毎月、月末が来るたびにドキッとする瞬間があります。
在庫CSのデータが届いて、来月の保管スペースを計算しなきゃいけないやつです。
商品ごとのCS数を見ながら「常温がこのくらいで、チルドがこのくらいで、冷凍が……」と電卓とExcelを行き来して、温度帯ごとに必要パレット数を出す。最後は「たぶんこのくらいあれば大丈夫」という感覚で終わらせる。
でも実際のところ、その"たぶん"って、どのくらい信頼できますか?
私は物流・倉庫の現場に10年以上いました。正直に言うと、スペース計算を感覚でやっていた頃、入庫当日に「チルドが足りない」となったことが何度かあります。逆に、確保しすぎてスペースが余り続けていたことも。どちらも、保管損益には確実にダメージを与えていました。
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## 温度帯管理がなぜ難しいか
常温倉庫だけなら、パレット計算は比較的シンプルです。でも、冷凍・チルド・常温の複数温度帯を持っている食品倉庫や物流拠点では、話が全然変わってくるんですよ。
理由は大きく2つです。
**温度帯ごとに保管単価が全然違う**
常温保管の相場は1パレット月3,000円前後ですが、冷凍になるとその倍以上かかることもあります。温度帯を混同したままコスト計算をすると、保管費の見積もりが大きくズレます。これ、月単位で積み重なると意外と大きな差になるんですよね。
**温度帯ごとにスペースが独立している**
常温のスペースが空いていても、冷凍スペースが足りなければ意味がない。逆に冷凍スペースが余っていても、常温の棚が全部埋まっていれば入庫できない。温度帯別に「今何パレット使えるか」を個別に把握する必要があります。
これを毎月手計算でやっていると、どこかで誤差が積み重なっていきます。
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## 「在庫CS数から必要パレット数」という計算の落とし穴
物流現場では、在庫数はCS(ケース)単位で管理していることが多いですよね。
「この商品が500CS入庫予定」とあっても、それが何パレットになるかは商品ごとに違います。1パレットに50CS積める商品もあれば、24CSの商品もある。だから「500CS÷50CS/パレット=10パレット」という計算を商品ごとにやって、温度帯別に合計していく必要があります。
商品数が10品なら手計算でもなんとかなる。でも50品、100品になってくると、毎月これをExcelで手でやるのは本当に大変です。しかも一つ間違えると、スペースが足りなかったり、逆に無駄に確保しすぎたりする。
そしてこのズレは、保管損益の把握にも直結してくるんです。
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## 保管損益との繋がり
パレット数の計算がズレると、保管損益の把握もズレます。
「今月の保管費がいくらかかったか」「保管スペースに対して売上はどのくらいか」──これを温度帯別に把握しないと、どの温度帯が利益を出していてどこが赤字かが見えてきません。
食品物流では冷凍品の保管コストが高いぶん、冷凍スペースの稼働率管理は特に重要なんですよ。スペースが空いているのに正確に把握できていなければ、それはコストの垂れ流しです。逆にスペースが足りなくて外部委託倉庫を使ったとしたら、そのコストは当初の想定の何倍になっているか。
こういうことを体系的に把握するための仕組みが、現場レベルで整っていない会社は本当に多いです。
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## このExcelテンプレートでやっていること
私が作った「倉庫保管PL計算表」は、以下の流れで自動計算します。
**① 在庫CS数を入力**
商品ごとの在庫CS数を入力します。1パレット当たりのCS数(積付数)はマスタに登録しておけば、あとは数字を入れるだけです。
**② 温度帯別のパレット数が自動で出る**
登録された積付数を元に、常温・チルド・冷凍それぞれで何パレット必要かが自動計算されます。商品ごとに手計算する必要がなくなります。
**③ 保管コストが自動集計される**
温度帯別の単価を設定しておくと、パレット数×単価で保管コストが自動で出ます。
**④ PL(損益)として確認できる**
保管コストと売上(または入出庫量)を照合することで、温度帯別の保管損益が把握できます。
CSからパレット数→コスト→PL確認という流れを、入力するだけで回せるようにしています。
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## こんな方に使ってほしい
- 食品系の倉庫・物流会社で温度帯別の保管管理をExcelでやっている
- 毎月の在庫CSから必要パレット数を手計算していて誤差が気になっている
- 保管スペースのコストを温度帯別に把握したいが仕組みができていない
- WMSを入れるほどではないが、今のExcel管理に限界を感じている
専用のWMSは高くて導入が難しい、でも今のやり方には限界がある──そういう現場のために作りました。
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## 「たぶん大丈夫」から卒業する
毎月の保管スペース計画が"たぶん"の感覚で終わっている間は、保管損益を正確に把握することは難しいです。
CS数からパレット数を自動で出して、温度帯別にコストを集計して、損益として見える化する。これが毎月の業務フローに入ると、「今月の保管コストはこのくらいかかっている」が根拠のある数字で言えるようになります。
感覚ではなく数字で動ける現場になる。それが、保管業務を改善する最初の一歩だと思っています。