楽天モバイルの歴史と今後|第4のキャリアはどこへ向かうのか

楽天モバイルの歴史と今後|第4のキャリアはどこへ向かうのか

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IT・テクノロジー
今ではすっかりおなじみとなった「楽天モバイル」。

「料金が安い」「楽天ポイントが貯まる」といったイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。

しかし、楽天モバイルが現在のような携帯電話会社になったのは、実はそれほど昔のことではありません。

楽天はもともと格安スマホ事業からスタートし、その後、自社で通信設備を整備する「第4のキャリア」として携帯電話市場に本格参入しました。

今回は、楽天モバイルがどのように誕生し、どのように成長してきたのか。そして、これからどこを目指しているのかを見ていきます。

楽天モバイルの始まりは格安スマホ

楽天が携帯電話事業に参入したのは2014年です。

当時は現在のように自社の通信網を持っていたわけではなく、NTTドコモなどの回線を借りてサービスを提供するMVNOとしてスタートしました。

いわゆる「格安スマホ」の市場です。

当時の携帯電話業界は、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの大手3社が中心でした。

そこに楽天が格安料金を武器として参入し、携帯電話料金の選択肢を広げていきます。

しかし楽天が目指していたのは、単なる格安スマホ会社ではありませんでした。

2018年、自社の通信網を作る

楽天モバイルにとって大きな転換点となったのが2018年です。

楽天は総務省から携帯電話用の周波数の割り当てを受け、自社で基地局などの通信設備を整備するMNOへの参入を進めました。

これまで他社の回線を借りていた楽天が、自分たちで通信ネットワークを作ることになったのです。

そして2019年には、携帯キャリアとしてのサービスを開始。

NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクに続く「第4のキャリア」として、楽天が携帯電話市場に本格的に参入しました。

大きな話題となった「0円」プラン

楽天モバイルが一気に注目を集めた理由の一つが、料金の安さです。

特に話題になったのが「1GBまで0円」という料金プラン。

ほとんどデータ通信を使わない場合、月額料金がかからないという大胆な料金設定でした。

さらに、データ通信をたくさん使っても料金が一定額に収まる段階制の料金プランを採用。

「安く使えるだけでなく、大容量通信にも強い」という楽天モバイル独自のポジションを築いていきました。

一方で、2022年には0円で利用できる料金体系を終了。

その後、「Rakuten最強プラン」へと移行し、現在の料金体系につながっています。

料金を大幅に下げて利用者を増やす戦略から、楽天グループ全体との連携を活用して利用者を囲い込む戦略へと変化していったといえるでしょう。

楽天経済圏との連携が強みに

楽天モバイルの特徴は、携帯電話だけではありません。

楽天には、楽天市場、楽天カード、楽天銀行、楽天証券、楽天ポイントなど、さまざまなサービスがあります。

楽天モバイルは、これらのサービスと組み合わせることでメリットを感じられる仕組みを強化してきました。

例えば、楽天モバイルを利用することで楽天市場でのポイント還元など、楽天グループのサービスをまとめて利用するメリットが生まれます。

つまり楽天モバイルは、単純に「安い携帯電話会社」を目指しているのではなく、楽天経済圏への入口としての役割も担っているのです。

課題だった通信エリア

一方で、楽天モバイルには大きな課題もありました。

それが通信エリアです。

自社で通信網を作り始めたばかりだったため、サービス開始当初は大手3社と比べて基地局の数が少なく、エリアの広さや建物内でのつながりやすさなどが課題となりました。

楽天はその後、基地局を急速に増やし、通信エリアの拡大を進めてきました。

さらに2024年には、携帯電話の電波が建物内などにも届きやすい「プラチナバンド」の商用サービスを開始。

通信品質を改善するための環境も少しずつ整ってきました。

楽天モバイルにとって、プラチナバンドの導入は単なる設備追加ではなく、大手3社との差を縮めるための重要な一歩となっています。

契約者数は1,000万回線を突破

こうした取り組みを続けた結果、楽天モバイルの契約者数も大きく増えていきました。

2023年には500万回線、600万回線を突破。

その後も契約数を伸ばし、2025年には1,000万回線を突破しました。

さらに2026年9月には、MNO・MVNO・MVNEなどを含む契約数が1,100万回線を突破しています。

サービス開始当初は「第4のキャリアとして本当に定着できるのか」と注目された楽天モバイルですが、現在では一定規模の顧客基盤を持つ通信会社へと成長しています。

これからの課題は「利用者数」から「収益性」へ

楽天モバイルの次の課題は、単純に契約者数を増やすことだけではありません。

通信会社として安定した収益を確保できる事業に成長させることも重要になっています。

携帯電話会社は、基地局やネットワーク設備の整備に多額の投資が必要です。

楽天モバイルもこれまで通信網の構築に大きな投資を続けてきました。

そのため、今後は契約者数を増やしながら、通信品質を高め、収益性も改善していくことが求められます。

楽天モバイルにとっては、「安いから契約する」という利用者だけでなく、「通信品質や楽天サービスとの連携も含めて使い続けたい」と思ってもらえるサービスにできるかが重要になりそうです。

次の切り札は「衛星通信」

そして、楽天モバイルの今後を考えるうえで注目されているのが衛星通信です。

楽天モバイルは、米国のAST SpaceMobileと連携し、通常のスマートフォンと人工衛星を直接つなぐサービスの実現を目指しています。

この技術が実用化されれば、基地局を設置することが難しい山間部や離島などでも通信できる可能性があります。

さらに、災害などによって地上の通信設備が利用できなくなった場合の通信手段としても期待されています。

これまでの楽天モバイルは、基地局を増やして「地上の通信エリア」を広げることが中心でした。

今後は衛星まで組み合わせることで、これまでとは違った形で通信エリアを広げようとしています。

AIを使ったネットワークにも注目

楽天モバイルは、AIなど新しい技術をネットワークに活用する取り組みも進めています。

通信量の変化を分析してネットワークを効率的に運用したり、消費電力を抑えたりすることで、通信品質とコストの両方を改善することが期待されています。

楽天はもともとIT企業として成長してきた企業です。

そのため、従来の携帯電話会社とは異なる「ソフトウェアやクラウドを活用した通信ネットワーク」を強みにしようとしている点も特徴です。

楽天モバイルはどこへ向かうのか

楽天モバイルの歴史を振り返ると、

格安スマホへの参入

↓

自社通信網の構築

↓

第4のキャリアとしてサービス開始

↓

料金の安さを武器に契約者を拡大

↓

プラチナバンドによる通信品質の改善

↓

1,000万回線を超える規模へ

という流れで成長してきました。

そしてこれからは、単純な「格安スマホ」という位置づけから、楽天グループ全体を支える通信サービスへと、さらに役割が広がっていく可能性があります。

楽天市場や楽天カードなどとの連携に加え、金融、AI、衛星通信など、楽天グループが持つさまざまなサービスや技術を組み合わせられることが楽天モバイルの特徴です。

もちろん、通信品質のさらなる改善や収益性の確保など、課題も残されています。

それでも、わずか数年で1,000万回線を超えるまでに成長したことを考えると、楽天モバイルは日本の携帯電話市場において無視できない存在になったといえるでしょう。

今後の楽天モバイルが、通信サービスだけでなく、楽天経済圏や衛星通信、AIなどをどのように組み合わせていくのか。

「第4のキャリア」として始まった楽天モバイルは、これから次のステージへ進もうとしています。


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