部下を放置する「育成キャンセル界隈」への処方箋。上司と若手を繋ぐ『境界オブジェクト』とは?
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ビジネス・マーケティング
こんにちは、コウです。
最近、ネットやテレビなどで
「育成キャンセル界隈」という言葉を耳にするようになりました。
部下のミスや至らない点に気づいても、
「ハラスメントだと言われるリスク」や
「指導にかかる労力(タイパの悪さ)」を天秤にかけ、
「だったらもう何も言わずに放置しよう」と
育成そのものを諦めてしまう上司たちのことを指すそうです。
言葉ひとつでパワハラ認定されかねない現代、
上司が抱える恐怖や「面倒くさい」と思う気持ちも、
25年組織にいた身としては痛いほどわかります。
しかし、この「育成のキャンセル」は、
組織にとって最悪の結末を招きます。
叱られないから若手は居心地が良いだろう、
というのは大人側の大きな勘違いです。
指導をキャンセルされた若手は
「自分は期待されていない」
「ここでは成長できない」
と見切りをつけます。
心理学でいう「有能感」が満たされないため、
いわゆる「ゆるブラック」な職場として静かに去っていくのです。
では、ハラスメントの恐怖や対立を避けつつ、
安全に育成をするにはどうすればいいのか。
解決のヒントは、
「向き合う」のをやめて、「横に並ぶ」ことにあります。
上司と部下が言葉だけで1対1で向き合おうとすると、
どうしても「私が正しくて、あなたが間違っている」
という人格評価の構図になりがちです。
これが恐怖や対話の拒絶を生みます。
そこで、二人の間に「図解」や
「しごとを構造化したマップ」をポンと置いてみるのです。
これは組織論などで「境界オブジェクト」と呼ばれるツールです。
「君のここがダメだ」と人を刺すのではなく、
机の上に広げた1枚の地図を二人で覗き込みながら、
「このプロセスの繋がりが弱い気がするけど、
一緒に直そうか」と語り合う。
問題を「君自身の問題」から切り離し、
「外部の物体(地図)」に置き換えることで、
若手は自分が否定されている恐怖から解放されます。
上司も、余計な言葉選びに消耗することなく、
純粋に「仕事の改善」にフォーカスできるのです。
僕は現在、個人の頭の中や仕事の構造を
「インタビューして図解化する」というサービスを
細々と立ち上げています。
実はこの仕事の本当の価値は、
単に情報を綺麗に整理することではありません。
上司と部下が思い込みを捨てて、
安全に対話できるようになるための「地図」を
描くことなのだと、最近強く感じています。
「育成キャンセル」に逃げ込んで対話を諦める前に。
まずは二人の間に、
モヤモヤを書き出した一枚の地図を置いてみませんか?
さて、次回からは
実際に僕がこの「境界オブジェクト(安全に対話するための地図)」
を作ってみた図解シリーズをお届けしようと思います。
第一回のテーマは、
現場で勘違いされがちな「自己決定理論」の本当のところ、
について。 どうぞお楽しみに。