こんにちは。
私は看護師として高齢者施設で働いています。
暑い日が続くこの時期、毎年強くお伝えしたいことがあります。
それが「脱水」についてです。
今日は、現場で日々感じていることを交えながら、脱水の怖さと予防のポイントについてお話しします。
読み終わった頃には、ご自身やご家族の水分の摂り方を、少し見直したくなるかもしれません。
あなたは1日にどれくらい水分を摂っていますか?
突然ですが、質問です。
「今日、水分をどれくらい飲みましたか?」
こう聞かれて、すぐに「〇〇ml」と答えられる方は、実はそう多くありません。
多くの方は「そういえば、あまり飲んでいないかも」と気づかれます。
私たちの体は、尿や汗、呼吸などを通して、毎日およそ2〜2.5Lの水分を失っています。
これらは飲み物だけでなく、食事に含まれる水分などでも補われていますが、特に夏場は汗をかく量が増えるため、意識して水分を補給することが大切です。
「のどが渇いたら飲めばいい」は危険な思い込みです
「のどが渇いたら飲めばいいでしょう?」
そう思っている方は、とても多いです。
でも、これは注意が必要な考え方です。
一般的には、体重の約2%に相当する水分が失われる頃から、のどの渇きを感じ始めるといわれています(感じ方には個人差があります)。
つまり、「のどが渇いた」と感じた時には、すでに体では水分不足が始まっている可能性があります。
さらに高齢になると、この「渇きを感じる力」が低下しやすくなります。
そのため、体は水分を必要としていても、本人は渇きを自覚しにくく、水分補給が後回しになってしまうことが少なくありません。
「のどが渇いてから飲む」のではなく、「渇く前に、こまめに飲む」。
これが脱水予防の基本です。
高齢者施設の現場で見えてくる、脱水の怖さ。
私は高齢者施設で働いていますが、この時期になると、脱水や熱中症で体調を崩される利用者さまが本当に増えます。
施設では毎日、おおよその飲水量を記録し、体調と合わせて確認しています。それでも脱水になってしまう方がいらっしゃいます。
その理由のひとつが、現場で「蓄積脱水」と呼ばれる状態です。
これは、1日だけを見れば大きく不足しているわけではなくても、「少し足りない状態」が数日にわたって積み重なることで、徐々に体内の水分不足が進み、体調に影響が現れる状態を指します。
• その日の飲水量だけを見ていても安心できない
• 数日から1週間程度の水分バランスを見ていく視点が大切
• 気づいた時には、すでに体調に影響が出ていることもある
これが、脱水の本当に怖いところだと、現場で日々感じています。
「飲んでほしいのに、飲んでくれない」という現実
もうひとつ、現場で大きな課題になっているのが、「水分を摂ってほしいのに、なかなか飲んでくれない」という高齢者の方の存在です。
• 「飲みたくない」「お腹がタプタプする」と拒否される
• 何度も声をかけるうちに、こちらも伝え方に悩んでしまう
• 好みの飲み物や温度、器を変えても反応が薄い
• トイレの回数を気にして、あえて水分を控えてしまう方もいる
こうした方々に対して、施設では
• 好きな飲み物や、水分の多い果物・ゼリーなどを取り入れる
• 一度にたくさんではなく、少量を回数多く提供する
• 声かけのタイミングや言葉を工夫する
• 生活のリズムの中に「飲むきっかけ」を自然に組み込む
など、一人ひとりに合わせた工夫を重ねながら関わっています。
同じ方法がすべての方に合うわけではなく、本当に試行錯誤の連続です。
脱水のサインを知っておきましょう
高齢者では脱水の症状が分かりにくいこともありますが、次のような変化には注意が必要です。
• 尿の量が減る、色が濃くなる
• 口の中や唇が乾いている
• 食欲がない、元気がない
• ふらつきや立ちくらみがある
• ぼんやりして反応が鈍い、いつもより様子が違う
こうしたサインが見られた場合は、早めの水分補給を心がけ、症状が改善しない場合や意識がはっきりしない、高熱を伴うなどの様子がある場合は、速やかに医療機関を受診することが大切です。
こんなお悩み、ありませんか?
• ご家族の高齢者が、なかなか水分を摂ってくれず心配
• 「のどが渇いていないから大丈夫」と本人が言い張って困っている
• 施設や訪問の現場で、水分摂取をどう促せばいいか悩んでいる
• 脱水のサインを、どう見極めたらいいか知りたい
こうした「高齢者の水分摂取」にまつわる困りごとやお悩みは、決して珍しいことではありません。
私自身、現場で毎日のように向き合っているテーマです。
もし今、身近な高齢者の方の水分摂取や体調のことで悩んでいたり、
「これって大丈夫なのかな」と不安に感じていることがあれば、
ひとりで抱え込まず、ぜひ一度ご相談ください。
看護師としての現場経験を踏まえて、状況に合わせた関わり方や工夫の仕方を、一緒に考えさせていただきます。
もちろん、水分摂取以外のお困り事でも大丈夫です。
お気軽にメッセージをお送りください。
暑さの厳しいこの季節、大切なご家族が元気に過ごせるよう、少しでもお力になれたら嬉しいです。