先週、私の書類に付いた指摘は4つでした
合計が合っていない。3ページ目と数字が違う。根拠のない「大幅に」。去年の日付。4つとも、中身の話ではありません。
■ 中身の議論に入る前に、体裁で3往復する
この手の指摘だけで会議が終わった経験は、たぶん一度や二度ではないはずです。指摘する側も、したくてしているわけではありません。誤字と桁ずれを伝えるためだけに30分の枠を使い、それが終われば、次の週にまた同じことをやる。指摘される側は、直したつもりで出したところ、直した箇所につられて別の数字がずれ、3往復目でようやく中身の話に入ります。そのころには、当初の締切を過ぎています。
いちばんこたえるのは、あの一言です。「もう一度確認してから出して」。
何を確認すればいいのかは書かれていません。確認する順番も決めていませんでした。だから最初から読み返します。1時間かけて読み返して、それでも同じ箇所を見落としたまま出し直すので、自分の注意力の問題なのだと思って、少しずつ消耗していきました。
■ 書いた直後の自分には、書いていないものが見えている
これは注意力ではなく、順番の問題でした。
書き終えた直後の自分は書いた内容を覚えているので、読み返すときには、紙へ書いてある文字より、頭の中にある内容のほうを読んでしまいます。「先月比で大幅に増えた」という一文を見ても、根拠になる数字を自分は知っているので、書かれていない事実に気づけません。読み手には、そこが空欄に見えます。
つまり、書いた本人の読み返しでは、構造的に見つからない種類の抜けがあるわけで、翌朝まで置けば見つかることもありますが、その翌朝は、たいてい提出日でした。
■ 「校正して」ではなく、照合する項目を4つ渡す
そこで、提出前にAIへ点検させるようにしました。ただし「校正してください」とは頼みません。それだと文章の言い回しばかり直してきて、肝心の数字は素通りするからです。渡すのは、照合する項目のほうです。点検は提出の直前にやります。
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以下は、私がこれから提出する書類です。
文章の良し悪しは評価せず、次の4点だけを点検してください。
【点検する項目】
1. 数字の整合:本文中の数字どうしで、合計・差・比率が合わない箇所
2. 根拠のない程度表現:「大幅に」「順調に」など、数字の裏づけがないまま程度を述べている箇所
3. 日付と期間:本文の中で食い違っている日付、期間が示されていない箇所
4. 言い切り:出典も確認先も書かれていないのに、事実として断定されている箇所
【答え方】
・該当箇所をそのまま引用し、どの項目に当たるかを番号で示す
・直した文章は出さない
・該当がない項目には「該当なし」と書く
【書類】
(ここに貼り付ける)
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この4項目を、お使いの書類向けに組み替える出品も用意しています。過去に受けた指摘と、提出先がどこかを教えていただければ、点検用のプロンプト、提出前に見る順番を書いた手順書、実際に点検を通したサンプルをそろえてお送りします。10,000円(1件、相談込み)です。
「直した文章は出さない」の一行が、この点検の要になります。直したものを受け取ると、読まずに差し替えてしまうからです。指摘だけを受け取って自分で直すと、どこが弱かったのかが手のほうに残るので、次に書くときの書き方が変わります。
私の書類でいちばん当たるのは、2番でした。毎回2、3か所出ます。しかも、そのほとんどは自分で書いた覚えすらない一文で、「順調に推移しており」という表現が、どこから紛れ込んだのか、いまだに分かりません。
点検にかかるのは1分ほどで、直すのを含めても5分あれば終わり、差し戻しの往復が減ったぶん、提出してから承認までの日数も縮みました。私の場合は平均で2日ほどですが、承認までの流れは会社ごとに違うので、ご自身の直近3件で前後を比べてみるのが確実です。
金曜の夕方に「どこかに間違いがある気がする」と思いながら送信する、あの感じが消えたので、減ったのは往復の回数だけではありません。
■ 「該当なし」を、そのまま信じない
限界も書いておきます。1番の数字の整合は、本文の中に両方の数字が書かれている場合しか見つからず、元データとの突き合わせは、これまでどおり人の作業として残ります。集計表と本文を並べて確かめる工程は、省けませんでした。
そして「該当なし」を、無いことの証明として受け取らないでください。私は10回に1回ほど、点検を通ったのに指摘を受けています。この点検で減らせるのは、体裁のやりとりに費やす往復の1回分だけでした。差し戻しそのものが消えるわけではありません。
■ 4つの項目は、自分の差し戻し履歴から作る
最後に、いちばん大事な部分を書きます。
上に載せた4項目は、私の職場で私が繰り返し指摘された内容から作ったもので、何を見られるかは、会社と相手によってまるで違います。品質保証の部署が見る書類と、経営会議に出す書類では、詰まる箇所がまるで違いました。
ツールは使い方で、最短の結果としても使えますし、
チェック用にも使えます。
まずは、仕事の中に「もう一つのルート」を持つことが
自分の仕事の精度をあげる最短です。
私のつくるツールは、「もう一つのルート」になりますよ