「どうして?」を「いつ?」に変えてみる。対話のプロに学ぶ、事実を引き出す質問術

「どうして?」を「いつ?」に変えてみる。対話のプロに学ぶ、事実を引き出す質問術

記事
コラム
前回の記事では、『「良い質問」を40年磨き続けた対話のプロがたどり着いた「なぜ」と聞かない質問術』(中田豊一・著)の第一章をもとに、「なぜ?」と理由を問うことがかえって会話のねじれや思い込みを生んでしまう理由についてお話ししました。

※第一章についての詳しい学びは、ぜひ前回の記事をご覧くださいね。

今回は、さらに読み進めた第二章から学んだ内容をお届けします。

第一章で触れた「思い込み質問」から「事実質問」へと変えていくための、より実践的で具体的な「質問の公式」についてまとめてみました。

1. 「いつ」は最強の事実質問

第二章の中で特に印象的だったのが、「いつ」という問いかけこそが最強の事実質問であるという点です。

解釈や思い込みを尋ねる「どうして?」や「どう?」といった質問(思い込み質問)は、答えが抽象的になりがちで、相手に考えさせる負担を与えてしまいます。

一方で、答えがひとつしかない「事実質問」に切り替えるには、まず「いつ」から聞き始めるのが効果的なのだそうです。

本書では、次のような具体例が挙げられていました。

「彼と別れようと思う」と言われたとき
✕「どうして?」
◯「最初にそう思ったのはいつ?」「そう心に決めたのはいつ?」

「どうしてあの会社に就職したんだろう」と悩んでいるとき
✕「どうして?」
◯「その会社に就職したのはいつ?」

「どうして?」と理由を聞いてしまうと、相手はあれこれと考えて思い込みや言い訳を話し始めてしまいます。 ですが「いつ?」と時期を聞くことで、相手は「過去の事実を思い出す」モードに入り、自分の思い込みを正しく再構築できるようになるのだそうです。

「いつ」を軸として時系列順に聞きながら、「どこで」「誰が」「何を」という情報を重ねていくことで、より鮮明な事実が見えてくるとのことでした。

2. 事実質問に変える「5つの公式」

本書では、思い込み質問を事実質問に変換するための分かりやすい「公式」が紹介されていました。

1、「なぜ」「どうして」は「いつ」に変えて聞く

2、YES・NOで答えられる「過去形」の質問をする (例:「どうして〇〇しないの?」ではなく「〇〇したことある?」)

3、「どう?」「どうだった?」ではなく、「なに」「いつ」「どこ」「だれ」で聞く

4、抽象的な言葉は避け、具体的に絞る
「いつもは?」ではなく「今日は?」「一番最近は?」
「みんなは?」ではなく「誰?」

5、次の質問に困ったら「他には?」と聞く


「どうして〜つの?」と詰問したり、求められていないお節介なアドバイスをしたりしないこと。 相手の解釈ではなく「客観的な事実」に焦点を当てるための、とてもシンプルで使いやすいルールだと感じます。

おわりに

私たちは身近な人が悩んでいると、良かれと思って「どうしてそうなったの?」「どうしたいの?」と、相手に考えさせる質問を投げてしまいがちです。

ですが、相手に必要なのは「深く考え込ませること」ではなく、「事実をそっと思い出させること」なのかもしれません。

「どうして?」と喉まで出かかったとき、「最後にそうしたのは、いつだったかな?」と問いかけてみる。

そんな小さな問いのシフトが、相手の心をすっと軽やかにし、思い込みから抜け出すきっかけになるのだと学びました。

第二章を読み終えて、日常の会話で試してみたい実践のヒントがさらに増えました。また次の章を読み進めながら、みなさんにシェアしたい学びをお届けできればと思います。
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