■ はじめに
私の祖父は、お金を貸す仕事をしていました。
町の小さな金融です。看板も出していない、あの手の店です。父は嫌っていましたし、私も子どもの頃は、祖父が何をしているのかよく分かっていませんでした。
ただ、ひとつだけ覚えていることがあります。
祖父は、客が来ると、まず手を見るんです。
書類でもなく、顔でもなく、手。テーブルの上に置かれた相手の手を、話を聞きながら、ちらちらと見ている。それで話が終わると、奥に引っ込んで、貸す貸さないを決めていました。
一度だけ聞いたことがあります。なんで手を見るのかと。
「返す手と、返さん手は、はっきり違うからな」
そう言われました。子どもだった私には意味が分からなかった。今なら分かります。
祖父は手相を勉強していたわけではありません。ただ、何千人という「お金に困った人」の手を、毎日毎日、目の前で見続けていた。その積み重ねが、あの人の中に一つの物差しを作っていたんだと思います。
私はそれを、後から手相という体系の中で学び直しました。だから私は、恋愛も、健康も、相手の気持ちも視ません。お金の側からしか、手を読みません。
この記事では、私が実際に手を見てきた中で、「稼いでいるのにお金が残らない人」に繰り返し出ていた線を、五つに絞ってお話しします。
先に言っておきます。この記事を読むと、たぶん、あなたは自分の手のひらを見ます。そして、たぶん、判断がつかなくて困ります。
それでいいんです。理由は最後に書きます。
■ そもそも、なぜ「お金」が手に出るのか
手相の話をすると、必ず聞かれることがあります。
「なんで手を見ただけで、お金のことが分かるんですか」
もっともな疑問です。私も最初はそう思っていました。
手相というのは、超能力の話ではありません。手のひらの線は、その人が長年どういう動きをして、どういう考え方をして、どういう感情の使い方をしてきたかの、蓄積です。
分かりやすいのは、手を握る癖です。
不安が強い人は、無意識に手を握り込みます。緊張したとき、人はぎゅっと拳をつくる。それを何年、何十年と繰り返した手には、はっきりと跡が残ります。逆に、いつも手を開いて生きてきた人の手のひらは、線が少なく、すっきりしています。
お金の使い方というのは、性格そのものです。
断れない人はお金を出します。見栄を張る人もお金を出します。将来が怖い人はお金を抱え込んで動かせなくなる。全部、その人の心の癖です。そして心の癖は、身体の癖として出る。身体の癖は、手に出る。
だから手には、お金のことが出るんです。
これから五つの特徴をお話ししますが、先にこの図で場所だけ掴んでおいてください。お金を視るときに私が先に見るのは、金色の二本です。
もう一つ言っておきたいことがあります。
手相を見て「あなたはお金が貯まらない手ですね」と言われると、多くの人は落ち込みます。生まれつき決まっていた、と受け取るからです。
違います。
手相は変わります。これは比喩ではなく、物理的に変わります。私は同じ方の手を半年後、一年後に見せてもらうことが何度もありますが、線は動いています。濃くなるもの、薄くなるもの、新しく出てくるもの。全部あります。
今のあなたの手は、これまでのあなたの記録です。これからのあなたの予定表ではありません。
そこを踏まえて、読んでください。
■ 特徴1:財運線が細切れになっている、または見当たらない
まず、財運線から話します。お金の話をするなら、ここを外すわけにはいきません。
◆ 財運線はどこにあるか
小指の付け根の下、手のひらの上部を見てください。この膨らんだ部分を水星丘といいます。
その水星丘に向かって、縦に走っている線。これが財運線です。
薬指の下から伸びているように見える人もいますし、手のひらの真ん中あたりから、細く長く伸びてくる人もいます。長さも濃さも人によって全然違います。
今、手のひらを見ている方は、たぶん「これのことか?」と迷っていると思います。それが普通です。財運線は、生命線や知能線と違って、はっきりした太い線として出る人のほうが少ない。
◆ 何を意味しているのか
財運線は、お金の「入り口」を表します。
どこから、どういう形で、どれくらいの勢いでお金が入ってくるか。その通り道が線になって出ます。
一本、まっすぐ、くっきり伸びている人。こういう手は分かりやすい。収入の経路が一本にまとまっていて、そこが安定している人です。会社員で長く同じところに勤めている方に、よく出ています。
◆ 細切れの財運線が意味するもの
問題はここからです。
