第8章 これって通勤災害?

第8章 これって通勤災害?

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コラム

― 知っておきたい「通勤」の範囲 ―


「仕事から帰る途中に転んでケガをした」

「駅の階段で転倒して骨折した」

こんなとき、

「仕事中じゃないから、労災にはならないよね?」

と思う方もいるかもしれません。

でも、仕事へ向かう途中や仕事から帰る途中のケガは、一定の要件を満たせば「通勤災害」として労災保険の対象になることがあります。

そもそも「通勤」って?


労災保険でいう「通勤」は、単に「会社へ行くこと」だけではありません。

就業に関して、

・住居と勤務先との間を移動する
・勤務先から別の勤務先へ移動する
・一定の要件を満たす単身赴任先と帰省先との間を移動する

などを、合理的な経路・方法で移動することとされています。

徒歩、自転車、車、電車やバスなども、合理的な方法であれば対象になり得ます。

ポイントは「合理的な経路・方法」

いつもの道だけが通勤経路とは限りません。

交通事情などによって別の道を通る場合でも、合理的な経路と認められることがあります。

一方、通勤とは関係のない目的で経路を外れたり、途中で通勤とは関係のない行動をしたりすると、「逸脱・中断」となる場合があります。

寄り道したら全部ダメ?


ここが通勤災害の少し難しいところです。

通勤途中で経路を外れたり移動を中断したりすると、原則として、その間とその後は「通勤」にはなりません。

ただし、すべての寄り道が同じ扱いになるわけではありません。

日用品の購入、病院での診察・治療など、日常生活上必要な行為として定められているものを、やむを得ない事情で最小限行った場合には、その行為中を除き、合理的な通勤経路へ戻った後は再び「通勤」となることがあります。

また、通勤経路上で行うごくささいな行為については、「逸脱・中断」に当たらない場合もあります。

実際には、こんなケースもありました

ここからは、私が労災申請の実務に携わっていたときに経験したケースを、いくつかご紹介します。

同じ「通勤途中のケガ」でも、

どこで起きたのか。
どこからどこへ向かっていたのか。
その途中で何をしていたのか。

状況によって扱いが変わることがあります。

「これって通勤災害? 実際にあったこんなケース」


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「これは通勤災害?」と迷ったら

通勤災害に当たるかどうかは、一つひとつの状況によって判断されます。

私自身も実務では、判断に迷うケースについて管轄の労働基準監督署へ確認していました。

「これは通勤災害かな?」

「それとも業務災害かな?」

そんな微妙なケースを、自分だけで決めつける必要はありません。

迷ったときは、管轄の労働基準監督署へ相談してみてくださいね。

※この記事は、厚生労働省の資料をもとに制度をわかりやすくまとめ、筆者の労災申請実務経験を加えて作成しています。個別のケースについて労災認定の可否を判断するものではありません。

【出典】厚生労働省「労災保険給付の概要」
    東京労働局「通勤災害について」(2026年9月14日確認)

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