相続でもめる原因は財産の多さではない|親が元気なうちに確認したいこと

相続でもめる原因は財産の多さではない|親が元気なうちに確認したいこと

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コラム

「うちは財産が少ないから大丈夫」と思っていませんか?


「うちは大きな財産があるわけではないから、相続でもめることはないと思う」
そう考えている方は、とても多いのではないでしょうか。

特に、40代〜60代で高齢の親を持つ子ども世代にとって、相続の話はどこか重たく感じるものです。親にお金の話をするのは気が引けますし、「まだ元気だから大丈夫」「そのうち話せばいい」と後回しにしてしまうこともあると思います。

しかし、相続でもめる原因は、必ずしも財産の金額ではありません。

もちろん、財産が多ければ手続きが複雑になることはあります。ですが、実際には財産が多いか少ないかよりも、「家族が何も知らなかったこと」「親の考えが共有されていなかったこと」「きょうだい同士で認識が違っていたこと」が、相続後のトラブルにつながるケースがあります。

つまり、相続で大切なのは、財産の多さではなく、家族が困らないための事前の整理です。

相続でもめる原因は、金額より“わからないこと”


相続でもめる大きな原因のひとつは、「何がどこにあるのかわからない」という状態です。

たとえば、親がどこの銀行に口座を持っているのか、証券口座があるのか、生命保険に入っているのか、不動産の名義はどうなっているのか。こうしたことを家族がまったく把握していないと、相続が発生した後に一つひとつ調べる必要があります。

この確認作業は、思っている以上に負担が大きいものです。

銀行口座を探し、通帳やキャッシュカードを確認し、保険証券を探し、役所で書類を取得し、必要に応じて金融機関や保険会社に連絡する。手続きそのものも大変ですが、それ以上に「本当にこれで全部なのか」という不安が残ります。

さらに、親の希望がわからないことも、家族間のすれ違いにつながります。

「実家は誰が引き継ぐのか」
「預金はどう分けるつもりだったのか」
「介護をしていた人への配慮はあるのか」
「保険金の受取人はなぜこの人なのか」

生前に何も話していなければ、残された家族は想像で判断するしかありません。その結果、「自分だけ損をしているのではないか」「親は本当はこう考えていたはずだ」と、感情的な対立に発展してしまうことがあります。

相続でもめるのは、お金の金額だけが理由ではありません。
「知らなかった」「聞いていなかった」「納得できない」という気持ちが積み重なることで、家族関係がぎくしゃくしてしまうのです。

放置すると、家族の負担が一気に増える


親が元気なうちは、少し聞けばすぐにわかることがたくさんあります。

「メインで使っている銀行はどこ?」
「保険証券はどこに保管している?」
「証券口座やネット銀行は使っている?」
「実家の権利証や重要書類はどこにある?」

こうしたことは、親本人に聞けるうちであれば、短い会話で確認できる場合もあります。

しかし、親が亡くなった後や、認知症などで判断力が低下した後では、確認が難しくなります。通帳や保険証券が見つからない、ネット銀行や証券口座の存在がわからない、暗証番号やログイン情報が不明、ということも起こり得ます。

もちろん、暗証番号やパスワードを家族で共有することには注意が必要です。大切なのは、細かい情報をすべて聞き出すことではなく、「どこに何があるのか」「誰に相談すればよいのか」を整理しておくことです。

また、相続の手続きは精神的にも負担がかかります。親を亡くした直後は、葬儀や役所の手続き、金融機関への連絡など、やることが一気に増えます。その中で財産を一から探すことになると、家族の負担はさらに大きくなります。

特に、きょうだいがいる場合は注意が必要です。

一人が親の近くに住んでいて、もう一人は遠方にいる。
一人が介護に関わっていて、もう一人は詳しい状況を知らない。
一人だけが親の財産状況を把握している。

このような状況では、悪気がなくても不公平感が生まれやすくなります。
「自分だけ知らされていなかった」
「勝手に進められている気がする」
「本当に正しく分けられているのか不安」