財運線が、途中で切れている。あるいは、点線のように短い線が縦に並んでいる。あるいは、細い線が何本も乱れて走っている。
こういう手を、私は何度も見てきました。そして、この手の持ち主から聞く話は、驚くほど似ています。
「入ってくるんです。入ってはくるんですけど、気づいたら無いんです」
これなんです。
細切れの財運線は、収入がないという意味ではありません。むしろ逆で、この線が出ている人は、たいてい稼ぐ力があります。動ける人が多い。だから入ってはくる。
ただ、通り道が途切れているので、流れが続かない。臨時収入は入る。ボーナスも出る。副業も当たる。でも、それが積み上がっていかない。
もっと具体的に言いましょう。
こういう手の人は、収入が入った直後の判断が甘くなります。入った瞬間に、少し気が大きくなる。前から欲しかったものを買う。人に奢る。「これくらいはいいだろう」と思う。その一回一回は、大した額じゃないんです。ただ、それが毎回起きる。
年間で足すと、驚くような額になっています。
◆ そもそも財運線が見当たらない場合
これも珍しくありません。むしろ、はっきり見えない人のほうが多いくらいです。
ここで慌てないでください。財運線がない=お金に困る、ではありません。
私の経験では、財運線が薄い人には二種類います。
一つは、お金にほとんど興味がない人。稼ぐことにも、貯めることにも、意識が向いていない。だから線が出てこない。この方たちは、そもそも困っていないことが多い。
もう一つが問題で、お金のことを考えるのを避けてきた人です。
通帳を見るのが怖い。家計簿をつけたことがない。いくら使ったか把握していない。クレジットカードの明細を開かない。
こういう方の手には、財運線が出ません。当たり前です。見ていないものは、線になりようがない。
私が実際に見た中で、いちばん印象に残っている手があります。四十代の男性でした。収入は決して低くない。むしろ同年代より上です。それなのに、財運線が本当に一本もなかった。
聞いてみたら、こう言いました。
「銀行のアプリ、入れてないんです。見ると気が滅入るので」
その方の手は、他の線ははっきりしていました。知能線も生命線も、太くて濃い。力のある手です。ただ、財運線のところだけ、ぽっかりと空白でした。
見ていないものは、育たない。手相はそこまで正直です。
■ 特徴2:金星丘に、細かい格子状の線が出ている
二つ目にいきます。ここが、私がいちばん重く見ているところです。
◆ 金星丘とは
親指の付け根の、膨らんだ部分。生命線に囲まれた内側の肉厚なところです。ここを金星丘といいます。
ふっくらと張っていて、弾力があって、血色がいい。これが良い状態です。生命力、体力、そして人に与える力を表す場所です。
「金」という字が入っていますが、金運の場所として作られた名前ではありません。ただ、お金の話をするうえで、私はここを財運線と同じくらい大事に見ています。
◆ 格子状の線とは何か
金星丘をよく見てください。
細い線が、網の目のように、格子状に走っていませんか。縦横に細かい線が交差して、まるで細かい方眼紙のようになっている手があります。
これが出ている手を、私は今まで何度も見てきました。そして、この手の持ち主には、はっきりした共通点があります。
人にお金を出してしまう人です。
◆ 出してしまう人の話
誤解のないように言いますが、これは悪い性質ではありません。むしろ、人として温かい人です。
後輩と飲みに行けば、まず自分が払う。家族が困っていると聞けば、貯金を崩す。友人に「ちょっと貸してほしい」と言われて、断れない。
こういう方の手に、格子は出ます。
なぜか。金星丘は「与える力」の場所だからです。人に与え続けると、その負荷がここに出る。細かい線が刻まれていきます。
一度、五十代の女性の手を見せてもらったことがあります。金星丘が、ほとんど網戸みたいになっていました。あんなに細かい格子は、そう見るものではありません。
私が「人に出しすぎていませんか」と言ったら、その方はしばらく黙ってから、こう言いました。
「息子に、もう五百万は渡してます」
責める気にはなれませんでした。その方にとっては、それが愛情の形だったからです。
ただ、手は正直です。器が空になりかけている状態が、はっきり出ていました。
◆ なぜこれが「貯まらない」につながるのか
理由は単純です。
出すこと自体は、悪くありません。お金は回すものです。回した先から返ってくるという考え方も、私は正しいと思っています。
