「保健所検査まであと1か月…何から始めればいい?」
保健所検査が近づくと、病院SEにはこんな相談が増えます。
「何を準備すればいいですか?」
「ガイドラインは読んだけど難しくて分からない…」
「全部確認する時間なんてない。」
私も病院SEになったばかりの頃は同じでした。
厚生労働省のガイドラインは数百ページに及び、内容も専門的です。
そのため、多くの人は
「とりあえずウイルス対策ソフトは入っているし大丈夫だろう」
と思ってしまいます。
しかし、実際の保健所検査では、
"基本的なことができていない病院"
が意外と多く見受けられます。
今回は、私が10年以上病院SEとして経験した中で、
最初に確認しておくべき5項目を紹介します。
① Windows Update・セキュリティパッチは最新か?
一番最初に確認するべき項目です。
ランサムウェアの多くは、
「既に修正されている脆弱性」
を狙って侵入します。つまり、
更新プログラムを適用していれば防げた事故も少なくありません。
まず確認しましょう。
・Windows Update
・電子カルテサーバー
・VPN装置
・NAS
・ネットワーク機器
・医療機器PC
特に見落とされやすいのがVPNです。
保守会社へ
「最新パッチ適用状況を教えてください」
と確認するだけでも一歩前進です。
② バックアップは「復元できる」ことを確認しているか?
バックアップは取っていても、
復元テストをしていない病院
は意外とあります。
バックアップは「ある」ことより
「戻せる」
ことが重要です。
一度も復元テストをしていないのであれば、
今すぐ確認することをおすすめします。
③ パスワード管理は適切か?
病棟へ行くと
・モニター横に付箋
・キーボード裏に付箋。
これ、ありませんか?
現場では便利ですが、
セキュリティ上は非常に危険です。
さらに
・同じパスワードを使い回している
・4桁だけ
・名前+123
などもよく見かけます。
Active Directoryを利用している場合は、
・パスワード文字数
・複雑性
・ロックアウト設定
も確認しておきましょう。
④ USBメモリの利用制限
ランサムウェアは
インターネットだけではありません。
USBメモリから感染するケースもあります。
学会発表などで
「私物USB」
を使用している病院は少なくありません。
可能であれば
・病院支給USBのみ許可
・暗号化USB利用
・ウイルスチェック
などの運用を整備しておくと安心です。
⑤ 誰が何を管理しているか整理されているか?
最後に意外と重要なのがこれです。
例えば
・VPN
・電子カルテ
・AD
・NAS
・Wi-Fi
誰が担当していますか?
ベンダー任せになっていると、いざという時
「誰に聞けばいいか分からない」
状態になります。
一覧表を作るだけでも、保健所検査だけではなく、
災害時や障害発生時にも役立ちます。
この5項目だけでも大きく違う
もちろん保健所検査では
確認項目はこれだけではありません。
しかし、
まずこの5つを押さえておくだけでも、
病院全体のセキュリティレベルは大きく向上します。
私も毎年、この5項目から確認しています。
次回予告
次回は、「MDS提出をベンダーに断られた時の対処法」について、
実際に現場で経験した内容をもとに解説します。
意外と知られていませんが、
「断られて終わり」
ではありません。
交渉のコツがあります。
さらに詳しく知りたい方へ
今回紹介した内容は、保健所検査のほんの一部です。
実際の現場では、
・なぜこの対策が必要なのか
・保健所はどこを見ているのか
・ベンダーへどう依頼するか
・院内通知はどう書くか
・メール文例
・明日やるべき具体的な行動
まで理解して初めて「対応できる」と言えます。
そこで、私が病院SEとして10年間蓄積してきた経験を1冊にまとめました。
『【保健所検査で慌てない】病院SE10年の経験を29項目に凝縮|指摘ゼロへの実践マニュアル』
単なるガイドラインの解説ではなく、
現場でそのまま使える実践マニュアル
として、保健所検査対策を体系的にまとめています。
「何から始めればいいか分からない」
「一人情シスで相談相手がいない」
そんな方の力になれる内容を目指して執筆しました。
今後もご期待ください!