介護保険サービスを利用する際、私たちのパートナーとなってケアプランを作成してくれる「ケアマネジャー(介護支援専門員)」。
実は、このケアマネジャーになるための受験資格は、介護福祉士や社会福祉士といった福祉分野だけではありません。医師、看護師、理学療法士、管理栄養士、柔道整復師など、非常に幅広い医療・保健分野から受験することができます。
しかし、実際に現場で働いているケアマネジャーの多くは「介護・福祉出身者」です。
なぜなら、単純に「看護師や理学療法士として働いている方が、ケアマネジャーよりも給与が良いから」です。わざわざ資格を取って給与の低い職種に転職する人は、普通はあまりいません。
では、あえて医療やリハビリの分野からケアマネジャーに転職してきた人と出会った場合、どう見極めれば良いのでしょうか?
そこには、「2つの極端な理由」が存在します。
「意識が高いケアマネ」か、「現場から弾かれたケアマネ」か
医療やリハビリの資格を持ちながら、給料が下がってでもケアマネジャーをやっている人。
もしその人が、「お金以上に、高齢者の人生全体を支えたい」という強い情熱を持って転職してきたのであれば、間違いなく「大当たり」のケアマネジャーです。その出会いはぜひ大切にしてください。
しかし、注意が必要なのは「逆のパターン」です。
看護師やリハビリの資格はあるものの、現場でのスキルが低く弾かれてしまった人や、人間関係が築けず組織で働けなくなった人が「逃げ場」として流れてきているケースもあります。
ケアマネジャーの業務は、基本的に一人で動く「個人プレイ」の要素が強い仕事です。そのため、介護現場でチームワークが取れなかった人がケアマネジャーに転身しているパターンも、実は決して少なくありません。
テストの点数が取れて試験に受かることと、「コミュニケーション能力が高く、利用者に寄り添えること」は全く別なのです。
ケアマネジャーを選ぶ時にチェックすべき「2つのポイント」
では、どのようにして良いケアマネジャーを見極めれば良いのでしょうか。
役所や地域包括支援センターから紹介された人をそのまま受け入れるのではなく、ぜひ以下の2点を確認してみてください。
① バックボーン(前職の分野)とコミュニケーション力
ぜひ「以前はどんなお仕事をされていたんですか?」と聞いてみてください。ケアマネージャーの資格は、それぞれ受験資格となる国家資格の分野である程度経験を積まなければ受験ができませんので、必ずケアマネージャーになる前に他の仕事をしていたはずです。
それぞれ経験を積んだ分野が得意分野となりますので、医療出身なら医療寄り、リハビリ出身ならリハビリ寄りといったように、自分の得意分野にケアプランが偏る傾向もあります。また、しっかり対話ができる人かどうかも最初の会話で見極めましょう。
② ケアマネジャーが所属している「法人の母体」
実はここが一番の落とし穴です。
そのケアマネジャー事業所の母体が「訪問介護」なら訪問介護を、「訪問看護」なら訪問看護を優先的にケアプランに組み込もうとするケースが多々あります。
過去には、歯科医院が経営するケアマネ事業所で「その歯医者の訪問歯科をケアプランに入れるとケアマネの給与が上がる」という仕組みを作っていた例すらありました。
母体の事業所の利益を優先した「偏ったケアプラン」になっていないか、ご家族側も少し賢くなってチェックする必要があります。
本当の「連携力」を持っている人を選ぼう
ケアマネジャーの仕事は個人プレイとお話ししましたが、利用者様に最適なサービスを提供するためには、デイサービスや訪問介護、病院など多様な事業所とスムーズに繋がれる「高い連携力」が不可欠です。
この連携力が高いケアマネージャーほど幅広いサービスや事業所を紹介できる力を持っていると言えるでしょう。
ただ近所だから、紹介されたからと安易に決めず、ぜひ一度しっかりとお話をしてみてください。
本当に信頼できるケアマネジャーと出会えれば、介護の負担や不安は驚くほど軽くなりますよ。