在庫数が合わないとき、数字だけ直してはいけない理由|小規模事業の確認7手順

在庫数が合わないとき、数字だけ直してはいけない理由|小規模事業の確認7手順

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ビジネス・マーケティング
金曜日の夕方、注文が入った商品を棚から出そうとしたら、帳簿では12個なのに実物は9個しかない。小さな店舗や事務所では、こうした在庫差異が接客や発送の直前に見つかります。

担当者の注意不足だけが原因とは限りません。入庫はその場で記録する一方、電話注文は閉店後にまとめて入力する。破損やサンプル使用には記録欄がない。返品時は元の履歴を消す。このように、増減のルールが人や場面ごとに違うと、まじめに入力しても数字はずれます。

今回は、在庫が合わないときに原因を残しながら確認する手順を整理します。

まず「現在数」ではなく「増減理由」を見る

実物が9個なら、管理表の12を9へ直せば画面上は一致します。しかし、3個減った理由は消えます。誤出荷、破損、サンプル提供、入力漏れのどれだったのか分からなければ、翌月も同じ差異が起きます。

在庫は、現在数だけでなく「何が何個増減したか」の積み重ねとして扱います。たとえば20個入庫し、店頭販売5個、電話注文4個、破損1個、サンプル1個なら、残数は9個です。

20-5-4-1-1=9

この5つの記録が残っていれば、実物と帳簿の照合ができます。

在庫差異を確認する7つの手順

1.実在庫を数え直す

売場だけでなく、バックヤード、返品置場、発送準備中も確認します。同じ商品が複数の場所に分かれていると、数え漏れが起きます。

2.商品コードと単位を確認する

「詰替用」と「リフィル」が別商品になっていないか、1箱と10個が同じ数量欄に混在していないかを確認します。名称より商品コードと単位を基準にします。

3.直近の入庫を確認する

納品書と入庫履歴を照合します。20個届いたのに2箱と入力した、検品前の商品を在庫へ加えた、といった単位やタイミングのずれを探します。

4.直近の出庫を確認する

店頭販売、電話注文、発送、社内利用を分けます。売上記録はあっても在庫の出庫が抜けている場合があります。

5.例外処理を確認する

返品、破損、廃棄、サンプル、取り置きは通常販売より漏れやすい項目です。「その他」でまとめず、理由を選べる形にします。

6.誤入力は削除せず取り消す

履歴を削除すると、なぜ在庫が戻ったのか追えません。元の記録を残し、反対方向の記録で取り消すと、後から経緯を確認できます。二重取消を防ぐルールも必要です。

7.棚卸し差異を記録する

実在庫、帳簿在庫、差異数、確認日、理由を残します。原因不明でも「原因不明の調整」と記録し、数字だけを静かに書き換えないことが大切です。

棚卸しは全部を毎週数えなくてよい

商品が100件ある場合、全商品を毎週数えると続きません。高額商品、動きが多い商品、過去に差異が出た商品を週次、その他を月次に分けます。

最初は20〜50商品に絞り、商品コード、単位、増減理由、入力締切を決めてください。対象を小さく始めた方が、例外を見つけてルールを直しやすくなります。

発注点も感覚ではなく数字で決めます。1日2個売れ、納品まで4日、安全在庫3個なら目安は11個です。

2個×4日+3個=11個

ただし繁忙期や仕入先の休業日は別に調整します。

失敗しやすい進め方

・初日に全商品を登録しようとして止まる
・現在庫だけ合わせて差異理由を残さない
・入庫担当と出庫担当で単位が違う
・破損やサンプルを口頭報告だけで済ませる
・バックアップを同じPC内にだけ置く
・複数人・複数拠点で1台用の仕組みを無理に共有する

特に、複数店舗での同時利用、スマートフォン、EC・POS連携、ロット・使用期限の法定追跡が必要なら、クラウド型や業界専用システムを検討すべきです。医薬品や医療材料は、一般商品の在庫管理と同じ基準で扱わないでください。

導入前チェックリスト

□ 主に1人が1台のWindows PCで管理する
□ 商品コードと単位を統一できる
□ 入庫・出庫・棚卸しの締切を決められる
□ 在庫数の直接上書きを避けたい
□ 増減履歴と取消理由を残したい
□ 在庫切れや発注点以下を確認したい
□ 定期バックアップを別の保存先へ移せる
□ 複数人同時利用やクラウド同期は不要
□ 医薬品・ロット・使用期限の法定追跡は不要

まとめ

在庫差異を減らす基本は、現在数をきれいに見せることではありません。いつ、何が、なぜ増減したかを残し、短い周期で実物と照合することです。

まず重要な商品だけに絞り、コード、単位、増減理由、入力締切、棚卸し周期を決めましょう。道具を選ぶのはその後です。

小規模事業向けの在庫管理方法や、1台のWindows PCで使う仕組みが自社運用に合うか迷う場合は、ココナラ内の見積り相談から、商品数・利用人数・端末数・必要な管理項目を添えてご相談ください。外部サービスへの誘導は行わず、対応できる範囲とできない範囲を先に整理します。


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