問題は、誰に出しているかを選んでいないことです。
格子が出る人は、断るのが苦手です。だから、相手を選べない。返ってくる相手にも、返ってこない相手にも、同じように出してしまう。
これが積み重なると、器が空になります。そして厄介なことに、こういう方は、自分が出しすぎている自覚がありません。「そんなに使ってないはずなんですけど」と言う方が多い。
出した記憶が薄いんです。人のために出したお金は、自分のために使ったお金より、記憶に残らない。
だから通帳を見て驚く。「え、こんなに減ってる」と。
◆ 見分け方の注意
一つだけ補足します。
金星丘に線が出ていても、それが格子ではなく、縦に一本、二本走っているだけなら、意味が変わります。縦の線は、むしろエネルギーの強さとして読みます。
見るべきは、細かい線が交差して網のようになっている状態です。ここは実際に手を見ないと判断が難しいところで、写真でも角度と光の当て方で見え方が変わります。
■ 特徴3:知能線の先が、急な角度で下に落ちている
三つ目です。ここは性格の話になります。
◆ 知能線を確認する
人差し指と親指の間から始まって、手のひらを横切っていく線。生命線の始点と近いところから出て、小指側に向かって伸びていきます。これが知能線です。
多くの方は、この線が緩やかに下がっていきます。それが普通です。
見るのは、線の終わりの角度です。
◆ 急降下している知能線
手のひらの真ん中あたりから、線が急に角度を変えて、手首のほうへストンと落ちている。こういう知能線があります。
これは、夢想の強さを表します。
想像力が豊かで、頭の中で世界を作れる人です。クリエイティブな仕事をしている方に、よく出ています。悪いものではありません。むしろ才能です。
ただ、お金の話に限って言うと、この線は苦戦します。
◆ なぜ苦戦するのか
知能線が急に下がる人は、現実の数字から目を逸らす癖を持っています。
「まあ、なんとかなるだろう」
この一言で、多くのことを先送りにできてしまう。実際、なんとかなってきた人が多いんです。そこが厄介で、成功体験になってしまっている。
こういう方に共通するのが、これです。
- 家計の全体像を把握していない
- 固定費が今いくらか即答できない
- 「そのうち整理しよう」と思って三年経っている
- 大きい買い物の判断が、感情で決まる
私が見た中に、四十代の自営業の方がいました。知能線が、これ以上ないくらい急角度で落ちていた。
仕事は面白いことをやっている方でした。話していても楽しい。アイデアが次々出てくる。
ただ、聞いていくと、事業用の口座と個人の口座を分けていませんでした。売上がいくらで、経費がいくらで、手元にいくら残っているのか、本人が把握していない。
「税理士さんに任せてるんで」
任せるのはいいんです。ただ、任せた結果を見ていない。これは任せたのではなく、目を逸らしただけです。
◆ 逆に言えば
この線を持っている人は、仕組みさえ作れば強い。
想像力があるということは、先が読めるということです。数字を見る習慣さえ入れば、その想像力は「稼ぐ側」に働きます。
私は、この線が出ている方には、いつも同じことをお伝えしています。頭で管理しようとしないでください。紙とアプリに任せてください、と。
■ 特徴4:手のひら全体に、細かい線が無数に走っている
四つ目です。
◆ どういう手か
手のひらを見てください。
主要な線、つまり生命線・知能線・感情線のほかに、細い線が無数に走っている手があります。手のひら全体が、うっすらとひび割れたような、細い線でびっしり埋まっている。
こういう手を、私は「線が多い手」と呼んでいます。
反対に、主要な三本だけがはっきりしていて、あとは何もない、つるっとした手のひらの人もいます。
◆ 何を意味するのか
線が多い手は、感受性が強い手です。
よく気がつく。人の顔色が読める。空気を察する。細かいところに目が届く。
こういう方は、周りから重宝されます。仕事もできる方が多い。ただ、その分だけ疲れます。
そして、疲れた人間は、お金を使います。
◆ 疲れとお金の関係
ここは、はっきり言っておきたいところです。
線が多い手の人の散財は、贅沢ではありません。回復のための出費です。
- 疲れているから、料理する気力がなくて外食する
- 気が滅入っているから、ネットで何かを買う
- 人に会うのがしんどいから、タクシーを使う
- 眠れないから、少しいい酒を買う
一つひとつは、必要な出費に見えます。実際、必要なんです。その時のその人にとっては。
