その霊媒師は私が登場させたの?

その霊媒師は私が登場させたの?

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昔、いとこの知り合いに霊媒師がいた。

「あなたを見てあげる」

そう言われて、

私はその人に見てもらうことになった。


私は、ほとんど何も話していない。


夫のことも、義母のことも、
家庭の中で何が起きているのかも。

ところが、その霊媒師は私にこう言った。

「旦那さんのお母さんが、悪の根源ね」

さらに、

「旦那さんは右向け右の人だから、
これからも変わらないよ」

と言った。


私は驚いた。


なぜなら、その言葉が、
私が結婚生活の中で
ずっと感じていた違和感に、
妙にぴったり当てはまったからだ。


夫は、いつも自分の家族側を優先した。

あるときは、
亡くなった私の父の預金について、

「俺の父親か俺の妹の預金に移したら?」

そんな提案までしてきた。


ちなみに私は、
父の貯金額すら夫に伝えていない。

いやいや。

なぜ私の父のお金が、
あなたの父親か妹のところへ行くのだ。

私の母の存在はどこへ消えた。


父が亡くなったあとには、
姑が夫を通じて、

「お母さんを老人ホームに入れたらどうだ?」

と提案してきたこともある。


なんというか。

私の家族のことなのに、
なぜか向こうの家族が采配を
振るおうとしてくる。


当時の私は、

霊媒師の

「この人は変わらないよ」

という言葉を聞いて、

「ああ、本当に変わらないんだ」

と思った。


そして、それが離婚を決める
大きなきっかけになった。


だから長い間、私は、

「霊媒師に背中を押されて離婚した」

と思っていた。


でも最近、
少し違う気がしている。


もしかしたら、

霊媒師が私の人生を動かしたんじゃない。

私が霊媒師を
必要な役割として自分の世界に
登場させたのかもしれない。

もっと言えば、

私が霊媒師を動かした

のかもしれない。


もちろん、
本当に霊能力があったのかも
しれない。


ただ一つ確かなのは、

あの言葉を聞く前から、
私はもう苦しかったということだ。

夫の言動に何度も傷ついていた。

「この結婚、おかしいんじゃないか」

その答えは、
とっくに私の中にあったのだと思う。

でも、自分一人では認めたくなかった。

離婚するのは怖い。

間違っていたらどうしよう。

もう少し我慢したら、
夫は変わるかもしれない。

そんな期待と不安の間で、
私はずっと止まっていた。

そこに突然、

「この人は変わらないよ」

と言う人が現れた。


今思えば、

私がどうしても自分では言えなかった言葉を、
その人が代わりに言ったのかもしれない。


人生には、ときどき不思議な人が現れる。

占い師だったり、
友人だったり、
たまたま読んだ本だったり、
電話相談員だったり、
偶然流れてきた動画だったりする。

そして、

「なんで今、この言葉に出会ったんだろう」

と思うことがある。


でも、それは
誰かがあなたの人生を決めた瞬間
ではないのかもしれない。

自分の中にずっとあった答えが、
外の世界を使って
姿を現した瞬間なのかもしれない。

私は霊媒師に
人生を変えてもらったのではない。

あのとき、

もう終わりにしたい。

もう自分を後回しにしたくない。

そんな私自身の気持ちが、
霊媒師の口を借りて出てきた。

そう考えると、

人生の主導権が自分に戻ってくる。

誰かに救われたのではない。

誰かに決めてもらったのでもない。

私が自分の人生を変えるために、
必要な言葉を受け取った。

もっと言えば、

私の世界だから、

私がそうさせた。


そう考えた方が、
私は好きだ。

もし今、
誰かの言葉が妙に心に刺さっているなら、

その人が特別なのかどうかより、

「なぜ私は、その言葉にこんなに
反応したんだろう?」

と考えてみてほしい。

もしかしたら、その人は
答えを持っているのではなく、

あなたがすでに持っている答えを、
見える場所まで運んできた
だけなのかもしれない。

怒りの中にも、
違和感の中にも、
妙に刺さる他人の一言の中にも、

自分が本当はもう気づいていることが、
隠れていることがある。

人生を動かしたのは、
霊媒師じゃなかった。

たぶん、あのときの私だった。




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