近年、大型台風やゲリラ豪雨、地震などによる突然の停電が増加しています。
デイサービスや有料老人ホーム、特養ホームなどの介護現場において、特に迅速な対応が求められるのが在宅酸素療法(HOT)を行っている利用者への対応です。
電源が落ちて酸素濃縮器がストップした際、介護スタッフが慌てずに対応できるよう、平常時からどのような手順を整理しておくべきか、重要となるポイントをまとめました。
1. 「◯分以内」ではなく「フェーズ別」で動く
非常時は焦りや混乱が生じるため、“停電から5分以内に〇〇をする”といった時間指定のマニュアルは、現場でプレッシャーになりがちです。
そのため、このマニュアルでは対応を以下の4つの段階に分けて整理しています。
1. 「発生直後」:利用者様への声かけ(安心感の確保)と呼吸状態の確認
2. 「初期対応」:代替供給源(予備ボンベ等)への切替
3. 「状況把握」:責任者・夜間窓口への報告と復旧見込みの確認
4. 「継続対応・避難」:電源残量管理と、長期化時の移送検討
“今どの段階の対応をすべきか”が直感的にわかる流れにしておくことで、夜間やワンオペ体制時でもスムーズに行動できます。
2. 切り替えルート(代替電源)を複数量化しておく
酸素濃縮器が停止した際、電源の確保や酸素供給の手段は1つだけに頼らず、複数のルートを想定しておくことが大切です。
• 優先度1:携帯用酸素ボンベ(電気を使わないため最も確実)
• 優先度2:ポータブル電源・非常用蓄電池(機器の定格出力や正弦波対応かを確認)
• 優先度3:事業所車両(シガーソケット・インバーター)
※一酸化炭素中毒防止のため、必ず屋外でエンジン稼働
それぞれの保管場所、操作手順、使用可能時間の目安を明記しておくことがポイントです。
3. 一覧表(管理シート)は単体で掲示・保管する
停電が発生した際、分厚いマニュアルを開いて対象者を探すのは時間がかかります。
誰が・どの部屋で・毎分何リットルの酸素を吸入していて・予備ボンベがどこにあるかをひと目で把握できる「在宅酸素使用者一覧表」を別紙で作成し、スタッフルームや防災棚に単体で掲示しておくことをおすすめします。
マニュアルの作成・整備について
在宅酸素の非常時対応は、利用者の生命に直結する重要な業務です。
事業所ごとの設備(蓄電池の有無や車両)や夜間の勤務体制に合わせて、日頃から手順を可視化しておくことが防災の第一歩となります。
「みんなの事務室」では、介護・福祉事業者様向けに、今回ご紹介した考え方を盛り込み、そのまま編集して使えるWord形式の運用マニュアル&利用者一覧表テンプレートを公開していますので、ご興味のある方はチェックしてみてください。
※自社の既存BCPとの統合や、個別のカスタマイズに関するご相談もメッセージにて承っております。
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