通勤途中に単独事故!これも労災?
交通事故というと「車同士の事故」を思い浮かべるかもしれません。
でも実際には、事故の相手がいない「単独事故(自損事故)」もあります。
では、通勤途中に自分だけで起こした事故でも、労災保険は使えるのでしょうか?
相手がいない事故でも「通勤災害」になることがあります
事故の相手がいなくても、それだけで労災保険の対象外になるわけではありません。
前章でご紹介したように、住居と勤務先との間を合理的な経路・方法で移動しているなど、労災保険上の「通勤」の要件を満たしていれば、単独事故によるケガでも通勤災害として労災保険の対象になることがあります。
実際に私が労災申請の実務に携わっていたときにも、
・雪道でスリップしてバイクで転倒
・自転車で走行中、壁にぶつかって転倒
・車でカーブを曲がり切れず道路外へ転落
といったケースがありました。
事故が起きたら、まずどうする?
事故直後は慌ててしまいますよね。
まずは安全を確保し、ケガがひどい場合には救急要請など、必要な対応をしましょう。
そして、会社へ事故の状況を伝え、ケガをしている場合には医療機関を受診します。
受診するときには、「通勤途中に起きた事故であること」を医療機関へ伝えておくと、その後の手続きを進めやすくなります。
ここは図解で流れを見てみましょう。
「通勤途中に単独事故!まずどうする?」
警察に届けていなかったら、労災申請できない?
ここは気になる方も多いと思います。
相手のいない交通事故(自損事故)の場合、労災保険の請求に交通事故証明書は原則として必要ありません。
ただし、事故が起きた時間や状況などについて詳しい確認が必要な場合には、参考資料として求められることがあります。
「警察に届けていないから、もう労災申請できない」
と、自分だけで判断しないようにしましょう。
必要な書類や手続きが分からない場合には、管轄の労働基準監督署へ確認すると安心です。
「単独事故」に見えても、相手が関係していることも
たとえば、
前を走っていた車が急ブレーキをかけ、それを避けようとしてバイクで転倒した。
突然飛び出してきた車に驚き、接触はしなかったものの転倒してケガをした。
こんなケースもあります。
事故の状況によっては、単純な「単独事故」とは扱いが異なる場合があります。
では、事故の相手がいる場合はどうなるのでしょうか?
次回は、
「第三者行為災害」
について、できるだけわかりやすくご紹介します。
※この記事は、公的資料をもとに制度をわかりやすくまとめ、労災申請実務経験を加えて作成しています。個別のケースについて労災認定の可否を判断するものではありません。
【出典】:大阪労働局「よくあるご質問(労災保険関係)」
厚生労働省・労働局「通勤災害」「第三者行為災害」に関する資料
(2026年9月16日確認)