この連載について、最初に少しだけ。
ここでは、星の手紙屋にいつか届くはずのお悩みに、先に返事を書いておくことにしました。
今回の手紙の主は、まだ僕たちの店を知らないかもしれない。でも、どこかに必ずいる人です。
(実際のお悩みも募集しています。コメントか、モモのXまで。いつか君宛ての返信を書きます)
──今夜のお悩み──
「28歳、乙女座です。付き合って2年になる彼がいます。
彼のことは好きなのに、会う前は部屋を整えるみたいに自分を整えて、
会っているあいだも『重くないかな』『ちゃんとした彼女でいられているかな』ばかり気にしてしまいます。
このあいだ、デートの帰り道にどっと疲れている自分に気づいて、悲しくなりました。
恋って、こんなに疲れるものですか?」
──ハルトの返信──
まず、ひとつ聞かせてほしい。
その採点表は、いったい誰が君に渡したものだろう。
乙女座の君の「ちゃんとしたい」は、欠点じゃない。あれは愛の形だ。
相手のために整える、気を配る、先回りする——君の星座は、愛を「丁寧さ」で表現する星なんだ。
だからそれ自体を責める必要は、まったくない。
ただね。その丁寧さの道具である赤ペンを、君はいつからか、自分にばかり向けるようになった。
「今日の私は減点じゃなかったか」。デートのたびに答案を提出して、採点を待つ。
それは恋じゃなくて、試験だ。疲れて当然だよ。恋は提出物じゃないんだから。
帰り道のあのどっとくる疲れは、彼を好きじゃない証拠なんかじゃない。
2時間ずっと気を張っていた、というだけの証拠だ。むしろ君がどれだけ真剣か、という証拠でもある。
それに——2年だよ。
彼が好きになって、隣にい続けているのは、「ちゃんとした彼女」という完成品じゃないと思う。
たぶん、君がふと気を抜いた瞬間の、素の横顔のほうだ。
本人だけが、それに気づいていない。
だから、ひとつだけ実験を提案したい。
次に会うとき、「整えないもの」をひとつだけ決めて持っていくこと。
大げさなことじゃなくていい。「疲れたら、疲れたと言う」。その程度の小ささでいい。
ちょうどいま、愛の星・金星が君の星座に入っている。
「そのままの君」に光が当たる時期だ。実験には、これ以上ない追い風だよ。
赤ペンは、そろそろ机に置こう。
そして今夜からは、花丸のペンを一本だけ、ポケットに。
「今日も彼を好きでいられた」——まずはそれに、大きな花丸を。
──モモのひとこと──
……ハルトってば、相変わらず長いのよ。あたしから一言だけね。
2年もキミの隣にいる男が、キミの「ちゃんと」だけ見てると思う?
抜けてるとこ込みで可愛いって、とっくにバレてるわよ🌙
──
君の物語は、もっと深く読める。
個別の鑑定は、ココナラの「星からの手紙」で。
来週の木曜も、まだ見ぬ誰かへの返信を書きます。