研究概要で「結局何がすごいの?」と言われる理系院生へ

研究概要で「結局何がすごいの?」と言われる理系院生へ

記事
学び
理系院生の就活で
いちばん多いつまずきが
これだと思っています

自分では丁寧に
書いたつもりの研究概要を
読んでもらったら

「で、結局それの何がすごいの?」
と言われる

私自身
最初に書いた原稿で
まったく同じことを言われました

この記事では
なぜそうなるのかと
どこを直せば
いいのかを書きます

丁寧に書くほど
伝わらなくなる

研究室で報告書を書くとき
私たちは「何をどう測ったか」を
正確に書くよう
訓練されます。

手法
条件
装置構成

これを省略すると
指導教員から
必ず指摘が入ります

ところがESの読み手は
その訓練を
受けていない人です

人事の方の多くは
文系出身で
あなたの分野の
専門家ではありません

その人にとって
「供試体の表面粗さをRa0.8に管理した」
という記述は
情報がゼロです

すごいのかどうかを
判断できない

つまり
研究室で評価される
書き方をそのまま持ち込むと

読み手には
何も届かない
構造になっています

実際の例で
見てみます

架空の例ですが
よくある書き出しです

【添削前】
私は熱交換器の伝熱性能向上に関する研究を行っています。実験装置を用いて計測を行い、得られたデータを解析しました。

文章としては
正しいのですが
読み終わっても

「で、何が分かったの?」
が残ります。

理由は
書かれている内容が
「手法」だけだからです。

何を使って何をしたか
これは研究の入口の情報で
価値そのものではありません

同じ研究を
こう書き換えます

【添削後】
エアコンの消費電力を左右する熱交換器について、伝熱性能を約1割高める条件を実験で特定しました。試験装置の設計から計測・解析まで一貫して担当しています。

変えたのは
3点です

1. 冒頭を
「誰の何が良くなるのか」
から始めた

「熱交換器」だけでは
何のことか
分かりませんが、

「エアコンの消費電力を
左右する部品」と言えば
専門外の人でも
重要性が想像できます

2. 結果を
数字にした
「向上させた」
ではなく
「約1割」

数字があると
読み手は自分で
評価を下せます

逆に数字がないと
判断のしようがないので
流し読みされます

3. 自分が担当した
範囲を明示した

研究室の成果と
個人の貢献は
別物です。

採用側が知りたいのは後者なので
どこからどこまでを
自分がやったのかを
書く必要があります。

「専門用語を消す」
ではありません

ここでよく
誤解が起きます。

専門用語を
全部やさしい言葉に
置き換えればいい
という話ではありません。

それをやると
今度は研究の解像度が落ちて
面接で深掘りされたときに
答えられない印象を与えます

判断基準は
ひとつです

「その用語が
読み手の理解に
必要かどうか」

先ほどのRa0.8で言えば
読み手が受け取るべき情報は
「条件を厳密に管理した」
という事実だけです。

数値そのものは
不要なので
「部品の表面状態を一定に保ち」
で十分です。

一方で
志望職種に直結する
技術領域の用語は
残したほうがいい場合もあります。

伝熱、流体、材料、制御。

これらは職種名にも
なっているので
消すと逆に
何の専門家か分からなくなります。

字数が足りないと
感じたら

400字に収まらない
という相談を
よく受けます

この場合
たいてい削るべきなのは
装置構成の説明です。

「どんな装置で測ったか」は
面接で聞かれたときに
答えれば十分な情報です。

書類の段階では
「何を測れるようにしたか」
だけ書けば
意図は伝わります。

ここで
40〜60字は
浮きます

それでも足りない場合は
背景説明が
長すぎることが
多いです

研究の意義を
説明しようとして
業界全体の話から書き始めていないか
確認してみてください。

今日すぐに
できること

自分の研究概要を開いて
1文目だけ見てください

その1文が
「私は〜の研究を行っています」
で始まっていたら
それは手法の説明です

「誰の、何が、どう良くなるのか」
に書き換えるだけで
読まれ方が
変わります

まずはそこからで
十分だと思います

同じ観点で
研究概要とESの
添削をしています


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