『学校ではハグを控えてください』その言葉に、私はすぐ頷けませんでした。
記事
コラム
息子が小学校へ入学して、しばらく経った頃のお話です。
私は毎朝、息子を学校まで車で送っています。
玄関まで一緒に歩いていき、
「今日も一日頑張ってね」
そんな気持ちを込めて、
最後に決まってしていたことがあります。
タッチ。
握手。
そして、ぎゅっとハグ。
それが私たち親子のお別れの儀式でした。
ハグをして、「いってらっしゃい。」
そう言って教室へ向かう息子を見送り、
私は車で家へ帰る。
そんな毎日を過ごしていました。
ある日、先生から声を掛けられました。
「学校では、抱き合うことは控えていただいた方がいいと思います。」
「ほかのお子さんも見ていますし、驚いてしまうかもしれません。」
私は、その場では
「分かりました。」
と答えました。
もちろん先生がおっしゃることも理解できます。
玄関で長く立ち止まれば他の子の邪魔になることもあります。
でも、
私の心には、どうしても引っ掛かるものがありました。
先生は知らなかったと思います。
私が毎朝、
どんな気持ちで息子を送り出していたのかを。
息子が入学したばかりの頃。
血小板の値はとても低く、
少しのケガでも血が止まりにくい。
小脳性失調の症状が強く、
ふらついて転びやすい。
さらに脳にはたくさんの血管腫があり、
もし転倒して頭を強く打てば、
脳出血を起こす可能性もありました。
だから私は毎朝、
学校へ向かう息子の背中を見ながら、
心のどこかで思っていました。
「今日、生きて帰ってこられるだろうか。」
もちろん、
そんなことが起こる可能性は高くはありません。
でも、
一度「命」を失いかけた経験をすると、
"絶対に大丈夫"
という言葉を、心から信じることができなくなります。
だから私は、
毎朝ハグをしていました。
もし何かあったとしても、
「大好き」
を伝えずに後悔したくなかったから。
私はどうしたらいいのか分からなくなり、
学校のカウンセラーさんへ相談しました。
すると、
私の話を静かに聞いてくださったあと、
少し言葉を詰まらせながら、
こう言ってくださいました。
「お母さんが葛藤しながら、ともくんを送り出していることが、とても伝わってきました。」
「どうするのが一番いいのか、先生方とも相談してみますね。」
その言葉を聞いた瞬間、
私は救われた気がしました。
私の気持ちを、誰かが分かろうとしてくれた。
それが、本当に嬉しかったのです。
最終的には、学校ではハグは控え、
タッチと握手だけで送り出すことになりました。
今でも毎朝、
タッチをして、
握手をして、
「いってらっしゃい。」
そう言って送り出しています。
周りから見れば何気ない毎日の中でも、
病気の子どもを育てる親は、きっと、
誰にも見えない不安と一緒に生きています。
だからこそ私は
アドバイスや正論よりも、
まずは、
「そう思っていたんですね。」
「それはつらかったですね。」
「よく頑張ってこられましたね。」
って、
寄り添える人でありたいと思います🍀
𖧷⢄⡱𖧷⢄⡱𖧷⢄⡱𖧷⢄⡱𖧷⢄⡱𖧷⢄⡱𖧷⢄⡱𖧷⢄
ブログ記事について感想、メッセージいただけると嬉しいです♪
こちらから~✉👇
「子どもの病気や障害で、毎日不安…」
そんなあなたの気持ち、聞かせてください🍀