ストレスチェックを“活かす”3つの出口

ストレスチェックを“活かす”3つの出口

記事
コラム
毎年ストレスチェックを実施している。——でも、「結果を配って終わり」になっていませんか。ストレスチェックは、実施することよりも“その後どう使うか”で価値が決まります。今日は、制度を「活かす」視点で整理します。

■ストレスチェックは、何のための制度か
ストレスチェックは、労働安全衛生法にもとづき、常時50人以上の労働者がいる事業場に、年1回の実施が義務づけられています(2015年12月から)。なお、50人未満の事業場はこれまで努力義務でしたが、2025年の法改正で、こうした小規模な事業場にも義務化されることが決まりました。施行は2028年(令和10年)4月からで、これにより、規模を問わず、原則すべての会社がストレスチェックを行う時代になります。義務化されてから慌てないよう、今のうちに体制を整えておくのが得策です。目的は“一次予防”——つまり、不調になってから対応するのではなく、本人がストレスに気づき、職場環境を改善して「未然に防ぐ」ことにあります。ここを外すと、ただの健康診断の付録になってしまいます。

■【保存版】ストレスチェックを“活かす”3つの出口
集めたデータには、3つの活かし方があります。
1. 個人への出口=面接指導……高ストレスと判定された人が“申し出た”場合、医師による面接指導を行います(本人の申出が起点)。その結果をもとに医師の意見を聴き、必要なら労働時間や業務の調整といった就業上の措置につなげます。
2. 職場への出口=集団分析……部署ごとなどのまとまりで結果を分析し、「どの職場に負荷が偏っているか」を見て、環境改善につなげます(人数が少なすぎると個人が特定される恐れがあるため、原則10人以上のまとまりで見ます)。法律上は努力義務ですが、“会社を変える”ならここが本丸です。
3. 時間の出口=経年で見る……毎年の変化を追うと、施策の効果や、負荷が高まっている部署の兆しが見えてきます。

■信頼を守る「個人情報」の一線
ストレスチェックが機能するかどうかは、“社員が安心して正直に答えられるか”にかかっています。結果は、本人の同意なく会社に提供してはならないのが原則です。ここが曖昧だと、「会社に見られる」と感じた社員が本音で答えなくなり、データそのものが意味を失います。

■つまずきやすいポイント、3つ
1. 「実施して終わり」……集団分析も改善もせず、受検結果を配って完了にしている。
2. 集団分析をしていない……いちばん経営に効く“職場の地図”を、みすみす捨てている。
3. 個人情報の扱いが不透明……守秘の線引きが見えず、正直に答えてもらえない。

私は管理部門で30年、こうした制度を“回す側”と、社員側の面談(のべ1,000人ほど)の両方に携わってきました。だからこそ、「ストレスチェックをどう実施するか」だけでなく、「その結果を、職場改善や一人ひとりのケアにどうつなげるか」まで見て、お手伝いできます。

「毎年やってはいるが、活かせている実感がない」「集団分析を、どう職場改善につなげれば?」——現状の点検からで大丈夫です。まずは一緒に、いまのやり方を整理するところから始めましょう。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す