「自分のことは、自分が一番よく分かっている。」
そう思っていた時期が、私にもありました。
ですが、人の話を聞き続けていると、その考えは少しずつ変わっていきました。
人は、他人の気持ちを知りたいと思う一方で、
自分自身のことは、意外なほど見えていません。
「私は優しい性格です。」
そう話す人が、本当は誰よりも我慢を続けていたり。
「私は冷たい人間なんです。」
そう笑う人が、人一倍傷つきやすかったり。
私たちは、自分で思っている自分と、本当の自分が少しずつ違うことがあります。
それは決して嘘ではありません。
人は生きていく中で、自分を守るために「こういう人間でありたい」という姿を少しずつ作っていくからです。
だからこそ、ときどき立ち止まって、自分に問いかけてみることがあります。
「私は、本当は何が好きなんだろう。」
「何を恐れているんだろう。」
「何に一番傷つくんだろう。」
すぐに答えは出ないかもしれません。
それでも、その問いを持つことには意味があります。
人は、自分を知るほど、人との向き合い方も変わっていきます。
恋愛でも。
仕事でも。
人間関係でも。
相手を理解しようとすることは大切です。
でも、その前に、
自分という存在を知ろうとすること。
それも同じくらい大切なのだと、私は思います。
私はこれまで、多くの方のお話を伺ってきました。
その中で感じるのは、「本当の悩み」は、相手ではなく、自分自身の中にあることも少なくないということです。
「どうして同じことで悩んでしまうのか。」
「どうして同じような恋愛を繰り返してしまうのか。」
その答えは、誰かを責めることでは見つかりません。
自分を責めることでも見つかりません。
少しだけ、自分を知ろうとすること。
その小さな一歩が、これからの人生を変えるきっかけになることもあります。
だから私は、
相手の気持ちを知ることと同じくらい、
自分の心と向き合う時間を大切にしてほしいと思っています。