【FP1級が語る】いつか誰かが何とかしてくれると思っている大人

【FP1級が語る】いつか誰かが何とかしてくれると思っている大人

記事
法律・税務・士業全般

〜いつか誰かが何とかしてくれると思っている大人、心が成人できていない人へ〜

FP1級としての相談業務において、私はほとんどの場合で「将来設計(ライフプランニング)」のお話をいたします。私の立場において最も重要な役割は、ご相談者様が明確な将来像を描くサポートをし、そこにたどり着くための行程を一緒に整理していくことだからです。

しかし相談を受ける中で、「非常に将来の計画が立てにくい」と感じるケースがあります。

もちろん、スタート地点に課題を抱えている方はたくさんいらっしゃいます。
例えば『ご本人にほとんど収入がない』『借金が多い』といったケースです。この場合、まずはスタート地点の課題をクリアするためのご相談から始めます。収入が低い場合は転職やキャリアアップのご提案をしますし、借金がある場合は返済計画の試算を行い、必要に応じて法的な整理を行う専門家におつなぎすることもあります。

ですが、こうした方々は「将来をよくするために、自分の力でどうにかしたい」という意思をお持ちです。スタート地点で少し躓いているだけであり、『自分の意志で』『自分の力で』『努力しようとしている』という「心の在り方」は非常に健全です。スタート地点の問題さえ整理できれば、その後のプランニングは十分に立てていくことができます。

問題なのは、この「心の在り方」そのものが止まってしまっているケースです。

「身体は大人、心が子どものまま」の相談者
ライフプランニングとは、単純に言えば「死ぬまでどのように自分の力で生き抜いていくか?」を考え、整理するためのものです。

この整理をするにあたり、最近非常に対応が難しいと感じる層がいらっしゃいます。見た目や年齢は普通に重ねられている大人ですが、ご両親と一緒に、あるいはご両親に促されて相談にお越しになることがあります。

実際の相談で、このようなやり取りがありました。

私:「収入よりも支出が大きい状態が続いています。支出を減らすことはできますか?」

相談者:「支出は減らせません。収入を超える分は両親が負担してくれているので大丈夫です。

私:「それは『大丈夫』とは言いません。ご自身の力でどのように対応されるお考えですか?」

相談者:「だから、両親が負担してくれているから大丈夫と言いましたよね?」

私:「ご家族を前提に考える視点も大切です。例えばご夫婦であれば年齢も近く、遺族年金などの制度もあるため一体で考えることが多いです。しかし、ご両親は一般論としてご相談者様より先に亡くなられます。『両親が払ってくれているから大丈夫』は、大丈夫どころか、非常に危険な考え方です。」

相談者:「じゃあ私に、もっと稼げと? 稼いだ金以上に使うなということですか?」

私:「基本的に、収入以上の支出はできません。それは借金を重ね続けているのと同じです。今は借金という形になっていないだけで、ご両親の財産がどんどん削られています。」

相談者:「私と両親が納得していれば良いのではないですか?」

私:「今のご収入のままご両親がお亡くなりになった場合、生活が立ち行かなくなります。その際の具体的なプランはお持ちですか?」
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「心が成人できていない」とはどういうことか
この対話のあと、相談者様は黙り込んでしまわれるか、不満げな表情を浮かべられます。

「自分と親が納得していればいい」という主張は、一見すると自己決定のように思えるかもしれません。しかし、その本質は「自分の人生の責任を親に丸投げしている」だけに過ぎません。

自立とは、単に一人暮らしをすることや、年齢が20歳や18歳を超えることではありません。
「自分の人生で発生するコストとリスクを、自分の足で引き受ける覚悟を持つこと」…これこそが「心が成人する」ということです。

「いつか誰かが何とかしてくれる」
「親がいるから大丈夫」
「困ったら国や自治体が支援してくれるはず」

そうやって思考を止め、自分で行動を起こさない人は、厳しい言い方をすれば「身体は大人だが、心が子どものまま停止している」と言わざるを得ません。

親が亡くなった後、訪れる悲惨な現実
「親が納得しているからいい」という逃げ道は、永遠には続きません。

親の資金の枯渇:医療費や介護費用がかさみ、想定より早く親の財産が底をつく。

親の他界:頼れる盾が突然消え、残されたのは収入に見合わない生活水準と、積み重なった年齢。

社会からの孤立:自分で稼ぐ力も、生活を縮小させる術も身につけてこなかったため、一気に生活破綻へ追い込まれる。

FPとして多くの財務データを見てきたからこそ断言できますが、このパターンで破綻を迎える方は決して少なくありません。そして、その時に苦しむのは、他でもないご本人自身なのです。

「親が払ってくれている今」は、解決しているのではなく「問題を未来に先送りして膨らませているだけ」です。

FPが渡せるのは「地図」であり、「歩く足」ではない
私たちFPは、ご相談者様の人生を豊かにするための「地図(ライフプラン)」を描くお手伝いはできます。効率的な貯蓄方法、リスクへの備え、支出の削減策など、いくらでも具体的な技術はお伝えできます。

しかし、その地図を持って自分の足で歩き出すのは、ご相談者様自身でしかありません。
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「収入が低いから無理」であれば、転職活動を始める、資格を取る、副業を探すなど、できる行動はいくらでもあります。
「支出を減らせない」のであれば、身の丈に合った生活を受け入れる勇気を持つ必要があります。

エラーがあってもいいのです。躓いてもいいのです。
大切なのは、「自分の人生のハンドルを、自分で握り直すこと」です。

自分の人生の「主導権」を取り戻そう
「誰かが何とかしてくれる」と思っている間は、一見楽に見えて、実は常に誰かの顔色や存在に脅かされる不安定な人生になります。

本当の安心感は、親の財布からではなく、「自分の力で生き抜いている」という自負と行動からしか得られません。

もしこの記事を読んで心当たりがあったなら、今がその時です。
親に頼るのをやめる覚悟を決めること。自分の収支と残酷なまでに向き合うこと。
最初は小さくても構いません。自分の力で一歩を踏み出すことこそが、あなたの「心が成人する」第一歩となります。

自分の人生を救えるのは、他でもないあなた自身しかいないのです。

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ここでブログはおしまいです。いろいろな人がいる分、いろいろな考え方があって良いとは思いますが、このようなことはよくあります。
(子供<年齢的には大人>が精神的に自立していないことが多いと感じます)

特に今の現役世代の方はご両親からの援助が前提になっていて、それで生活できているのに、やってもらうこと(≒貰えること)が当たり前になっていて、特別なこととも思っていなくて、そのことに感謝もしていない……普通のことと思っているケースがあります。
この場合、ご両親がいなくなって初めてそれが特別だったことを理解できますが、分かったとしても、すぐに対応できないことは多くあります。

<例:うちは食費は少なくて済んでいます>
→実際は田舎のご両親が毎年1年間分のお米を送ってくれていた。
→季節ごとの野菜や果物も送ってくれていた。
これを普通のことと思っていて、自分たちはやりくり上手と思っていた。
両親が病気になって送ってくれなくなり、自分たちで買うようになり、そこで初めて月額15,000円相当の援助を受けていたことが分かった。

このようなこともありました。

お小遣いを貰えるのが当たり前、両親の家に住めるのが当たり前、両親の車を使用できるのが当たりまえ、孫の教育資金を出してくれるのが当たり前、両親が家事をやってくれるのが当たり前、、、その家庭ごとにいろいろな「当たり前」があります。

ただ一つ言える確かなことは、誰かが動き、誰かが負担しているものはすべて「当たり前」ではありません。
この当たり前に気が付くことがとても大切と思います。

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