また、今年も「猛暑」と言われる夏がやってきました。
夏は、私たち介護士にとってまさに「試練の季節」です。
なぜなら、常に熱中症の危険にさらされながら働いているからです。
「えっ、室内で冷房の効いた場所で働いているのに?」と思われるかもしれません。
しかし、現場のリアルはそんなに甘くありません。
高齢者の多くは、冷房を嫌がります。
食堂で少し風があたっただけで「寒い」、設定温度を少し下げただけで「寒い」と仰るため、フロアの冷房設定温度はだいたい27度程度に保たれています。
座って過ごされている入居者様にはちょうど良くても、常にフロアを走り回り、移乗や介助で体を使っている介護士にとっては、汗が噴き出す温度です。
そして、夏場最大の「地獄」がお風呂の担当(入浴介助)です。
湿度100%の灼熱地獄で、2時間ぶっ続けの重労働。
浴室の中に冷房はありません。
高温多湿で、時には外の気温よりも高くなるような空間です。
制度上、入居者様を週2回以上お風呂に入れなければならないため、毎日の入浴スケジュールは朝から夕方までギッシリと組まれています。自分で身体や頭を洗える入居者様はごくわずか。介護士は高温多湿の浴室の中で、手足をフルに動かし、抱え上げ、身体を洗い続けます。
途中で一息ついて休憩することすら許されず、この過酷な状態が2時間以上ぶっ続けで続くのです。
これは、誰がどう見ても「熱中症のリスクが極めて高い危険な労働環境」です。
施設は、入居者様の水分補給や体調管理にはものすごく気を配ります。
しかし、それを支えているスタッフの体調管理への配慮は、驚くほど欠けているのが現状です。
介護士の熱中症リスクを減らす「3つのアイデア」
介護士の命と健康を守るために、施設側は以下のような具体的な対策を真剣に考えていくべきではないでしょうか。
1.入浴担当は「1時間以内」の完全交代制にする
2.スタッフが業務中いつでも水分補給できるよう、フロアや浴室付近に給水場を設置する。
3.クーラーを効かせた小部屋を作り、交代で1時間おきに「5分間のクールダウン時間」を義務付ける
「そんなことをしたら業務が回らない」という声が聞こえてきそうですが、考えてみてください。
入居者様だって、汗をダラダラ流しながら必死の形相でケアしてくる介護士より、涼やかな笑顔で接してくれる介護士にケアしてほしいはずです。
スタッフへのほんの少しの配慮が、労働環境を劇的に改善し、介護士のやる気を引き出し、結果として「入居者様へのケアの質の向上」に跳ね返ってきます。
介護士の体を守ることは、入居者様の笑顔を守ることと同じです。
今年の夏こそ、施設全体で「働く側の熱中症対策」を見直してみませんか?