紙とExcelの一問一答から卒業した話|研修が続かない本当の理由

紙とExcelの一問一答から卒業した話|研修が続かない本当の理由

記事
ビジネス・マーケティング
通信業界のコールセンターで、25年ほど現場に立っています。
オペレーターの育成、資格取得の支援、新人研修。ずっと人を育てる側にいました。

そして、ずっと同じ景色を見てきました。

分厚い紙のテキスト。
誰かが手作りした、Excelの一問一答シート。
印刷して、配って、回収して、採点する。

真面目にやっているのに、なぜか続かない。
今日はその「続かない理由」と、私が実際にやってみたことを書きます。


研修が続かない、3つの理由


現場を長く見てきて、原因はだいたいこの3つに集約されると感じています。

1つめは、答え合わせが後回しになること。

紙で解いて、あとでまとめて採点する。
このタイムラグの間に、なぜ間違えたのかを本人が忘れてしまいます。
「×がついた」という事実だけが残って、理解には変わりません。

2つめは、どこでつまずいているか誰にも見えないこと。

集計する担当者がいれば見えますが、その集計自体が手間です。
結局「全体の平均点」しか分からず、個人が何を苦手にしているかは闇の中。
指導する側も、勘で声をかけるしかありません。

3つめは、教材が引き継がれないこと。

これがいちばん根深い問題です。
誰かが休日に手作りしたExcelは、その人が異動した瞬間に止まります。
数式が複雑すぎて誰も触れない。更新できないから、内容が古くなる。
そして数年後、また別の誰かがゼロから作り始める。

同じことが、何度も繰り返されていました。


作ってみることにした


私はプログラマーではありません。
情報系の学校を出たわけでもなく、業務でコードを書いた経験もありませんでした。

それでも作れるかもしれない、と思ったのはAIが使えるようになってからです。

題材は、少額短期保険募集人試験の対策アプリでした。
社内で取得が必要な資格で、みんな紙のテキストと格闘していたものです。

作ったのは、ブラウザで開くだけの1つのファイル。
インストールも、サーバーも、ログインもいりません。
共有フォルダに置いて、ダブルクリックすれば動きます。

入れた機能は、現場で「これがないと続かない」と感じていたものだけです。

・図解つきの解説ページ(まず理解してから問題に入る)
・〇✕問題と4択問題(毎回ランダムに出題される)
・答えた瞬間に解説が出る
・本番形式の総合テスト(制限時間つき)
・間違えた問題だけを、あとでまとめて復習できる
・分野ごとの正答率が自動で記録される
・解説文の中の専門用語をタップすると、意味が出る

派手な機能はひとつもありません。
先ほど挙げた「続かない3つの理由」を、そのまま裏返しただけです。


何が変わったか


いちばん大きかったのは、答え合わせの瞬間が変わったことでした。

答えた直後に解説が出るので、「なぜ間違えたか」がその場で腹に落ちます。
紙の一問一答が「作業」だったのに対して、これは「学習」になりました。

それから、苦手が見えるようになりました。
分野ごとの正答率が残るので、本人が自分の弱点を把握できます。
指導する側も、勘ではなく事実で声をかけられます。

そして、更新できる形にしたことです。
問題データは触りやすい場所に分けて、スクリーンショット付きの操作マニュアルも作りました。
私がいなくなっても、次の担当者が問題を追加できます。

社内の同僚に配り、マニュアルを添えて展開しました。
同僚や上長から「これなら続けられる」と言われたことが嬉しかったです。


技術より大事だったこと


正直に言うと、技術的にすごいことは何もしていません。
今はAIに手伝ってもらえば、この程度のものは作れます。

むしろ効いたのは、25年ぶんの「現場を知っていること」でした。

どこで新人がつまずくか。
どんな画面だと、忙しい現場の人が使わなくなるか。
どういう作り方をすると、担当者が替わった瞬間に使われなくなるか。

作れる人はたくさんいます。
でも「現場で本当に使われるところまで見届けた人」は、そう多くありません。

私が価値を出せるとしたら、たぶんそこだと思っています。


同じことで困っている方へ


もし今、こんな状況なら、同じやり方が使えるかもしれません。

・新人研修や資格対策を、いまだに紙とExcelでやっている
・問題を配って採点して…という手間が毎回かかっている
・誰がどこでつまずいているか、見えていない
・作った教材が、担当者の異動で消えていく

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