【伴侶選びで、本人だけを見ない理由】
これから人生を共にする人を選ぶとき、私たちは、まずその人自身を見ます。
優しいか。
誠実か。
仕事にどのように向き合っているか。
お金をどのように扱うか。
価値観が合うか。
一緒にいて安心できるか。
もちろん、どれも大切です。
けれども私は、その方だけではなく、その方が育ったご家族の姿も、可能な範囲で見ておくことが大切だと思っています。
◆21年間、本人と家族のお話を伺ってきました
私は、逗子と札幌で、延べ10万人以上の方が来院した完全予約制の統合医療クリニックを、21年間経営・運営してきました。
クリニックでは、ご本人の身体や心のことだけでなく、夫婦、親子、祖父母、子どもへと続く、四世代にわたる家族のお話を伺う機会がありました。
本人の体調不良の背景に、夫婦関係の緊張が重なっていた。
仕事上の決断に迷う背景に、親との関係が影響していた。
子どもの不登校や体調不良をきっかけに、家族全体の役割が見えてきた。
親の介護や相続をめぐって、それまで表に出なかった兄弟姉妹の関係が現れた。
このように、目の前にいる一人だけを見ていても、その方が抱えているものの全体が分からないことがあります。
そこで私は、身体、心、仕事、暮らし、そして家族を、切り離さずに観ることを大切にしてきました。
◆人は、遺伝だけでつくられるわけではありません
子どもは、母親と父親の両方から遺伝情報を受け取ります。
けれども、その人の性格、生き方、夫婦関係、子育ての仕方までが、遺伝だけで決まるわけではありません。
家族の中で、何を見てきたのか。
どのような言葉を聞いてきたのか。
困ったとき、家族はどのように助け合っていたのか。
意見が違ったとき、話し合っていたのか。
怒鳴る、黙る、我慢する、誰かが折れるなど、どのように対処していたのか。
お金、仕事、病気、介護を、家族でどのように扱っていたのか。
人は、毎日の家族関係の中から、多くのことを学びます。
「夫婦とは、このようなもの」
「父親とは、このように振る舞うもの」
「母親とは、家族のために我慢するもの」
「困ったときは、人に頼ってはいけない」
「家族の問題は、外では話してはいけない」
その人が意識していなくても、幼い頃から見てきた家族の姿が、「当たり前」として心や行動の中に残っていることがあります。
◆お父様とお母様、両方を観る
伴侶を選ぶとき、
「男性は父親を見れば分かる」
「女性は母親を見れば分かる」
と言われることがあります。
けれども私は、同性の親だけでなく、お父様とお母様の両方を観ます。
お父様は、お母様にどのように話しているのか。
お母様は、お父様の考えをどのように受け止めているのか。
意見が違ったとき、二人はどうするのか。
互いに感謝や謝罪を言葉にできるのか。
家族の中で、誰か一人だけが我慢していないか。
子どもに対して、どのような距離で関わっているのか。
困ったとき、誰が誰を支えているのか。
その家の中で、それぞれがどのような役割を担っているのか。
ご両親の関係を見ると、本人だけを見ているときには分からなかった、夫婦観や家族観が見えてくることがあります。
◆大切なのは「誰に似たか」ではありません
親子ですから、顔立ち、体格、体質、声、仕草など、
似ているところがあります。
性格についても、
「お父様の大胆さに似ている」
「お母様の繊細さを受け継いでいる」
と感じることはあるでしょう。
けれども、
「長男だから母親に似る」
「長女だから父親に似る」
と、一つの法則で決めることはできません。
大切なのは、誰に似たかを当てることではありません。
その人が、ご両親やご家族から何を受け取ってきたのか。
その中から、何を自分の人生に残したいのか。
そして、何を自分の代で変えたいと思っているのか。
私は、そこを観たいと思っています。
◆「家族がこうだから、本人も同じ」とは限らない
ご家族を観ることは、本人の将来を決めつけることではありません。
親がこうだから、子どもも必ず同じになる。
そのように判断することはできません。
親とは違う生き方を選ぶ人もいます。
苦しかった家庭環境から、
「私は、同じことを繰り返さない」
と決める人もいます。
反対に、
「自分は親とは違う」
と思っていても、夫婦喧嘩や子育て、介護など、余裕を失ったときに、幼い頃から見てきた言葉や行動が出てしまうこともあります。
だからこそ、相手の家族を見て評価するのではなく、本人と話してみることが大切です。
「あなたの家では、意見が違ったとき、どうしていた?」
「困ったとき、誰に相談していた?」
「お金について、家族で話すことはあった?」
「親が年を重ねたら、どのように支えたいと思っている?」
