「星降る湖畔」から招待状が届いた、胃がもたれやすいあなたへ。
目的地までの旅路には、最初に寄っておきたい中継地点があります。
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## 目的地までに、最初に寄るべき中継地点
それは、「ひと口を、いつもより5回多く噛む」という習慣です。
食べる品数を変えたり、食事の時間を大幅に増やしたりする必要はありません。飲み込む前に「あと5回だけ」噛む回数を少し増やす。たったこれだけの小さな中継地点です。
## なぜこの小さな中継地点が必要なのか
これまで「ながら食べ」が続いていた胃腸は、活動モード(交感神経優位)のまま無理やり食べ物を詰め込まれ、消化の負担が重くのしかかっている状態です。
よく噛むこと(咀嚼)は、食べ物を細かくすりつぶして唾液(消化酵素)と混ぜ合わせる、いわば「口で行う最初の物理的な消化」です。口の中でしっかり消化の準備をしてあげることで、疲弊している胃が行うべき「すりつぶし作業」が大幅に減り、ダイレクトに胃腸の負担を和らげることができます。
さらに、生理学的にも「一定のリズムで噛む」という動作は、脳の緊張をほぐし、自律神経をリラックスモード(副交感神経優位)へと切り替えるスイッチになることが分かっています。
この中継地点を挟んで物理的な負担を減らしつつ「休むスイッチ」を入れておくことで、目的地(湖畔)での休息が、疲れた胃腸の奥深くまでしっかり届きやすくなります。
## あなた専用のルートに、カスタマイズしませんか
早食いの癖が強いのか、もともと噛む回数が少なめで飲み込んでしまうのかは、実は人によって変わります。
最初は「プラス3回」から始めるのが心地よいのか、食材を少し大きめに切る工夫が合うのか。あなたに合わせて、目的地までのルートを無理なく心地よくカスタマイズしませんか。
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― Dóna Salus ―
【今回のキーワード】
「咀嚼という物理的消化」
【参考】
論文タイトル: Influence of mastication on gastric emptying(咀嚼が胃排出に及ぼす影響)
著者: Pera P, et al.
掲載誌: Journal of Dentistry(2002年)
内容:
噛む機能(咀嚼効率)が正常な人と、低下している人において、胃が食べ物を消化して腸へ送り出すスピード(胃排出時間)を比較した研究です。結果として、よく噛んで食べ物を細かく粉砕できている人ほど、胃の中での滞留時間が短く、スムーズに消化が行われることが実証されました。
論文タイトル: Mastication as a Stress-Coping Behavior(ストレス対処行動としての咀嚼)
著者: Kubo KY, et al.
掲載誌: BioMed Research International(2015年)
内容:
「咀嚼(噛むこと)」が、脳におけるストレス反応の司令塔(HPA軸:視床下部-下垂体-副腎系)の過剰な働きを強力に抑え込むことを解説した包括的な論文です。
生理学的に、ガムを噛むような「一定のリズムでの咀嚼運動(Rhythmic mastication)」は、脳の緊張やストレスを緩和し、自律神経のバランスを整える(交感神経の興奮を抑え、リラックスモードである副交感神経の活動を助ける)働きがあることが詳細に報告されています。さらに、このリズミカルな運動は、前回のテーマでもあった「幸せホルモン(セロトニン神経系)」の活性化にも繋がることが知られています。