「陽光あふれる高原」から招待状が届いた、支えきれない体のあなた。
軽やかに軸を取り戻す旅に出る前に、まず駅のロッカーに置いていきたい荷物がひとつあります。
旅に出る前に、まず置いていくもの
それは、「疲れやすいから」と体を動かすことをつい後回しにしてしまう習慣です。
疲れているからこそ動きたくない気持ちは、痛いほどよく分かります。ですが、その「動かない選択」の積み重ねが、姿勢を支える筋肉をさらに深い眠りへと誘ってしまっているのです。
なぜ「動かないこと」が疲れを加速させるのか
筋肉は使われないと、どんどんその働き方を忘れていきます。
私たちの筋肉には、姿勢を省エネでじっくり支える「インナーマッスル」と、パワフルに動くけれどすぐ疲れる「アウターマッスル」があります。体を動かさない期間が続くと、姿勢を保つためのインナーマッスルが真っ先にサボり始め、“お休みモード”に入ってしまいます。
するとどうなるか。残された筋肉、つまり本来は運動に適した「アウターマッスル」が、休む間もなく体を支え続けることになります。アウターマッスルは持久力がないため、すぐに「もう無理!」と悲鳴を上げます。お休みモードのインナーマッスルを無視したままでは、エンジンばかりふかしている状態になり、余計に疲れてしまうのです。
スポーツ医学の世界でも「廃用(はいよう)性変化」と呼ばれ、動かないことで深層筋が萎縮し、表層筋が過労を起こすメカニズムが証明されています。体を休めること(Rest)と、動かさないこと(Inactivity)は、実は全く別物なのです。
荷物確認、一緒にしてみませんか
「動かない習慣」の他にも、あなたの旅行カバンを重くしているものがあるかもしれません。
浅く座る癖、片足にだけ体重をかける立ち方、そして呼吸の浅さ——。人によって、隠れた荷物はさまざまです。
あなた専用の「旅のしおり(ロードマップ)」を作りながら、一緒に荷物を確認してみませんか。
ロードマップ作成はこちら↓
― Dóna Salus ―
【今回のキーワード】
「廃用(はいよう)性変化」
【参考】
* **Changes in multifidus muscle mass in response to 60 days of strict bed rest**
* *Belavý DL, et al. Eur J Appl Physiol. 2008.* (PMID: 18454271)
ー 概要 ー 長期間体を動かさない(ベッドレスト)状態が続くと、アウターマッスルよりも先に、背骨を支える重要なインナーマッスル(多裂筋など)が急速に萎縮することをMRIを用いて証明した研究です。「使わないと姿勢を支える筋肉から衰える」という医学的根拠になります。
* **Neuromuscular control and physical inactivity: consequences for health and well-being**
* *Aagaard P, et al. Scand J Med Sci Sports. 2010.*
ー 概要 ー 身体活動の低下(座りっぱなしなど)が、神経と筋肉の連動(モーターコントロール)を鈍らせ、結果として疲れやすさや運動機能の低下を招くメカニズムを解説したレビュー論文です。