だから、こういう方は「無駄遣いしている自覚」がありません。当然です。無駄遣いではないからです。全部、生きるために必要だった出費です。
私が見てきた中で、線が多い手の方は、ほぼ例外なくこう言います。
「贅沢はしてないんです」
その通りだと思います。していない。ただ、疲れが常態化していて、その回復にお金を払い続けている。年間で計算すると、かなりの額になっています。
◆ この手の人がやるべきこと
お金の使い方を変えても、あまり意味がありません。原因は使い方ではなく、疲れのほうにあるからです。
先に、疲れを減らす。
これは精神論ではなく、財務の話としてそう言っています。疲れが減れば、回復のための出費が自動的に減ります。順番が逆だと、我慢して、反動でもっと使います。
線が多い手の方には、私はいつも、まず睡眠と、断る練習の話をします。手相の話をしに来た方に睡眠の話をするので、たいてい怪訝な顔をされます。
でも、この手の人にとっては、そこが財布の話なんです。
■ 特徴5:生命線と知能線の起点が、長く重なっている
最後の五つ目です。ここは意外に思われるかもしれません。
◆ どこを見るか
親指と人差し指の間を見てください。
生命線と知能線は、多くの場合、同じあたりから始まります。この二本が、始まりの部分でどれくらい重なっているか。ここを見ます。
すぐに離れる人がいます。始点から、ほとんど間を置かずに、二本が別々の方向に分かれていく。
逆に、二本がぴったり重なったまま、手のひらの中ほどまで一緒に進んでいく人がいます。
◆ 長く重なっている手
この重なりが長い手は、慎重な手です。
石橋を叩く人。決める前に調べる人。人の意見を聞いてから動く人。失敗が少ない人です。
これは、明確に長所です。この手の人が家計を管理すると、崩れません。無駄遣いもしません。
では、なぜこれを「お金が貯まらない特徴」に入れたのか。
◆ 貯まらないのではなく、増えない
正確に言うと、この手の人は「貯まらない」のではありません。増えないんです。
貯金はしています。むしろ、平均より多く持っている方が多い。ただ、そこから先に進まない。
- 投資の話を三年前から検討している
- 転職したほうがいいと分かっているが、動けない
- 独立の準備はできているが、踏み切れない
- 値上げすべきだと分かっているが、言い出せない
こういう状態が、何年も続きます。
そして、ここが残酷なところですが、動かないでいる間にも、時間は減っていきます。物価は上がります。同じ金額の価値は下がっていきます。
守っているつもりで、実は目減りしている。これが、重なりの長い手の人が直面していることです。
◆ 私が見てきた例
三十代後半の会社員の方がいました。生命線と知能線が、手のひらの三分の一くらいまで、べったり重なっていました。
貯金は、同世代の平均をかなり上回っていました。ちゃんと管理されている。素晴らしいことです。
ただ、話を聞いていくと、その方はもう五年、同じことを言っていました。
「そろそろ何か始めないと、とは思ってるんですけど」
五年です。
この方に必要だったのは、節約でも、家計の見直しでもありませんでした。小さくていいから、一回動くことでした。
慎重な人が動くには、決断ではなく、手順が要ります。私はその方に、金額を決めて、期限を決めて、失敗してもいい額から始める、という話をしました。
慎重さは才能です。ただ、使う場所を間違えると、ずっと足踏みすることになります。
■ 三つ以上当てはまった方へ
ここまで読んで、いくつ当てはまったでしょうか。
三つ以上当てはまった方に、先に言っておきたいことがあります。
あなたは、だらしないわけではありません。
これは慰めで言っているのではありません。手相を見ていて、はっきり分かることがあるからです。
お金が残らない人の手には、共通して、力があります。
財運線が細切れの人は、稼ぐ力があるから収入が入ってくる。金星丘に格子が出る人は、与える力があるから人に出す。知能線が急降下している人は、想像力がある。線が多い手の人は、感受性が高い。重なりが長い人は、慎重さがある。
全部、能力です。
ただ、その能力が、お金を残す方向に働いていないだけです。
私は祖父の手元で、お金に困った人を大勢見てきました。あの人たちが怠け者だったかというと、まったく違います。むしろ働き者が多かった。人が良い人も多かった。だからこそ、お金が出ていっていた。
問題は人格ではなく、構造です。