「自分たちは、どのような家庭をつくりたい?」
このようなことを、結婚前から少しずつ話してみる。
答えが同じである必要はありません。
違いがあったときに、二人で話し合えるかどうかが大切です。
◆結婚後に現れる、家族の習慣
恋人同士のときには見えなかったことが、結婚後の暮らしの中で現れることがあります。
仕事で疲れて帰ってきたとき。
お金に余裕がないとき。
子どもが生まれたとき。
どちらかが病気になったとき。
親の介護が必要になったとき。
子どもの進学や不登校など、家族で大きな決断をするとき。
そのような場面で、その人が育った家庭の習慣や役割が現れることがあります。
すぐに話し合おうとする人。
一人で考えたい人。
何も言わずに我慢する人。
相手に任せる人。
自分がすべて背負おうとする人。
どれが正しい、間違っているということではありません。
二人の方法が違うことを知り、これからの家庭ではどうするのかを話し合えることが大切です。
◆伴侶選びは、新しい家族をつくる始まり
伴侶を選ぶことは、欠点のない完成された人を探すことではありません。
異なる家庭で育った二人が、お互いの背景を知り、新しい家族の形をつくっていくことです。
食事。
お金。
仕事。
子育て。
親や親戚との距離。
病気や介護。
休日の過ごし方。
困ったときの支え方。
何を大切にし、何を変えていくのか。
二人で一つずつ決めていくことになります。
だから、伴侶本人だけではなく、その人が育ってきた時間や、ご家族との関係にも目を向けてみる。
それは、相手を疑ったり、家柄を評価したりするためではありません。
その人を、より深く理解するためです。
私は21年間、数多くのご本人とご家族のお話を伺う中で、一人の人生は、その人だけで完結しているのではないと感じてきました。
人は、家族からさまざまなものを受け取ります。
そして、自分で選び直しながら、次の家族へ渡していきます。
伴侶選びで大切なのは、
「誰に似ているか」
だけではありません。
その人が、これまでの家族から何を受け取り、何を大切にし、これから何を選ぼうとしているのか。
そして二人で、どのような家庭をつくっていきたいのか。
そこまでお話しできる相手かどうか。
私は、そのことを大切にしたいと思っています。
【伴侶選びで、本人だけを見ない理由】
これから人生を共にする人を選ぶとき、私たちは、まずその人自身を見ます。
優しいか。
誠実か。
仕事にどのように向き合っているか。
お金をどのように扱うか。
価値観が合うか。
一緒にいて安心できるか。
もちろん、どれも大切です。
けれども私は、その方だけではなく、その方が育ったご家族の姿も、可能な範囲で見ておくことが大切だと思っています。
◆21年間、本人と家族のお話を伺ってきました
私は、逗子と札幌で、延べ10万人以上の方が来院した完全予約制の統合医療クリニックを、21年間経営・運営してきました。
クリニックでは、ご本人の身体や心のことだけでなく、夫婦、親子、祖父母、子どもへと続く、四世代にわたる家族のお話を伺う機会がありました。
本人の体調不良の背景に、夫婦関係の緊張が重なっていた。
仕事上の決断に迷う背景に、親との関係が影響していた。
子どもの不登校や体調不良をきっかけに、家族全体の役割が見えてきた。
親の介護や相続をめぐって、それまで表に出なかった兄弟姉妹の関係が現れた。
このように、目の前にいる一人だけを見ていても、その方が抱えているものの全体が分からないことがあります。
そこで私は、身体、心、仕事、暮らし、そして家族を、切り離さずに観ることを大切にしてきました。
◆人は、遺伝だけでつくられるわけではありません
子どもは、母親と父親の両方から遺伝情報を受け取ります。
けれども、その人の性格、生き方、夫婦関係、子育ての仕方までが、遺伝だけで決まるわけではありません。
家族の中で、何を見てきたのか。
どのような言葉を聞いてきたのか。
困ったとき、家族はどのように助け合っていたのか。
意見が違ったとき、話し合っていたのか。
怒鳴る、黙る、我慢する、誰かが折れるなど、どのように対処していたのか。
お金、仕事、病気、介護を、家族でどのように扱っていたのか。
人は、毎日の家族関係の中から、多くのことを学びます。
「夫婦とは、このようなもの」
「父親とは、このように振る舞うもの」
「母親とは、家族のために我慢するもの」
「困ったときは、人に頼ってはいけない」
「家族の問題は、外では話してはいけない」
その人が意識していなくても、幼い頃から見てきた家族の姿が、「当たり前」として心や行動の中に残っていることがあります。
◆お父様とお母様、両方を観る
伴侶を選ぶとき、
