「生きてほしい」その願いが、息子に後遺症を残した

「生きてほしい」その願いが、息子に後遺症を残した

記事
コラム
2022年の夏から秋にかけて、

私と息子は陽子線治療を受けるため、

他県の病院へ二人で転院しました。


陽子線治療は、とても効果の高い治療です。

でも、その一方で、後遺症が多いのも事実です。


息子に生じている、

・低身長
・疲れやすい体
・永久脱毛
・白内障
・高次脳機能障害
・学習障害
・知的障害

これらは、基本的に

陽子線治療の影響によるものです。


ChatGPT Image 2026年7月31日 21_27_10.png

あの時、

後遺症を少しでも軽くするために、

放射線の線量を減らすという選択肢もありました。


線量を減らせば、

後遺症の程度も軽くなります。


でも、その代わり、

生存率は約10%下がります。


息子の病気は、本当に恐ろしい病気で、

もし再発したら、命を救うことはできません。


もしかしたら、

線量を減らしても再発しないかもしれない。

長く生きられるかもしれない。


息子自身は、重い後遺症を背負ってまで

長く生きたいとは思っていないかもしれない。


将来、

「なんで自分はこうなってしまったんだ」

と悲しむ日が来るかもしれない。


そんなことを何度も何度も考えました。


それでも、私は、

息子が存在しない未来は、

考えられませんでした。


そんな未来は存在してはいけないんです。


だから私は、線量の多い治療を選びました。


陽子線治療は、数ミリのずれも許されません。

照射中は眠る薬を使い、

頭全体をプラスチックのマスクで固定します。


小さな子どもは、眠る薬を嫌がることも多いそうです。

でも、息子は一度も嫌がりませんでした。


「今日も頑張ってくるね。」

「ぼく、すぐ寝んねするから

先生がいつも褒めてくれるよ。」


いつも誇らしそうに、息子は話してくれます。


でも、私の心の中は、いつもぐちゃぐちゃでした。


なぜなら、

この治療がどんな未来を引き起こすかを、

私は痛いほど知っているからです。


陽子線治療の葛藤_挿絵.png

身長は伸びても130cmほどかもしれない。

後頭部は永久脱毛で髪が生えてこない。

見た目のことで傷つく日が来るかもしれない。


知的障害や学習障害で、

夢だったアイスクリーム屋さんを

諦める日が来るかもしれない。


疲れやすい体のせいで、

友達のように

思い切り遊べないかもしれない。


白内障のせいで、

大好きな電車も見れなくなって、

難聴のせいで、

大好きな音楽も聴けなくなるかもしれない。


そんな残酷な未来が待っているかもしれない。


それでも、「頑張ってくるね」と

笑顔で言う息子に、


私は

「いつも頑張ってるね。」

「本当に助かってるよ。」

って、笑顔で答えないといけないんです。


息子が不安にならないように。

泣きたい気持ちを必死に押し殺して。


(この感情は誰にも分かるはずがない)

(軽々しく分かられてたまるか)


毎晩、そう思って、

息子に気づかれないように泣いていました。


治療が終わった今も、

あの選択が本当に正しかったのかは、

よく分かりません。


でも、息子は今も生きています。


後遺症と向き合いながらではありますが、

今も生きて笑っています。


命を救うためとはいえ、

こんなに大きな枷を背負わせた私にできるのは、


私の残りの人生すべてをかけて、

息子の人生がより豊かなものになるように支えること。


「ぼく、もう一人で大丈夫だよ!」と言うその時まで、

息子の側で、成長と笑顔を見守り続けることです。


もし今、病気や障害のあるお子さんを支えながら、

「あの選択で本当に良かったのかな」

「もっと違う道があったんじゃないかな」


そんなふうに思っているのなら、

どうか一人で抱え込まないでください。


あの頃の私と同じように、

あなたは、わが子のことを必死に考えて、

一番良いと思える選択をしたはずです。


だから、自分のことを責めないであげてください🍀


もし心が苦しくなった時は、

一人で頑張り続けないでほしい。


あなたの気持ちを、安心して話せる場所があることを、

どうか忘れないでください🍀

𖧷⢄⡱𖧷⢄⡱𖧷⢄⡱𖧷⢄⡱𖧷⢄⡱𖧷⢄⡱𖧷⢄⡱𖧷⢄

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