施工事例の動画を何本か続けて作っていて、最後まで見てもらえる本と、途中で流される本の差がどこにあるのかを見ていました。編集の丁寧さでも、動画の長さでもありませんでした。差が出ていたのは、最初の1秒に何を置いたかでした。
スマホで見る人は、その1秒で見るか飛ばすかを決めています。見る価値があるかどうかを、こちらが何かを説明する前に判断しています。だから1秒目は、いちばん強い絵を置く場所であって、準備をする場所ではありません。実際に作りながら分かったことを書きます。
【1】1秒目に、終わった後を置く
塗装のビフォーアフターを作ると、自然とビフォーから始めます。時系列としては正しい順番です。ただこれをやると、1秒目が色あせた壁やひび割れになります。
作って見比べると、ここで止まってもらえません。汚れた壁は、通りすがりの人にとって見る理由にならないからです。
順番を入れ替えて、完成後の壁を1秒目に置き、そこから工事前に戻す作りにすると、同じ素材でも最後まで見られるようになりました。結果を先に見せてしまうと後が持たないように思えますが、逆でした。きれいになった状態を先に見せると、どれくらい変わったのかを確かめたくなります。
【2】AI動画は、指定しないと1秒目を捨てる
AIで動画を作る時に、最初にぶつかったのがこれでした。
作りたいものだけを書いて渡すと、モデルは映画のような入り方を作ります。遠くから建物を映して、ゆっくり寄っていく導入です。絵としては悪くないのですが、1秒目が空や地面になります。いちばん大事な場所が、寄っていく途中に使われてしまいます。
なので指示は秒で区切って書きます。0秒から1秒に何が映っているか、そこから何秒で切り替わるか、を先に決めてしまう。この書き方に変えてから、冒頭が無駄になることが減りました。
【3】社名とロゴを頭に置かない
テレビCMの形をそのまま真似すると、会社のロゴから始めたくなります。ここは我慢したほうがいいです。
知っている会社のロゴなら見る理由になりますが、初めて見る人にとっては、まだ何の意味も持っていません。1秒目にロゴを置くと、いちばん見られる場所を、いちばん興味を持たれていないものに使うことになります。
社名は最後で構いません。最後まで見た人は、どこの会社かを知りたくなっています。
【4】音が無い前提で、1秒目の文字を決める
スマホの動画は、音を消したまま見られることが多いです。なので1秒目の情報は、絵と文字だけで伝わる必要があります。
ここで失敗しやすいのが、文字を入れすぎることです。1秒で読み切れない長さを置くと、読もうとして止まるのではなく、読まずに流されます。作った動画を自分のスマホで一度見ると分かりますが、1秒は思っているより短いです。
文字は、目に入った瞬間に意味が分かる長さまで削ります。何の工事か、どこが変わったか。それだけで足ります。
【5】1秒目は、最後に決める
これは作業の順番の話です。
頭から順に作っていくと、1秒目は、いちばん考えが浅い状態で決めることになります。全部つないでから、いちばん強い絵を選んで頭に持ってくるほうが、結果が良くなりました。
素材を撮る段階でも同じです。完成後の写真は、いちばん条件の良い時間帯に1枚撮っておくと後で効きます。1秒目に置ける絵があるかどうかで、その動画の出来がほぼ決まります。
【まとめ】
・見るか飛ばすかは、最初の1秒で決まっている
・ビフォーから始めない。完成後を先に見せると最後まで見られる
・AIに任せると1秒目が寄っていく途中になる。秒で区切って指示する
・ロゴと社名は頭に置かない。最後で足りる
・音は無い前提。1秒で読み切れない文字は読まれない
・1秒目は最後に決める。全部つないでから頭を選び直す
同じ素材でも、置き方を変えるだけで見られ方が変わります。撮り直しではなく、最初の1秒を差し替えるだけで済むことも多いです。
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