「男性は父親を見れば分かる」
「女性は母親を見れば分かる」
と言われることがあります。
けれども私は、同性の親だけでなく、お父様とお母様の両方を観ます。
お父様は、お母様にどのように話しているのか。
お母様は、お父様の考えをどのように受け止めているのか。
意見が違ったとき、二人はどうするのか。
互いに感謝や謝罪を言葉にできるのか。
家族の中で、誰か一人だけが我慢していないか。
子どもに対して、どのような距離で関わっているのか。
困ったとき、誰が誰を支えているのか。
その家の中で、それぞれがどのような役割を担っているのか。
ご両親の関係を見ると、本人だけを見ているときには分からなかった、夫婦観や家族観が見えてくることがあります。
◆大切なのは「誰に似たか」ではありません
親子ですから、顔立ち、体格、体質、声、仕草など、似ているところがあります。
性格についても、
「お父様の大胆さに似ている」
「お母様の繊細さを受け継いでいる」
と感じることはあるでしょう。
けれども、
「長男だから母親に似る」
「長女だから父親に似る」
と、一つの法則で決めることはできません。
大切なのは、誰に似たかを当てることではありません。
その人が、ご両親やご家族から何を受け取ってきたのか。
その中から、何を自分の人生に残したいのか。
そして、何を自分の代で変えたいと思っているのか。
私は、そこを観たいと思っています。
◆「家族がこうだから、本人も同じ」とは限らない
ご家族を観ることは、本人の将来を決めつけることではありません。
親がこうだから、子どもも必ず同じになる。
そのように判断することはできません。
親とは違う生き方を選ぶ人もいます。
苦しかった家庭環境から、
「私は、同じことを繰り返さない」
と決める人もいます。
反対に、
「自分は親とは違う」
と思っていても、夫婦喧嘩や子育て、介護など、余裕を失ったときに、幼い頃から見てきた言葉や行動が出てしまうこともあります。
だからこそ、相手の家族を見て評価するのではなく、本人と話してみることが大切です。
「あなたの家では、意見が違ったとき、どうしていた?」
「困ったとき、誰に相談していた?」
「お金について、家族で話すことはあった?」
「親が年を重ねたら、どのように支えたいと思っている?」
「自分たちは、どのような家庭をつくりたい?」
このようなことを、結婚前から少しずつ話してみる。
答えが同じである必要はありません。
違いがあったときに、二人で話し合えるかどうかが大切です。
◆結婚後に現れる、家族の習慣
恋人同士のときには見えなかったことが、結婚後の暮らしの中で現れることがあります。
仕事で疲れて帰ってきたとき。
お金に余裕がないとき。
子どもが生まれたとき。
どちらかが病気になったとき。
親の介護が必要になったとき。
子どもの進学や不登校など、家族で大きな決断をするとき。
そのような場面で、その人が育った家庭の習慣や役割が現れることがあります。
すぐに話し合おうとする人。
一人で考えたい人。
何も言わずに我慢する人。
相手に任せる人。
自分がすべて背負おうとする人。
どれが正しい、間違っているということではありません。
二人の方法が違うことを知り、これからの家庭ではどうするのかを話し合えることが大切です。
◆伴侶選びは、新しい家族をつくる始まり
伴侶を選ぶことは、欠点のない完成された人を探すことではありません。
異なる家庭で育った二人が、お互いの背景を知り、新しい家族の形をつくっていくことです。
食事。
お金。
仕事。
子育て。
親や親戚との距離。
病気や介護。
休日の過ごし方。
困ったときの支え方。
何を大切にし、何を変えていくのか。
二人で一つずつ決めていくことになります。
だから、伴侶本人だけではなく、その人が育ってきた時間や、ご家族との関係にも目を向けてみる。
それは、相手を疑ったり、家柄を評価したりするためではありません。
その人を、より深く理解するためです。
私は21年間、数多くのご本人とご家族のお話を伺う中で、一人の人生は、その人だけで完結しているのではないと感じてきました。
人は、家族からさまざまなものを受け取ります。
そして、自分で選び直しながら、次の家族へ渡していきます。
伴侶選びで大切なのは、
「誰に似ているか」
だけではありません。
その人が、これまでの家族から何を受け取り、何を大切にし、これから何を選ぼうとしているのか。
そして二人で、どのような家庭をつくっていきたいのか。
そこまでお話しできる相手かどうか。
私は、そのことを大切にしたいと思っています。
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