前回のお話はこちら✨
「この人、なんとなく苦手だな」
そう感じる相手は、誰にでもいるものです。
話し方が合わない。
なぜか一緒にいると疲れる。
こちらの気持ちを考えずに踏み込んでくる。
そんな相手とは、本当なら少し距離を置きたい。
でも、会社や学校、同じグループなどでは、
完全に関係を切ることができませんよね。
そんなときに大切なのは、
相手を好きになること、ではなく、
自分が消耗しない距離をつくること。
先日、私の友人からそんな相談をうけたので、
今日は、苦手な人との付き合い方をお話ししたいと思います。
◆「苦手」と感じることは悪いことではない
まず、苦手意識を持つことは悪いことではないです。
誰にでもあることです。
人にはそれぞれ、価値観やコミュニケーションの癖があります。
自分とは考え方が違う人に違和感を覚えることもあれば、
過去の経験から特定のタイプの人に警戒心を持つこともあります。
心理学では、人が相手を判断するとき、
過去の経験や自分の価値観などが影響すると考えられています。
だから、
「私が性格悪いのかな」
「もっと仲良くしなきゃ」
と、自分を責めなくても大丈夫。
苦手だと感じているという自分の感覚を、
まずはそのまま認めて大丈夫ですよ。
それだけでも、少し楽になると思います。
◆「相手が嫌い」と「相手と合わない」は違う
「嫌い」と考えてしまうと、
相手のすべてが嫌に見えてしまうことがありますよね。
心理学には、最初に持った印象や情報が、
その後の判断に影響する初頭効果という考え方があります。
一度「この人は苦手」と思うと、
「やっぱり今日も嫌なことを言ってきた」
「やっぱりこの人は無理」
と、苦手な部分ばかりに目が向きやすくなることがあります。
そこで、
「嫌いな人」ではなく「自分とは相性が合いにくい人」
と考えてみる。
相手を無理に肯定する必要はありません。
ただ、相手を必要以上に悪者にしないことで、
自分自身のストレスも減らしやすくなります。
◆「わかってもらおう」としすぎない
苦手な人に対して、
「どうしてこの人はこんなことをするんだろう」
「普通はこうするよね」
と、相手の行動を理解しようとしすぎると疲れてしまいます。
もちろん、相手を理解することは大切。
でも、すべての人と分かり合う必要はありません。
「この人はこういうタイプなんだ」と、
ある程度のところで理解を終わらせる。
相手を変えようとすると、
自分の心のエネルギーをたくさん使うからです。
「この人はこういう傾向がある」
「私はこういう接し方をすると疲れる」
と整理すると、自分側で調整できることがみえてきたりします。
まず自分の気持ちに目をむけてください。
◆会社や学校では「心理的な距離」をつくる
関係を切れない相手の場合、物理的に離れられなくても、
心理的な距離をつくることはできます。
たとえば、
・必要なことだけ話す
・個人的な話をしすぎない
・相手の機嫌を取りすぎない
・返信を急ぎすぎない
・一対一ではなく、できるだけ複数人で関わる
・相手の言葉をすべて真に受けない
などなど。
ポイントは、
感じよく接すること、と
親しくなることは別ということです。
挨拶をする。
必要な連絡をする。
仕事や学校のことをきちんと話す。
それができていれば十分な場合もあります。
「仲良くしなければ」と思わなくてもいいのです。
今、自分は苦しくないかな?と
ちょうどいい心の距離を探してみてください。
◆「境界線」を意識する
心理学やカウンセリングの分野では、
人との間にある適切な境界線をバウンダリーと呼ぶことがあります。
これは、
ここまでは私の課題。
でも、ここから先は相手の課題。
という、自分と相手の境目のこと。
たとえば、相手が不機嫌だからといって、
「私が何とかしなきゃ」
と考える必要はありません。
相手の機嫌は、基本的には相手のものです。
相手から嫌なことを言われたとしても、
「相手がそう感じていること」と
「私が悪いこと」は同じではありません。
必要以上に相手の感情まで背負わない。
これだけでも、人間関係はかなり楽になります。
◆苦手な人には「反応を小さくする」
相手の言葉に毎回強く反応すると、
その人とのやり取りが自分の中で大きな問題になってしまいます。
そこで使いたいのが、反応を小さくすること。
「そうなんですね」
「わかりました」
「確認しておきます」
「そういう考え方もありますね」
など、必要最低限の反応にする。
相手を無視する必要はありませんし、
あとで自分を責めることにならないように、
礼儀は保つ。でも、心まで相手に持っていかれない。
相手に同調しすぎないこと。
この感覚が大切です。
◆「嫌われないようにする」より「自分を守る」
苦手な人と関わると、
「嫌われたくない」
「変に思われたくない」
「怒らせたくない」
「こんな気持ちになってる私性格悪いのかな?」
と考えてしまうことがあります。
まず、誰でも全員から好かれることはできません。
人からどう見られているかを気にしすぎると、
自分の行動を必要以上に制限してしまうことがあります。
だから、
嫌われないことより、無理をしすぎないこと。
もちろん、会社や学校では協調性は必要です。
でも、
「相手に合わせ続ける」ことと、
「必要な場面で協力する」ことは違います。
それは冷たいことではなく、
あなた自身の心は、あなたにしか守れないからこその
大切な境界線です。
◆それでも傷つけられるなら、一人で抱えない
単なる相性の悪さではなく、
・何度も嫌なことを言われる
・仲間外れにされる
・脅される
・必要以上に責められる
・仕事や学校生活に支障が出る
などの場合は、単純な苦手な人として片づけなくてもいいです。
会社なら上司や人事、学校なら先生やスクールカウンセラーなど、
信頼できる人に相談することも選択肢です。
我慢することが、なんとしてでも自分でうまくやることが
大人の対応ではありません。
他の人が、あなたと同じ悩みを抱えていたら、
あなたはなんて声をかけますか?
自分にも同じように接してあげてくださいね。
◆最後に
「この人、苦手かも」
そう感じたとき、無理に好きになる必要はありません。
大切なのは、
相手を変えることではなく、自分の心を守ること。
距離を少し調整する。
必要以上に反応しない。
相手の問題まで背負わない。
そして、自分が苦しくなるほどの関係なら、誰かに相談する。
人間関係は、「仲良くする」か「完全に離れる」かの二択ではありません。
その間には、
必要な関係として、ちょうどいい距離で付き合う、
という選択肢があります。
苦手な人がいることは、
あなたが冷たい人だからではないですし、
自分と相手には違いがありますよね。
その違いを認めながら、自分の心を守る。
それも、健やかな人間関係をつくるための大切なスキルだと思います。
白黒じゃなくていい、少しずつでいいので
嫌な気持ちになる、そんな自分を受け止めてあげてくださいね。
今を壊さないで、心を安定させる、
そんなちょうどいい距離は必ずありますよ✨
きこ