「更年期に何を食べればいいの?」
これは、栄養相談でもっともよく聞かれる質問のひとつです。
更年期はホルモンバランスが大きく変化する時期。この時期に不足しがちな栄養素を意識して摂ることで、症状を和らげ、この先の健康を守ることができます。
25年間、病院で管理栄養士として多くの女性を支えてきた私が、更年期に特に大切な栄養素5つをわかりやすくお伝えします。
栄養素① たんぱく質
〜筋肉・ホルモン・免疫を守る土台〜
更年期になると筋肉量が落ちやすくなります。筋肉が減ると基礎代謝が下がり、太りやすく・疲れやすい身体になってしまいます。また、ホルモンや免疫物質もたんぱく質からつくられます。
1日の目安量:体重×1.0〜1.2g (体重50kgの方なら50〜60g)
おすすめ食材
食材 たんぱく質量(目安):卵1個 約6g ・豆腐半丁(150g) 約8g・
鮭1切れ(100g) 約22g・納豆1パック 約8g・ 鶏むね肉100g 約23g
ポイント:毎食「手のひら1枚分」のたんぱく質を意識しましょう
栄養素② 大豆イソフラボン
〜女性ホルモンの代わりをしてくれる成分〜
大豆イソフラボンは、体内でエストロゲン(女性ホルモン)に似た働きをする成分です。ホルモンが減少する更年期に、不足を補うサポートをしてくれます。
1日の目安量:70〜75mg (豆腐半丁+納豆1パックで概ね充足)
おすすめ食材
食材 イソフラボン量(目安):納豆1パック(50g) 約37mg・
豆腐半丁(150g) 約43mg ・豆乳200ml 約41mg ・味噌大さじ1 約7mg
ポイント:一度に大量に摂るより、毎日少しずつ摂る習慣が大切です
栄養素③ カルシウム
〜骨粗しょう症を防ぐ最重要ミネラル〜
エストロゲンには骨を守る働きがあります。更年期にエストロゲンが減少すると、骨密度が急激に低下し骨粗しょう症のリスクが高まります。カルシウムの摂取は、この時期の最重要課題のひとつです。
1日の目安量:650〜700mg (多くの女性が不足しています)
おすすめ食材
食材 カルシウム量(目安):牛乳200ml 約220mg ・ヨーグルト100g 約120mg ・しらす大さじ2 約90mg・ 小松菜100g 約170mg ・チーズ1枚(20g) 約126mg
ポイント:ビタミンDと一緒に摂るとカルシウムの吸収がUPします(鮭・きのこ・日光浴)
栄養素④ 鉄
〜倦怠感・貧血・冷えを防ぐ〜
更年期前後は生理不順が続くことが多く、出血量が増えて鉄が失われやすい時期でもあります。鉄が不足すると、全身に酸素が運ばれにくくなり、倦怠感・冷え・集中力低下につながります。
1日の目安量:10.5mg(閉経前)/6.0mg(閉経後)
おすすめ食材
食材 鉄分量(目安):赤身牛肉100g 約2.7mg・ 豚レバー50g 約6.5mg・
小松菜100g 約2.8mg ・ひじき(乾)5g 約2.8mg ・納豆1パック 約1.7mg
ポイント:ビタミンC(レモン・ブロッコリー)と一緒に摂ると鉄の吸収が約3倍になります
栄養素⑤ ビタミンB群
〜エネルギー代謝・神経・気分を整える〜
ビタミンB群は、食事をエネルギーに変える働きを担っています。更年期に多い疲労感・気分の落ち込み・睡眠の乱れにも深く関わっており、不足すると症状が悪化しやすくなります。
特に意識したいビタミンB群
種類 主な働き 多く含む食材 B1 エネルギー代謝・疲労回復 豚肉・玄米・大豆 B6 ホルモンバランス調整 鶏肉・鮭・バナナ B12 神経機能・気分の安定 貝類・魚・卵 葉酸 細胞の修復・貧血予防 緑黄色野菜・納豆
ポイント:B群はまとめて摂ることで効果が高まります。バランスの良い食事が基本です
5つの栄養素を毎日摂るための簡単プラン
難しく考えなくて大丈夫です。この組み合わせを意識するだけで5つの栄養素がまとめて摂れます。
朝
味噌汁(豆腐・わかめ)+卵料理+ヨーグルト
→ たんぱく質・イソフラボン・カルシウム・B群
昼
鮭定食(小松菜の炒め物・玄米)
→ たんぱく質・カルシウム・鉄・ビタミンD・B群
夜
納豆+豚肉の生姜焼き+ひじきの煮物
→ イソフラボン・たんぱく質・鉄・B群
まとめ
更年期に積極的に摂りたい栄養素5選:
1.たんぱく質 — 筋肉・ホルモン・免疫の土台。毎食手のひら1枚分
2.大豆イソフラボン — 女性ホルモンをサポート。1日70mg目安
3.カルシウム — 骨を守る最重要ミネラル。ビタミンDと一緒に
4.鉄 — 倦怠感・冷えを防ぐ。ビタミンCと一緒に摂ると吸収UP
5.ビタミンB群 — エネルギーと気分を整える。バランスよく毎日
「何を食べればいいか」がわかると、毎日の食事が変わります。まず1つだけ、今日から意識してみてください。
栄養相談では、あなたの食事を個別に見ながら一緒に改善プランを作ることができます。気になる方はお気軽にご連絡ください。
この記事を書いた人:管理栄養士(病院勤務25年)。栄養指導・講演会・資料作成の経験をもとに、食を通じて世界中の方の健康をサポートすることを目指しています。