数年前、一人の女性からこんなご相談をいただきました。
「もう終わった恋なんです。」
そう言いながらも、その方は相手のことを忘れられずにいました。
返信はありません。
会うこともありません。
連絡先も消していました。
周りからは、
「次に進んだ方がいい。」
そう言われ続けていたそうです。
ですが、その方は前へ進めませんでした。
理由は、とても単純でした。
「終わった理由」を知らなかったからです。
人は、理由が分からない出来事ほど、心の中で何度も繰り返します。
「あの時、何が悪かったのだろう。」
「あの一言が原因だったのかもしれない。」
「もっと違う言葉を選んでいたら。」
その答えは誰にも分かりません。
だから、人は自分を責め続けます。
私はその方に、まず一つだけお伝えしました。
「今、答えを探すことよりも、自分を責め続けることをやめてみませんか。」
それからゆっくりと、お話を聞いていきました。
恋愛の始まり。
楽しかった思い出。
喧嘩になった日。
最後のやり取り。
話を重ねるうちに、その方が本当に苦しんでいた理由が見えてきました。
相手を失ったことではありません。
「自分だけが置いていかれた」と思い込んでいたこと。
その思い込みが、その方を何年も苦しめていました。
少し時間はかかりましたが、その方は少しずつ前を向けるようになりました。
後日、こんな言葉をいただきました。
「恋愛が終わったことは変わりません。でも、自分を責める時間は終わりました。」
私は、この言葉を今でも覚えています。
恋愛は、必ず元に戻るとは限りません。
ですが、心は少しずつ変わっていきます。
だから私は、
「今の苦しみが、この先もずっと続く。」
そう思っている方へ、お伝えしたいことがあります。
人は、答えを知ることで前へ進むこともあります。
でも、それ以上に、
自分を許せた時、人はようやく前を向ける。
私は、そう信じています。