■ 手相は変わる。線は育つ
先ほども書きましたが、大事なことなので繰り返します。
手相は変わります。
これは希望的な話ではなく、実際に起きることです。私は同じ方の手を、時間を空けて見せてもらうことがありますが、線は明らかに動いています。
特に財運線は、動きやすい線です。
◆ 何をすると変わるのか
一つだけ、誰にでもできて、いちばん効くことをお伝えします。
数字を見る習慣をつけることです。
家計簿をつけろ、という話ではありません。挫折します。
そうではなく、月に一回、五分でいいので、通帳か口座アプリを開いて、残高を見る。それだけです。増えていても減っていても、何も判断しなくていい。ただ見る。
これを半年続けた方の手に、財運線が出てきたのを、私は何度も見ています。
不思議に思われるかもしれませんが、理屈は通っています。見るようになると、意識が向く。意識が向くと、行動が変わる。行動が変わると、身体の使い方が変わる。それが線になる。
順番として、線が変わったからお金が入るのではありません。あなたが変わったから、線が変わるんです。
線は、結果として出てくるものです。
◆ 金星丘に格子が出ている方へ
もう一つだけ。
人に出しすぎている方は、「出すのをやめる」必要はありません。それをやると、あなたはあなたでなくなります。
やるのは、先に自分の取り分を確保してから出すことです。
入ってきたら、まず一定額を別の場所に移す。残った分から出す。順番を変えるだけです。これなら、あなたの性格を変えずに済みます。
私がお伝えしているのは、いつもこの種の話です。性格を変える必要はありません。順番と仕組みを変えるだけで、たいていは足ります。
■ それでも、この記事では答えが出ません
ここまで五つの特徴を書いてきました。
たぶん今、あなたは自分の手のひらを見ていると思います。そして、判断がつかなくて困っているはずです。
「これ、財運線なのか、ただのシワなのか分からない」
「格子っていうほど細かくないような気もするし、そうも見える」
「知能線の角度って、急なのかどうか、比較対象がない」
そうなります。当たり前です。
正直に書きますが、手相は、文章だけでは判定できません。
理由は三つあります。
一つ目。線の濃さと深さは、実際に見るしかない。 同じ「財運線がある」でも、皮膚に深く刻まれている線と、表面をなぞっただけのような線では、意味がまったく違います。この差は、文章でどれだけ丁寧に説明されても、自分の手を見て判断するのは難しい。見慣れていないと、比べる基準がないからです。
二つ目。線は組み合わせで読む。 財運線が細切れでも、金星丘が厚くて弾力があれば、読み方は変わります。逆に、財運線が立派でも、それを横切る障害線があれば、話が変わる。単体では判断できないんです。
三つ目。右手と左手で違う。 一般に、左手は生まれ持ったもの、右手は今つくられてきたものを表します。両方を見比べて初めて、「もともとの金運」と「今の金運」の差が見えます。片方だけでは、その差が分かりません。
だから私は、この記事の中で断定を避けた箇所があります。ごまかしたのではなく、実際に見ていないものを断定するのは、鑑定として不誠実だからです。
■ 最後に
祖父の話に戻ります。
あの人は、手を見て貸す貸さないを決めていました。ずいぶん乱暴なやり方だと思います。今どき通用しません。
ただ、あの人が見ていたのは、その人が真面目かどうかではありませんでした。もっと具体的な、その人の生活の癖のようなものだったと思います。
お金が入って、どう扱って、どこへ出ていくのか。その一連の流れが、手には出る。祖父はそれを、言葉にはできないまま、目で覚えていたんでしょう。
私は同じものを、手相という体系の中で読んでいます。
お金が残らないのは、あなたのせいではありません。ただ、理由はあります。そしてその理由は、たいてい、あなたの手に出ています。
自分の手を見て、判断がつかなかった方は、それが普通です。私も自分の手だけは、いまだにうまく読めません。
一度、明るいところで自分の手のひらをじっくり見てみてください。指を軽く開いて、光の角度を変えながら。それだけでも、今まで気づかなかった線が見えてきます。
あなたの手が、どういう手なのか。私は、そこだけを視ています。
見てもわからなかったら、私が視ます。
両手のひらの写真をお送りください。
財運線と金星丘を読んで、5,000字の鑑定書と、線を描き込んだ画像解説を、24時間以内にお返しします。
財運手相師 宝生