留めるタイプの金具
細いピンを何本も打って壁に固定する方式です。穴が針の跡くらいで済むのが利点。
ただし耐荷重に上限があります。商品ごとに「◯インチまで」「◯kgまで」と決まっているので、大型テレビだと選択肢が絞られます。必ず、使う商品の耐荷重とメーカーが想定している用途を確認してください。
向いている人:32〜43インチくらいの軽いテレビの方
3. 突っ張りの柱を2本立てて、その間に掛ける2×4材を床と天井で突っ張る金具(LABRICO、ディアウォールなど)で柱を2本立て、その柱にテレビ金具を付ける方法。ネットでよく見る形です。
手軽で、賃貸DIYとしては定番。ただし見た目に2つクセがあります。
・柱が見える:壁の前に2本の棒が立っている状態になります
・テレビが前に出る:柱の厚み(89mm)+金具の分だけ、テレビが部屋側に飛び出します
機能としては成立しますが、「壁掛けっぽさ」は出ません。
また、突っ張り金具はもともと棚を作るための製品です。テレビの取り付けが、その製品が想定している使い方の範囲に入るかは、必ずメーカーの説明を確認してください。テレビは落ちたら危ない物です。
向いている人:手早く、安く済ませたい方
4. 自立式のテレビスタンド
買ってきて組み立てるだけ。工事ゼロ。
デメリットは、床面積を取ることと、配線が背面に見えること。あと、既製品なので部屋の幅にぴったり合うとは限りません。
向いている人:DIYをしたくない方、すぐ引っ越す予定がある方
5. フカシ壁を作る(私が選んだ方法)
2×4材を突っ張って作った「枠」の前に、合板を貼って一枚の壁にしてしまう方法です。
3の柱2本と何が違うかというと、壁に窓を開けて、そこにテレビを奥へ沈める点です。柱は面材の裏に隠れて見えなくなり、テレビは壁より奥に入るので、額縁のような見え方になります。
配線は壁の中を通せるので、表に出るコードを減らせます。LEDの間接照明を仕込むこともできます。
手間はかかります。ただ、仕上がりは他の方法と比べものになりません。向いている人:週末1日を使ってもいいから、見た目にこだわりたい方
5つの比較
壁に直接ビス / 壁の穴:あり / 見た目:◎ / 費用:安い / 手間:小
ホチキス金具 / 壁の穴:針跡 / 見た目:○ / 費用:安い / 手間:小
突っ張り柱2本 / 壁の穴:なし / 見た目:△(柱が見える)/ 費用:中 / 手間:中
テレビスタンド / 壁の穴:なし / 見た目:○ / 費用:中〜高 / 手間:ほぼ無し
フカシ壁 / 壁の穴:なし / 見た目:◎ / 費用:中 / 手間:大
フカシ壁の中身
構造はシンプルです。
1. 2×4材を床と天井で突っ張って、柱を455mm間隔で立てる 長さは「天井高−95mm」。この95mmは突っ張り金具の分です(金具によって規定値が違うので、使う製品の説明書に従ってください)。
2. 柱同士を横桟でつないで、枠にする ここは木材同士なのでビスを使います。打つのは自分で作った枠の中だけで、既存の壁には触れません。
3. 枠の前に合板を貼る。テレビの位置だけ四角く空けておく この空けた部分が「ニッチ」になります。
4. ニッチの奥に板を入れて、そこにテレビ金具を付ける テレビがニッチの中に沈むので、正面から見ると壁と一体に見えます。
5. 表面を好みの仕上げにする 突板シート、塗装、石目調のシートなど。私の家はコンクリート柄+石目にしました。
大事なのは「下地の位置」
見た目の話ばかりしましたが、一番大事なのは安全です。
テレビは重い物です。55インチだと15〜20kg前後あります。これを支えるには、・テレビ金具のビスが必ず柱(2×4材)に効いていること
・金具のビス穴の位置と、柱の位置が合っていること
・突っ張りの本数が足りていること
が要ります。「だいたいこの辺」で作ると、後から柱の位置とテレビ金具の穴がずれていて、面材だけにビスを打つことになります。これは落下の原因になります。
なので私は、作る前に図面を描いてから買い物に行きました。柱を何本、どの位置に立てるか。テレビ金具のビス位置に合わせて桟をどこに入れるか。合板をどう割り付けるか。ここまで決めてからホームセンターに行くと、材料も無駄になりません。
図面を作っています
本業で建築設備の施工図を描いています。その延長で、この造作テレビ壁の図面を、お部屋の寸法とテレビの型番に合わせて作るサービスを出しています。
・平面図・断面図・正面図(すべて寸法入り)
・材料表(型番・本数・金額の目安)
・買い物リスト(どの店で何を何個。ビスの長さと本数まで)
・カット寸法表(ホームセンターのカットサービスにそのまま出せます)
・組立手順
「うちの部屋でも作れるのか」を先に見立てるだけなら無料です。壁の幅・天井の高さ・テレビの型番をメッセージでいただければ、作れる形かどうかと材料費の目安をお返事します。
サービスページはプロフィールからご覧いただけます。