こうした気持ちが出てくると、相続手続きだけでなく、家族関係にも影響してしまいます。

だからこそ、相続は発生してから考えるのではなく、親が元気なうちに少しずつ整理しておくことが大切です。

今から確認しておきたい3つのポイント


相続の準備というと、遺言書や相続税対策などをイメージする方も多いかもしれません。もちろん、それらが必要なケースもあります。

ただ、最初から難しく考える必要はありません。まずは、次の3つを確認するだけでも十分です。

1つ目は、財産の「種類」と「場所」です。

預金口座、証券口座、生命保険、不動産、借入れなど、どのようなものがあるのかをざっくり把握しておきます。金額まで細かく聞けなくても、「どこの銀行を使っているか」「保険証券はどこにあるか」「不動産関係の書類はどこにしまっているか」がわかるだけで、将来の手続きはかなり進めやすくなります。

2つ目は、親の希望です。

財産をどうしたいかだけでなく、「実家をどうしてほしいか」「お墓や葬儀について希望があるか」「誰に何を伝えておきたいか」なども大切です。親の希望がわかっていると、残された家族も判断しやすくなります。

ただし、いきなり「財産をどう分けるつもり?」と聞くと、親も身構えてしまうかもしれません。最初は、「万が一の時に困らないように、保管場所だけでも教えておいてもらえる?」というように、負担の少ない聞き方から始めるのがおすすめです。

3つ目は、家族間の情報共有です。

親と一対一で話した内容を、自分だけが知っている状態にしておくと、後からきょうだい間で誤解が生まれることがあります。すべてを細かく共有する必要はありませんが、「親が大切な書類をどこに保管しているか」「保険や口座の存在を確認したことがあるか」など、最低限の情報は家族で共有しておくと安心です。

相続準備は、親の財産を探るためのものではありません。
家族が困らないように、必要な情報を整理しておくためのものです。

まずは完璧を目指さず、整理することから始める


相続や終活の話は、どうしても難しく感じやすいものです。

「何を聞けばいいかわからない」
「親にどう切り出せばいいかわからない」
「きょうだいに話すと揉めそうで不安」
「専門家に相談するほどのことなのかわからない」

このように感じるのは自然なことです。むしろ、多くの方が同じような不安を持っています。

大切なのは、最初から完璧な相続対策をしようとしないことです。

いきなり遺言書を作る、相続税を計算する、財産目録をきっちり作る、と考えるとハードルが高くなります。まずは、親の通帳や保険証券、重要書類の保管場所を確認する。実家について親がどう考えているのかを少し聞いてみる。きょうだいがいる場合は、「将来困らないように、少しずつ整理しておきたい」と共有しておく。

このくらいの小さな一歩で十分です。

相続でもめないために必要なのは、大きな財産対策ではなく、家族が困らないための準備です。親が元気なうちに少しずつ確認しておくことで、将来の手続きの負担を減らし、家族間のすれ違いも防ぎやすくなります。

まとめ


相続でもめる原因は、財産の多さだけではありません。

むしろ、「何がどこにあるのかわからない」「親の希望を聞いていない」「きょうだい同士で情報共有できていない」といった小さな未整理が、相続後の大きな負担やトラブルにつながることがあります。

だからこそ、親が元気なうちに、完璧でなくてもよいので少しずつ確認しておくことが大切です。

預金口座や保険、不動産、借入れなどの有無。大切な書類の保管場所。親の希望。家族間で共有しておきたいこと。これらを整理しておくだけでも、将来の安心感は大きく変わります。

「うちは財産が少ないから大丈夫」と思っている家庭ほど、一度立ち止まって確認してみることをおすすめします。相続準備は、お金持ちだけのものではなく、家族が困らないための思いやりの準備です。

何から始めればよいかわからない場合は、一度状況を整理してみることがおすすめです。

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